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ほぼ日刊イトイ新聞

2024-05-23

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・気晴らしというか、気分転換というか、
 娯楽として見たい映画を選ぶときには、
 なにかしら基準があるのではないか、と思いました。
 いろんなことに頭を使ってくたびれてるときに、
 映画でも見るかと見た映画でさらに疲れた、
 なんてことはありがちな気がします。
 「疲れているときに、それは見ないよ」と、
 ある程度わかってる映画もあります。
 アクション映画だったら大丈夫、とか、
 ヒーローものだとか怪獣ものならいいんじゃないか、
 なんて思っていても、そうはいかないこともあります。

 いまぼくは、まさしくそういう状況にありまして、
 お笑いを見てても気が休まらないとか思ってました。
 野球をはじめとするスポーツもけっこうつらいんです。
 そして、もしかしてと思って見はじめたのが、
 韓国ドラマの特に「ロマンチック・コメディ」でした。
 これは、とにかく大丈夫でしたよ。
 つまらないということはないし、
 ちゃんと続きを見たくなるんだからありがたいです。
 そして、娯楽として重要な要素とはなにかがわかりました。
 それは「おれと関係ない」ことです、とにかく。
 舞台は大財閥の家で、主人公は経営者のお嬢様。
 もちろんだれもが認めるバリバリの大美女で、
 男性の主人公は、頭がよくて腕力も強い大イケメン。
 アメリカ留学してきた大切れ者の敵役がいて…
 いろんな汚いことだとかしやがるんですけどね。
 もしかして、「おれにも関係あるかな」ってことが、
 まったくないんですよ、だから無責任にたのしめる。
 もちろんハラハラもドキドキもしますけど、
 ぼくと登場人物たちの間は、まったく地続きじゃない。
 これですよ、安心してたのしめる娯楽というのは。
 芸術か娯楽かなんて分類だと、油断がならない。
 「いやぁ、心にずしんと残るものがあった」なんてね、
 真顔で見終えるような娯楽作品が多々あるんですけどね。
 特に、マンガやアニメは危険だったりしますよ。
 ある種の時代劇とか見てるときも同じかもしれないけど、
 韓国映画で「財閥」世界が舞台のは、まず大丈夫ですね。
 ひさしぶりに、気分転換できました。
 ちなみに、今回の作品、タイトルは『涙の女王』です。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
そういえば、『愛の不時着』も同じような感想でしたっけ。


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