ΓΝΩΘΙ ΣΑΥΤΟΝ-購書&購盤日記-

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【2022年の12冊】

2023-01-24 04:42:41 | 読書

恒例のお正月企画、【○○年の○冊】です。
読了は128冊。
以下は読んだ順です。
◎柳澤健『2016年の週刊文春』光文社 2020
 柳澤健、鉄板です。
◎萩尾望都『一度きりの大泉の話』河出書房新社 2021
 竹宮恵子との関係をめぐる、かなりドロドロしたお話でした。竹宮惠子『少年の名はジルベール』小学館 2016が出たので、話さずにはおれなかったということです。
◎新川帆立『競争の番人』講談社 2022
 ドラマ化されたので御存じの方も多いかと思います。新川帆立は『倒産続きの彼女』、『剣持麗子のワンナイト推理』、『先祖探偵』等、作品を量産していますが、安定した面白さがあります。
◎直島翔『転がる検事に苔むさず』小学館 2021
 爽やかな読後感。キャラが立ってました。続編の『恋する検事はわきまえない』も良し。
◎月村了衛『脱北航路』幻冬舎 2022
 緊迫したクライマックスでは不覚にも涙しそうになりました。
◎安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』集英社 2022
 ヤマハとJASRACの裁判を題材にした小説でしたが、音楽教室に潜入した主人公が丁寧に描かれており、むしろ心温まる物語に。
◎篠田節子『仮想儀礼』(上)(下) 新潮社 2008
 生活に困って新興宗教を立ち上げた主人公の物語。でも、様々な登場人物の中で一番ピュアだったのが彼ではなかったでしょうか。
◎樋田毅『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』文藝春秋 2021
 作者の実体験に基づくノンフィクション。革○ル派の不気味な恐ろしさが伝わってきます。
◎池上彰・佐藤優『漂流 日本左翼史 理想なき左派の混迷 1972-2022』講談社 (講談社現代新書) 2022
 三部作完結。内容が自分と同時代的になってきました。他にも伴野準一『全学連と全共闘』平凡社(平凡社新書) 2010、中北浩爾『日本共産党-「革命」を夢見た100年』中央公論新社(中公新書) 2022を読みました。
◎綾崎隼『ぼくらに嘘がひとつだけ』文藝春秋 2022
 棋士をめざす主人公2人の一途さに心打たれます。
◎一雫ライオン『二人の嘘』幻冬舎 2021
 純愛小説。
◎本郷 和人『歴史学者という病 』講談社(講談社現代新書) 2022
 歴史学とはどのような学問なのか。興味深く読むことができました。
【NEXT12】(順不同)
○牧村康正『ヤクザと過激派が棲む街』講談社 2020
 山谷でのヤクザと過激派(新左翼)の抗争を描いています。新左翼活動家の様々な人間像に魅かれます。
○橋本長道『覇王の譜』新潮社(新潮文庫) 2022
 こちらも主人公が将棋に打ち込む一途な姿が印象的でした。
○内田樹『そのうちなんとかなるだろう』マガジンハウス 2019
 内田樹の半生記。ちなみに立川談志の場合は、『人生、成り行き―談志一代記』(新潮文庫) 2010。
○魚住昭『出版と権力 講談社と野間家の一一〇年』講談社 2021
 講談社創業者の野間清治の強烈な個性には圧倒されます。
○逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』早川書房 2021
 今さらワタクシが何も言うことはない話題の書。
○誉田哲也『フェイクフィクション』集英社 2021
 警察、ヤクザ、元プロキックボクサー、新興宗教が絡むエンターテインメント。
○中川右介『国家と音楽家』集英社(集英社文庫) 2022
 もしショスタコーヴィチがソ連に生まれていなかったらどうなっていたんでしょう。
○前田啓介『昭和の参謀』講談社(講談社現代新書) 2022
 生き残った参謀たちの戦後の生活にスポットを当てた異色の本でした。
○古谷経衡『敗軍の名将 インパール・沖縄・特攻』幻冬舎(幻冬舎新書) 2021
 著者は軍事関係の専門家ではないかもしれませんが、実際にインパールに足を運んでいるところに説得力があります。
○石井徹也『新宿末廣亭うら、喫茶「楽屋」』アスペクト 2013
 やはり、芸談は面白い。
○杉江松恋『浪曲は蘇る:玉川福太郎と伝統話芸の栄枯盛衰』原書房 2022
 浪曲を聴きたくなりました(時々は聴いています)。
○北村紗衣『批評の教室 チョウのように読み、ハチのように書く』筑摩書房(ちくま新書) 2021
 「ここでひとつ強調しておきたいのは比評をする時の解釈には正解はないが間違いはある、ということです。よく解釈なんて自由だから間違いなんかない、と思っている人がいますが、これは大間違いです。間違った解釈というのはとくにフィクション内事実の認定に関するものを中心に、結構あります。」(北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』pp.12-13)ということです。
【番外】
●スーツ『神と呼ばれる鉄道YouTuber スーツの素顔』三才ブックス 2020
 スーツ氏のYouTubeには特に興味はひかれませんでしたが、こちらの本は大変面白うございました。
●佐藤優『池田大作研究 世界宗教への道を追う』朝日新聞出版 2020
 プロテスタント神学の研究者である佐藤優がその立場から池田大作と創価学会を分析した本かと思いきや、どう見ても提灯本にしか思えませんでした。一種の奇書か。


【2020年の10冊】

2021-06-12 11:49:30 | 読書
お正月企画、【○○年の○冊】です。
読了は114冊。面白かった本も多く、10冊選ぶのに苦労しました。
順不同です。一部、ブックカバーチャレンジと重なります。
◎藤森かよこ『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください』ベストセラーズ 2019
 上村先生(福山平成大学)の哲学カフェで出会った本です。知的刺激に富んだ本でした。娘たちにも勧めました。男子が読んでも大丈夫。
◎北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か?不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』書肆侃侃房 2019
 著者はウィキペディアンの「さえぼー」。
◎根井雅弘『経済学者の勉強術: いかに読み、いかに書くか』人文書院 2019
 レベルが高すぎて勉強術としては直接役立ちませんでしたが……。
◎佐々木実『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』講談社 2019
 宇沢の人生と共に、折々の経済学の世界(学問の動向)が描かれているのですが、これが実にわかりやすい。著者の並々ならぬ力量を感じました。
◎柳澤健『2000年の桜庭和志』文藝春秋 2020
 柳澤健の「〇〇年の××」シリーズにはずれなし!
◎奥泉光『死神の棋譜』新潮社 2020
 得体のしれないものにズルズルと引き込まれていくような面白さ。
◎西岡研介『トラジャ JR「革マル」30年の呪縛、労組の終焉』東洋経済新報社 2019
 『マングローブ』の続編。松崎明亡き後のJR「革マル」の終焉を描きます。しかし、病巣はまだ残る?
◎逢坂剛『鏡影劇場』新潮社 2020
 こちらも不可思議な魅力に引き込まれていきました。分厚い本でしたが、グイグイ読めました。逢坂剛、スペインだけじゃなかったんですね。
◎坂上泉『インビジブル』文藝春秋 2020
 その時代のヒリヒリした感じが伝わってきます。人物造形も秀逸。
◎二宮敦人『紳士と淑女のコロシアム 「競技ダンス」へようこそ』新潮社 2020
 熱く、甘く、切ない青春小説。ブックカバーチャレンジで紹介した『SOKKI!-』と似たテイストです。
◎ラーラ・プレスコット(著)吉澤康子 (訳)『あの本は読まれているか』東京創元社 2020
 オリガのパステルナークへの一途な愛が心に残ります。  
【NEXT10】
○安藤祐介『本のエンドロール』講談社 2018
 最初は、主人公ちょっと暑苦しいなと思っていましたが、徐々に引き込まれていきました。 
○五十嵐律人『法廷遊戯』講談社 2020
 最後のどんでん返しはお見事。
○ピーター・トライアス(著)中原尚哉(訳)『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)』早川書房2016
 久しぶりに読んだSF。昔の感覚を思い出しました。
○馳星周『ゴールデン街コーリング』KADOKAWA 2018
 馳星周(坂東齢人)の自伝的青春小説。実は、私、若い頃は日本冒険小説協会の会員でした(笑)。
○黒木亮『アパレル興亡』岩波書店 2020
 岩波書店だけどエンタメ小説。アパレルに興味がない私でも面白く読むことができました。
○柏耕一『交通誘導員ヨレヨレ日記——当年73歳、本日も炎天下、朝っぱらから現場に立ちます』フォレスト出版 2019
 この出版社のこのシリーズ、人気のようですね。『メーター検針員テゲテゲ日記——1件40円、本日250件、10年勤めてクビになりました』も読みました。こちらの本は西村健『目撃』と関連あり。
○佐野晶『ゴースト アンド ポリス GAP』小学館 2019
 「ごんぞう」たちの巣窟だと思われた交番だったが…。爽やかな読後感。
○相場英雄『トップリーグ』角川春樹事務所 2017
 政治陰謀小説? 首相と官房長官のモデルがわかりやすすぎ。
○呉勝浩『ライオン・ブルー』KADOKAWA 2017
 地方の街の暑苦しい閉塞感。
○青木健『ペルシア帝国 (講談社現代新書)』講談社 2020
 今やアケメネス朝ではなくハカーマニシュ朝なのですね。著者は私より10歳若いのですが、やたらと古風な言い回しが目立ちました。

■引用 お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門

2020-08-16 06:32:36 | つぶやき
◎北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』書肆侃侃房 2019
 
 
「私は一年に百本くらい映画を映画館で見て、かつ百本くらい舞台も劇場で見ます。 その全部について簡単な批評を書いて自分のブログにアップしています。また、一年に二六〇冊くらい本を読みます。 おかしいですよね。いくらなんでも多すぎます。(中略)でも、これだけたくさん見たり読んだりするのは、仕事だからというだけでは無理です。楽しくないと続けられません。私が年間百本ずつ映画と舞台を見る生活を続けられるのは、楽しむ方法があるからです。私の場合、その楽しむ方法が「批評」、とくに「フエミニスト批評」を用いた批評です。」(p.8)
 
「ここでひとつ強調しておきたいのは比評をする時の解釈には正解はないが間遇いはある、ということです。よく解釈なんて自由だから間違いなんかない、と思っ ている人がいますが、これは大間違いです。間違った解釈というのはとくにフィクション内事実の認定に関するものを中心に、結構あります。」(pp.12-13)
 

■引用 死刑囚 最後の晩餐

2019-09-22 20:03:38 | つぶやき

◎タイ トレッドウェル, ミッシェル バーノン『死刑囚 最後の晩餐』筑摩書房 2003

アメリカではホールドアップに遭ったとき、無事に切り抜けられる金額というものがある。一〇ドルでは少なすぎて犯人が怒りだし、殺されてしまう可能性がある。一〇〇ドルでは多すぎて、事件の発覚を恐れる犯人にやはり殺されてしまう。犯人も納得し、被害者も助かる額というのは五〇ドルまでだそうだ。 

(P68)


4月21日(日)のつぶやき

2019-04-22 06:29:20 | つぶやき

4月16日(火)のつぶやき

2019-04-17 06:27:10 | つぶやき

4月15日(月)のつぶやき

2019-04-16 06:23:43 | つぶやき

4月14日(日)のつぶやき

2019-04-15 06:40:30 | つぶやき

4月13日(土)のつぶやき

2019-04-14 06:28:42 | つぶやき

4月11日(木)のつぶやき

2019-04-12 06:27:43 | つぶやき