ええい

駄文これまで。
息苦しくってしゃあねえ。違う違う、そうじゃないんだ。

限りある資源と時間を、これから派手に使うことになる。その選択に悔いが残るのがこわいのだ。

「保険適用外の検査を受ける」=抗がん剤をつかわなくて済む可能性に賭けるため
「メスが入る前に母と旅行」=親不孝だから
「術前の体躯を記録にのこす」=自分のため

この3つを1ヶ月以内にする。費用はボーナス1年分かそれ以上か。
自分で決めたことだけど、昔っからお金のつかいかたが下手くそなので自信が持てずグズグズしてます。

アンビバレンツさを持て余すばかりの人生やなあ。しゃーねえなあ「それで、いいのだ」って言ってやるよ。

時間の浪費は戻らん。金はいつか戻ってくるやもしれぬ。予約を入れよう。大丈夫、何とか暮らしていける。大阪の子も北海道の子も頑張ってる。お前も頑張れ。ひとりだけど孤独じゃないって信じてやんなきゃ人生がかわいそうだろう?

かわい子ちゃんの少しハズしたシーンでも拝んで笑う。


時間の贅沢な使いかた

有限を自覚していたら朝から晩までノープランでネット掘りやテレビただ流しをしないだろう無限だと勘違いしてればこそアホウドリは我だけのために時間を浪費しているのだこうやって。

アイス・キャラメルマキアートのまずにいられない。

窓を閉め、薄く室温を冷却して今すべきことを挙げようとしていた。成果はゼロだ。何も得ていない。昨日は、洗濯と冷蔵庫内の消費とごみ捨てと処方薬を買っただけ。今日は図書館に病の本を返却し、入院に備えるものを買いに町の西友へ向かったが、あいにくフロア縮小のため何も買えず。レコーダのHDへ入れっぱなしの平昌五輪からの撮りだめを移すディスクも手に入れず、サンドイッチと飲み物だけ買ってモサモサと食しyoutubeを興味の流れに任せ延々とながめている。

こんな無意味なことを延々と続けていても咎める人はいない。誰もいない。何をしているのだろう。何もしていない。

図書館で「障害年金」や「生活保護」の本を読んだが我にそれは当てはまらない。診断を受けてまだ2ヶ月も経たず自覚症状がなくまだ何も治療が始まっていない状態では障害年金は受けられない。生活保護も来年度に会社清算で退職金と360日の失業給付を受けられるから対象にならない。「養生の食事」を手に取ったがモチベーションは上がらず。

10年前、我がこんな立場になっているとは思いもしなかった。胸の悪い子が種を蒔かれたであろう7年前、ガムシャラに生き延びる手段を首の皮一枚残ったところで模索してた。1年前だってまだ、未来を思い描きながら頑張っていたはずだ。なのに今、闘志は残念なくらい失せている。

タラレバとナイナイづくしの文章で息が詰まりs

6月11日 「小さな冷蔵庫」

あの男はいわゆる『だめんず』に属していたのかもしれない。夜道で警棒を振るアルバイトで日銭を稼ぎ,その多くを自分の好きなことに使い果たしていた。一緒に暮らしてた彼女は,本業の合間に派遣社員をしていて,彼より少しだけ収入が多かった。ただしそれは“見かけ上のリッチ”。本業でもらえるギャラはほんのわずか。派遣の給料と合わせると,それなりの金額にはなるが,それでも彼女は家賃を払い,公共料金を負担し,ふたり+二匹の猫の食事代を賄うと月末に現金はほとんど手元に残らない。

家に帰ると,いきなり機材が増えている。ああまたか,と彼女は嘆く。彼のローンはピーク時には毎月10万ほどだっただろうか。自転車操業な生活も,夢を追う彼には“ヘ”でもない。支払いのため,彼女の持っていたわずかな金品は質に入った。彼はローン審査を通らなくなったが,彼女名義でさらに“必要な”機材を揃え,創作に励んだ。

彼女は,ふたつの仕事に加えて夜,ハイヒールを穿いて酒を給仕するアルバイトを増やした。見かけ上の収入はさらに増えたけど,新しい洋服を買う余裕は相変わらずない。彼との生活が3年を過ぎた頃には,彼女はくたくたに疲れ切っていた。

家にある冷凍冷蔵庫は,最初こそ新鮮な野菜や肉や飲み物で賑やかだったけど,いつしか彼女のあせりや疲れや諦めや悲しみで埋め尽くされていった。賞味期限切れの心が,扉を内側から押し開けてしまうほどになった頃,猫たちと冷蔵庫を置いて,彼女は町を出た。

彼女は新しい冷蔵庫を買った。小さな小さな,安温泉宿にあるような,氷のできない四角い冷蔵庫。飲み物が冷えればいい。ひとりぶんの食べ残しが保管できればいい。それぐらいの大きさが余計なもの溜め込まなくてちょうどいいと思ったから。

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やがてできた新しい彼は,冷蔵庫を持っていなかった。住まいは狭く,洗濯機を置く場所もないし,据え付けの冷蔵庫もない。だからビールがすぐにぬるくなってしまうし,食事も外食や弁当に頼らざるを得ない生活。

彼女は彼のために冷蔵庫を大きなサイズに買い換えようとした。でも,容量が増えるほどに,またああいう気持ちまでぎゅうぎゅうと詰め込んでしまうかもしれない,という不安が,それを躊躇させていた。

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ある日,彼の部屋を訪れると,小さいながらも冷凍機能のついた冷蔵庫が廊下に据えられていた。給料日に思い切って買ったよ,と嬉しそうに笑う。
彼女はなんだか無性に腹が立った。生意気。うちのより大きいじゃん。冷凍庫なんてついてる。先を越されたような,取り残されたような,孤独なような,寂しいような。たかが家電品,しかも必需品だというのに。

ビールあるんでしょ,頂戴。

ぞんざいな口調で彼女が言うと彼は,なにが面白くないんだよワカンナイナ,と,刺々しい動作で扉を開けた。中にはビールが3本。1本は,彼女がいつも飲むダイエットビール。もう1本は,彼女が好きな,ちょっと高い天然酵母白ビール。そして,彼が好きな発泡酒。つまみは,ちょっと前からふたりが気に入っている,ブルーチーズ入りのクリームスプレッド。

無言でごくごくと飲む。1缶が空になる頃にやっと,とがった唇が引っ込んだ。拭い切れない寂しさを抱えながらも,少しだけ,笑顔が戻った。

まだ完全に機嫌が直ったわけじゃない。だって,一緒に買おうと思って彼の給料日まで待っていたサンスベリアの植木まで,一人でとっとと揃えちゃってるんだもの。いつもそうなんだから…。一瞬,昔の彼との生活を思い出したけど,すぐに打ち消す。

この扉ん中には,彼の好きなものがすでにいくつも入っている。熟したアボガドやバーモントジュースとか納豆とかバナナとか。その隙間に,アタシの分のビールとチーズが,いつも用意されてたりなんかしたら最高に幸せだろうな,なんて贅沢な考えを巡らせる。

彼はこうやって,どんどん自分の荷物を増やしていくのだろう。みずからの意志で。

近いうちに自分の冷蔵庫も新しくしようと彼女は思った。そろそろそんな時期だ。そういう年頃だ。わかっているのだ。

だけど。

むかしの自分を読んでみる

ブックマークの整理をしてたら15年前に書いてた半フィクション・テキストの切れっ端が出てきた。恥ずかしいが、今の拙よりよほどストレートに言いたいことを伝えてるような気がする。あと、惚れっぽいにも程がある。もうちょっと吟味しなさいよと昔の拙をおのれで叱る。

惚れっぽいだけのヘタレディだった時のほうが幸せだったような気もして、じつはちょっと悔しい。

胸に咲く花のゆくえ

1ヶ月あまりでこれだけ色々起きることも普通の人生では多くはないかもしれない。ただ、複数の決断を一度にせねばばらぬ時期は、一生を通したらたぶん誰にでもある。

拙の場合、ちょっとだけここ数年に集中しているだけなんだろう。何につけ我儘な人間なのだからそれくらい神々にペナルティを課せられても仕方ないのだろう。

いちばん悲しいのは、やっと大手の社員で健康で安定した生活をしてくれるようになったと思ってくれた母に「癌になっちゃった会社もなくなっちゃうの」って告げなければいけないということ。

悩み悩み悩み、きょうがん支援センターの心理カウンセラーに電話で相談した。そしたら、術式や治療法を決めてからでも遅くない、先に言わなくてもいい、今までひとりでよくがんばったって言われて涙がびゃーって出てきて、電話を切るタイミングどうしようってくらい色々な悩みが次々湧き出てきたんだけど、今でも「これ何かのドラマプロットだろう?」って思うほど実感がないまま色々処理してきて。一番悪いのはこのタイミングで会社をたたむことにした「FF」が一番と恨むけど。

逆に「らしくない」生活から「貧しくても幸せな生活」ができるチャンスかもしれないな、ともちょっと思っている。ときどき辛ぇ死にてぇとか物騒なことも頭をよぎること、否定できないけど。

もう、何も正解はない。失敗もたぶんない。余生を考えるとは思っていなくて驚いてしまったけど、ものぐさな拙には逆にちょうどいいのかもしれない。考えるとするか。

でも、これから友達たくさんつくりたいな。




そしたら今みたいに、孤独の嗚咽を虚空に放たなくなるかもしれない。

だぁれも読んでないかもしれなくても

来年に清算が決まっているホールディングス子会社には偉い人に仕事が集中してる。総務の下っ端にできることなんてほとんどない。IDチェック入口付近をきれいにしたり、急激に増えたカラーコピーのトナーや用紙を補充したり、アホチンなこと言って、縦ジワが濃くなり顔色が白くなった清算準備室のかれらを薄く笑わせることくらいしかできない。

社内で「困ったちゃん」といわれてる人は、社内で生き延びようとしているのだという。でもその方はもともと専門医療職。一応子会社への枠は開示されるけど、ハタケの違う会社しかも異職種。しかも首都圏外への単身赴任でもOKかしら?すごいノビノビ俺だいじょうぶお前らと違うってオーラ出しまくってる。

突っ込みどころ満載だけど、他人のことだからここまでしか考えないようにしてる。だって会社の同僚みんな清算される人。早々にハントされた方もいるけどね。それはすごく稀なキャリア人。