きみのためにつよくなりたい

きみのためにつよくなりたい

きみのためにつよくなりたい

相変わらず僕の周りにはサンボマスターの素晴らしさを理解してくれる人はいないのだけど*1、先日新盤が出たのでこっそりと購入。
うん、1曲目にど真ん中ストレートのバラードがきてガツンと頭をやられたけれど、その後は相変わらずのサンボマスターですね。歌詞を見るとこれでもかというくらいラブが満載。Loveでなくてラブ。英語のおしゃれなやつじゃなくて日本語の泥臭くてのたうち回ってしまうようなやつ(いや、実際の歌詞はLoveだったりするのですが、解釈としてね)。でものたうち回りながらも希望に満ちているこの世界観というのはやっぱりサンボマスターにしかないものだと思う。
曲調についてはそろそろ僕としても飽きがきてもおかしくないけれど、いつも僕はサンボマスターには歌詞にやられてしまうのでその辺は問題なし。是非他の人にもサンボマスターの素晴らしさを知ってもらいたい!でも理解してもらえない・・・(まだ言ってる)。
ラブを忘れてしまいがちな最近だから、時にはこうやって愚直でストレートな音楽を聞いてバランスをとっておかないといけないのよ。ラブアンドピース。

ブラックペアン1988

ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)

実は最近海堂作品にハマっています。そしてペアンというタイトルに反応してしまうオイラは外科医。
海堂作品に出てくる登場人物はキャラが立っていて楽しいですね。いくつか細かいツッコミどころはありましたが・・・。でも、渡海先生みたいな外科医は現代では絶滅危惧種だと思います。
もう外科医はお山の大将ではやっていけないのですよ、実際のところ。
あと、僕はこの作品に出てくるようなマッチョな外科研修は受けていないのですが、研修医の心理とか行動とか、結構リアルに描写されているのではないか、と思いました。あ、世良先生とあのナースとの関係の行方が中途半端になっていて気になる・・・他の海堂作品ではどうだったっけ?それと、外科に入局するなら糸結びは学生のうちに練習しておけよ★なんつって。

下流指向

下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)

下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)

内田樹氏の書く話は、特定の事象を安易に一般化して論じすぎているような気がしてイマイチ読んでてフラストレーションがたまってたんですが、この本は案外面白く読めました。やっぱり氏が大学教員として苦労されているからかな。
一番印象的だったのは、家庭内労働の消滅によって、子供達が労働主体でなく消費主体として人生をスタートさせている、よって教室は不快と教育サービスの等価交換の場となる、というくだり。なるほどなあ。あとは

第一次産業の従事者というのはどこでも激減していますね。林業なんか後継者がいませんかがら、あと数十年で日本から消滅するかもしれない。それは労働がきついとか収入が少ないということより以上に、植林してから伐採して収穫が回収されるまでに百年というような途方もない時間がかかるからだと思います。キーボードを叩けば数分間で巨額の収入が得られるときに、今やっている仕事の成果が二世代後にならないと回収できないというような時間のかかる事業はグローバリズム的には論外なんです。でも、実際には、人間社会のインフラのかなりの部分は、そういう気の遠くなるようなロングスパンの仕事で支えられている。そのことを国民的規模で忘れようとしている。

なんか、例の事業仕分けのことを思い出してしまいました。
「それは何の役に立つんですか?」「結局使えるのか使えないのか」に対する答えが出るのがいったいいつになるか分からない事業もあるわけですが、それに対して仕分け人はロングスパンでものを考えずに「予算というアクションに対して、すぐに結果というリアクションが出ないものは無駄」という観点で事業を切り分けていくと、そりゃロングスパンの仕事なんて論外でしょうよ。
でも、ロングスパンの仕事のほうが大事なことが多いと思いますよ、きっと。
ほかにも、師弟関係についてとか、いろいろ。街場の教育論も、読んでみようかなあ。

ペペロンチーノ

パスタを食べたくはならなかったとか言いつつ、なんか久しぶりにペペロンチーノが食べたくなったので自炊。

【レシピ2食分】
1.にんにく2片をみじん切り。
2.たっぷりのお湯でパスタを茹でる。お湯に塩を大さじ2入れる。
3.フライパンにオリーブオイル大さじ2を弱火で熱して、にんにくを焦がさないように熱する。
4.にんにくのにおいが立ったら火から外して小口切りの鷹の爪を投入。
5.さらにフライパンにパスタのゆで汁をおたま1杯分投入して少々煮込む。
6.パスタは表示のゆで時間より1分早くざるに上げ、水気を切る。
7.5のソースの火を止め、パスタを投入しよくからめる。しっかりにんにくをからめる。
8.黒こしょう、パセリで味の調整をしてできあがり。

意外とうまくできたけど、少し鷹の爪を炒めすぎたのかピリ辛な感じでした。

1Q84

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2

5月末の発売直後に街のどこの本屋さんに行っても売ってなくて、このままだと手に入るのは7月かねえ、と思っていたんですが、ふとした拍子に入った大学の生協で平積みになっていた。意外と穴場だな、大学生協。とはいえ、なんだかんだで読み切るのに1ヶ月近くかかってしまいました。
読んでいて思ったのは、村上さんの作品にしては「読みやすい」ということ。天吾と青豆の二人の登場人物が、それぞれわりと明確な目的に対して行動しているので、ストーリーがどの方向に向かっているのか、比較的把握しやすかったからでしょうか。いや、正直「ねじまき鳥」を読んでいるときに全然ストーリーの流れをつかむことができなかったのが強烈なトラウマになっているから、今回なおさらそういう風に思うのかもしれませんが。
そういうトラウマがあるので僕は今まで村上春樹を読んだことのない人には(よっぽどマゾっ気のある人を除いて)決して村上春樹の小説をオススメしないのですが、この「1Q84」は読んでみてもいいんじゃない?くらいにはオススメしてもいいと思います。さすが村上春樹、と思わせる程度には面白いです。
それでも「この部分ははストーリーの中でどういう役割なの?」と思うところはいくつかあるんですけどねえ。天吾君の見る幻覚の意味は?とか、安田さんは結局どうなっちゃったのよ、とか、読み終わって消化しきれない部分が。あ、だからBOOK3が出るんじゃないか、という噂がたっちゃうわけですね。
あとねえ、主人公の男の人(今回は天吾君)がパスタを茹でていないのが微妙に違和感。ほら、村上さんの小説の主人公って、よくパスタを茹でてるじゃないですか。それを読んでだいたい僕もパスタを食べたくなってサイゼリヤに行くわけですが、この1Q84は別にパスタを食べたくはならなかった。