忘れられた言葉を覚えている。

「まわりに上手な人がたくさんいて…」というのを「人と比べなくていいんだよ」と諫めてくれた。あんなにはっきり言われたのはひさしぶりで、心の中に強いものができたようでとても嬉しかった。酔っていたとはいえ、自分のことを肯定されたような気がしたから。

私の心に残る言葉を言った人はたいていそのことを忘れてしまう。きっとこれも忘れられてしまっただろう。私に向かって発されたという記憶と宙に浮いたままの言葉だけが何年も残ることを、いつも不思議に思っている。

なんとなく思い出して昔の日記を見た。

一番たくさんはてなダイアリーを書いていた頃の文章は丁寧だった。見返しているうちに「COFFEE&CIGARETTES」はもう一度見ようと思った。

「COFFEE&CIGARETTES」監督:ジム・ジャームッシュ

ようやく見た。ブルータスの特集も読んだし映画館に見に行く気もたっぷりだったのに見逃してせつなかった「COFFEE&CIGARETTES」。ジャームッシュのなんにも起こらない映画は本当にとことんまで何もないからいい。いい話もつまらない話もおかしな話もどうでもいい話も、みなコーヒーと煙草だけで繋がっている。何も起こらない話は映画として一番難しいはずなのに、そんなことはみじんも感じさせないで淡々と進む。

この映画を見ているとコーヒーが飲みたくなる。家に豆がなかったから、わざわざスーパーまでインスタントのコーヒー粉を買いに行って呑んだ。たぶんこの映画のコーヒーも紙コップで飲むようなインスタントだと思う。豆で入れるおいしいやつではなくて、ちょっと煮詰まったくらいの。ビル・マーレイウータン・クラン(ミスマッチ加減が面白すぎる)に薦めていたヤツもきっとそうだ。

いろいろな俳優やミュージシャンが出てくるけれど、コーヒーをすすりながらマルボロを吸うイギー・ポップがとてもいいと思った。それからかっこいいと思ったエンディングの曲もイギーだった。今まで全然聴いたことがなかったのだけど、ヴェルヴェッツとかルー・リードみたいで意外(超初心者なのでおかしなことを書いていたとしてもスルーの方向で)。

もう一度見たくなる。

knit塾


原宿のVACANTで開催されていたJUN MIKAMIさんのknit塾に行ってきた。友人に誘われて申し込み、後で詳細を見ると昨年秋の展示会で見てすてきだな〜と思っていたニットデザイナーさんだった。偶然でびっくりした。

自転車のキーチェーン、ヘアターバン、鳥バッグの中から、他ではできなさそうな鳥バッグを選んでみた。以前参加したeverlasting sproutさんのもそうだけど、デザイナーさんのワークショップは変わった糸がいろいろ選べるのがいい。普段は編み図や技法を一生懸命追うだけで精一杯なだけに、どう形を作っていくかを考えるような時間も新鮮でとても刺激がある。余白多めのゆるさの中での発見もたくさんあった。

1回ではさすがに完成できなかったけれど、早く編んで完成させたいな。

ひさしぶりにワークショップに参加したけど、いろいろなワークショップにすることも大事だなとしみじみ思った。外に出て他の人の作品をたくさん見なさいってことなんだろうね。誘ってくれた友人に感謝しないと。

そういえば、会場だったVACANT、カフェ&ショップ形式にリニューアルされていてずいぶん印象が変わっていた。雰囲気がよかったので、これからもちょくちょく利用したい。

Pinterest

先日、nanapi webさんで画像共有サービス「Pinterest」の入門ガイドを執筆させてもらいました(→Pinterest(ピンタレスト)の使い方、楽しみ方)。Pinterestはひさびさに面白くてわくわくする。どんな風に面白いか、どんな使い方をするのかはリンク先を見ていただくとよいと思うけれど、とにかく私は毎日何回も見ては画像を探してしまっている。
こういう感覚はInstagram以来のような気がする。あと、今PCメイン(時々iPhone)で使っているけど、サイトデザインもグラビア的だしこれこそiPad向きなんじゃないかな。ちょっとほしくなるよ(iPadが)。

DJ TONKAーSATELLITE VOICES INTERVIEW(DAZED AND CONFUSED)

DJ TONKAのインタビューが珍しいのでなんとなくざっくり訳してみた。詳細な訳ではないので正しく読みたい人はリンク先の本文でどうぞ。DAZED AND CONFUSED日本版はなくなってしまったけど、サイトには東京のカテゴリもあった。

SATELLITE VOICESインタビュー
http://www.satellitevoices.com/munich/music/1545/dj-tonka

ミュンヘン版:DJ TONKA
ダフトパンクが影響を受け、パフ・ダディをリミックスした偉大なDJ兼プロデューサーの貴重なインタビュー。

DJ TONKA(トーマス・ルネ・ジェラルヒ)は90年代にハウスDJのイアン・プーリーと共にそのキャリアをスタートし、ハウスミュージックの革新的アイコンとなった。ダフトパンクは彼のことを、師匠の一人であり、ミュンヘンのすてきな家に約40,000枚のレコードを所有する素晴らしい音楽プロデューサーだと語る。インディロックやオールドスクールヒップホップ、シカゴハウスやイタロディスコ好きの彼は、Facebookなどに影響を受けるミュンヘンアンダーグラウンドミュージックとアートシーンを常にチェックしているという。

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