とはいえ、それなりに計画はあり、今年度も90年代ジーベック調査を継続します。昨年の今頃も「サウンド・スタディーズの教科書は今年度中にみなさんから原稿を集めて2024年度には出したい。Keywords in Soundの翻訳は亀の歩みのように進めている。」と書いており、これも継続中のプロジェクトです。サウンド・スタディーズの「教科書」の本は、ようやく原稿が集まりつつあります。翻訳の下訳は終わりましたが、引き受けてもらえる出版社を再度探している段階です。あと、今年度はvisual musicとsoundwalkingのことを考える予定。
NAKAGAWA Katsushi. 2023. “History of Sound in the Arts in Japan: the case of "Onkyo-Chokoku" (meaning sound sculpture)” at the 22th International Congress of Aesthetics (Universidade Federal de Minas Gerais, Belo Hrizonte, Brazil), July, 25th, 2023. (English)
いま、ジョナサン・スターンのある論文を翻訳するために、ニーナ・サン・アイズハイムという人の『声の人種[The Race of Sound]』という本を確認している。この本は、声を通じて人種を想定する行為がいかに文化的な営為であるかを、きちんとした理論的整備といくつかの事例分析を通じて検証しようとするものらしく、序文で提唱される〈声は単一的なものではなく集合的なものである、声は内的な発露ではなく文化的に規定される、声の源は発話者にではなく聴き手にある〉といった命題も魅力的で(どうやってこういうことを説得的に論じるのだろう?という知的好奇心を掻き立てる)、面白そうである。ヴォイス・スタディーズな人に噛み砕いて訳してもらいたいところ。
Sonic Arts Unionに関する文章を漁っていて、変な映像を見つけた。寿司屋さんのアニメーション(?)とデヴィッド・バーマンらしいグリッサンドするシンセサイザー。David Behrmanと(「Dion Casio」さんではなく) Paul DeMarinisさんが音楽を提供した1981年の「She's More Wild」というレコードがあり、2020年にその完全版(全曲収録盤)が発売されたらしい。これはその曲に付けられた映像ということか?
David Behrman, Dion Casio, Fern Friedman, Terri Hanlon, Anne Klingensmith - Japanese Disease - YouTube