私が受け取った「好き」を数える。忘れたくないのでずっと覚えている。

どんな言葉も、時間が経ったら嘘になってしまうことはたくさんある。

ねぇ、私にくれた「好き」はどれくらい嘘になった？

それともまだ本当？

私はね、全然嘘になっていかないんだよ、どの「好き」もずっと。怖いくらいに。

あの時の私の「好き」がずっと残ってる。だから手を伸ばす、触れる。そして新しい「好き」になる。

(続)まだ桜の花が見えない頃のこと

前編はこちら

https://bit.ly/34M3gIj

本当は1年以上前に続きを書いていたのだけど、ずっと投稿できずにいた。なんでだろうね。

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あなたから電話をもらった時、私は友人と一緒に伊勢神宮にいた。寒い日だった。

あなたの手術が成功したら、落ち着いた頃でいい、適当な時に連絡が欲しいとは言ってあったが、「心配だから手術が終わり次第すぐに連絡をくれ」とか、そういうことは言わなかった。正確には、「言えなかった」のかもしれない。そんな図々しいこと、あなたには言えない。「今すぐ会いたい」みたいな甘ったるいこと、それまでも数えるくらいしか言えなかった。そういう「かわいらしさ」は、望まれていない気がして。

手術終了後、意識が戻ったところですぐに電話をくれたようだった。「手術は成功した」という内容だった。本当にホッとした時というのは、どうやら派手に喜んだりできないらしい。「私」という生き物がそんな風にできているなんて、知らなかった。

私があまりに電話で淡々と受け答えしていたので、その場にいた友人からは「もっと喜んだりしないの？薄情ねぇ。」と言われた。いいよ、薄情でも何でも。まだあなたを失わなくて済んだ、それだけでいい。会いたくなったら、またあなたに会える。生きている、というのはそういうことだと思う。

伊勢神宮の神たちに、みんなの幸せと健康を祈り、私たちは東京へと帰った。

産褥期クライシス

あと2週間くらいで産褥期が終了するので、ここに私の恨み辛みを書き残しておく。

思い出は美しくなってしまうため、美しくないうちに書く。

新型コロナウイルスが流行したせいな部分もあるが、クライシスの根源はそこではない。

産前より「育休またはそれに準ずる休みをとって欲しい」という要望は夫に出していたにも関わらず、全く要望が聞き入れられることなく産褥期が終了した。

おそらく夫からすれば「在宅勤務でずっと家にいるからいいでしょ」と思っているだろうが、全然良くない。出勤して夜遅くにしか帰ってこないみたいな状況になるよりはマシだったが、全然良くない。会議が多すぎて、会議の間は静かにしなければならないという状況が地獄すぎた。

だいたい赤子はお腹が空くと泣くが、授乳の前にはオムツを交換したい。しかしオムツ交換を先にすると泣き声が大きくなるので、仕方なく授乳を優先したりしている。赤子が泣き出す前、ふにゃふにゃ言い出した段階で授乳を始めるか抱くなど、夫がオンラインで会議していなければ、泣くまで休んで待っていても良いのに、すごく気を使って先回りして動いて本当に疲れる。抱いている間も歌ってあやしたりしたいのに無言で抱いている。

疲れすぎたせいかそれとは関係ないのかわからないが、膀胱炎にもなり、特に産後1ヶ月がしんどすぎた。思い出すだけで泣けてくる。

なにより許せないのは、「私の要望を聞き入れない理由」を何ひとつ自分から説明せず、どういうつもりかと迫ったら「仕事の調整をするのが大変だから」と言ったことだ。なんだそれ、包丁で刺すぞ、このやろう。しかもこの件について話し合ったが、何ひとつ謝ってもらってない。あなたのいいところは、私に対する誠実さじゃなかったのか、違ったのか、私の思い違いか。今でも、僕は何も悪くありません、みたいな顔してる。ちょうど評価の時期で、しかも組織変更で忙しいのです、会社のせいです、というスタンスなんだよ、許せない。違うだろう、仕事は休もうと思ったら休めるんだよ、なんなんだよ、いつもは仕事なんて好きじゃないですみたいなことを言っているくせに。家族のことより仕事を優先したんでしょ？としか思えない。

産褥期が終わっても成仏しないよ、この気持ち。どうしようかな。