魅力的な反貞女となるためのとっておきの16講義(表題作)と、三島が男の本質を明かす「第一の性」収録。 【解説: 田中美代子 】

「貞女とは、多くのばあい、世間の評判であり、その世間をカサに着た女の鎧であります」さあ鎧を脱ぎましょう、この大学では、姦通学、嫉妬学、社交学、整形学など種々の講座があります(反貞女大学)。そのあとで男性をじっくり研究して(第一の性)幸わせとは何なのかお考え下さい。三島のユニークな男と女の研究書二篇を収録。

姦通学、嫉妬学、食物学、尊敬学、軽蔑学などなど、魅力的な反貞女となるためのとっておきの16講義。「なぜ妻は夫を軽蔑するのか?」「女の嫉妬はなぜ怖いか?」「女が地図を読めないのはなぜか?」などなど、今なお、横たわる普遍的な疑問に、痛快な三島節でばっさりと答えてくれる名著です。

三島 由紀夫 ミシマ ユキオ (1925?1970)東京の四谷に生まれる。東京帝国大学法学部卒業後、大蔵省に入省するも九ヶ月で退職。すでに作家として創作活動を行っていたが、退職翌年に発表した『仮面の告白』で文壇での地位を確立する。『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』など作品多数。70年『豊饒の海』四部作脱稿後、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺を遂げる。


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