もろもろの喪失のただなかで、ただ「言葉」だけが、手に届くもの、身近なもの、失われていないものとして残りました。それ、言葉だけが、失われていないものとして残りました。そうです。しかしその言葉にしても、みずからのあてどなさの中を、おそるべき沈黙の中を、死をもたらす弁舌の千もの闇の中を来なければなりませんでした。言葉はこれらをくぐり抜けて来、しかも、起こったことに対しては一言も発することができませんでした―しかし言葉はこれらの出来事の中を抜けていったのです。抜けて行き、ふたたび、明るいところに出ることができました―すべての出来事に「ゆたかにされて」。
〜パウル・ツェラン(ハンザ自由都市ブレーメン文学賞受賞の際の挨拶)

まず、ある時代に戦争があったかどうかを考古学的に確認するチェック項目として、①壕や防壁など防禦施設をもつ集落、②人の殺傷を専用とする道具=武器、③殺傷痕のある大量の人骨、④武器を副葬した墓、⑤武力崇拝を示す祭りの道具、⑥戦いや戦士を表した造形作品の存在など、と明らかにする。縄文時代の遺跡には、狩猟のための武器で人を殺めた痕跡はあるが、最初から人を殺す目的で造られた武器が発掘されるのは、弥生時代の地層からであると言う。  家庭内暴力や仲間内の諍いなど、暴力の起源は人類の歴史とともにあったかもしれない。しかし、戦争を想定させる集団同士の徹底的な大量殺戮の痕跡が、世界各地で考古学的に確認されるのは、食料採集移動生活から定住化して富を蓄積するようになってからのことである、と。  人類が誕生してからの「四五〇万年の経過のなかで八〇〇〇年という戦いの歴史。それは、翻訳すると四・五メートルのなかの八ミリ」に過ぎない。「戦争は神が創造したもうたものでは決してなく、悠久の歴史のなかで、人間がごく『最近』創り出したものである」「人間が創ったものであるからには」捨て去ることも可能だ、と。

〜『打ちのめされるようなすごい本 』米原万里

個人の内面的倫理が確立されておらず、個人の行動の規準が権力との一体化のなかにあるため、常に上級者の顔色をうかがい、自分の行為が上から正当化されるのを求める。上から正当化されれば、それは自分の責任ではない。しかし、常に上からの圧迫を感じているから、下へ威張り散らすことで発散しようとする。上からの圧迫は、常に下へ下へと送られ、最も弱い存在に責任転嫁されていく。
〜丸山眞男「無責任の体系」

“天然顔料は、針状のような形で成り立つ岩石を、どんなに細かく砕いても針状であり、方解石のような平方四辺形のものでもどんなに細かくくだいても平方四辺形である”

〜赤の秘密 志村ふくみ

私が子供たちに読書を薦めるのは、世界が広がれば、狭い人間関係の奴隷にならなくてすむからです。
〜多和田葉子

「知的であるかどうかは、五つの態度でわかる。」


一つ目は、異なる意見に対する態度

知的な人は異なる意見を尊重するが、そうでない人は異なる意見を「自分への攻撃」とみなす

二つ目は、自分の知らないことに対する態度

知的な人は、わからないことがあることを喜び、怖れない。また、それについて学ぼうする。そうでない人はわからないことがあることを恥だと思う。その結果、それを隠し学ばない

三つ目は、人に物を教えるときの態度

知的な人は、教えるためには自分に「教える力」がなくてはいけない、と思っている。そうでない人は、教えるためには相手に「理解する力」がなくてはいけない、と思っている

四つ目は、知識に関する態度

知的な人は、損得抜きに知識を尊重する。そうでない人は、「何のために知識を得るのか」がはっきりしなければ知識を得ようとしない上、役に立たない知識を蔑視する

五つ目は、人を批判するときの態度

知的な人は、「相手の持っている知恵を高めるための批判」をする。そうでない人は、「相手の持っている知恵を貶めるための批判」をする。


知的である、というのは頭脳が明晰であるかどうか、という話ではなく、自分自身の弱さとどれだけ向き合えるか、という話であり、大変な忍耐と冷静さを必要とするものなのだ、と思う。


http://blog.tinect.jp/?p=16095 から引用しました)

arisaharada:
“ 毎月1日 ウェブマガジン・アパートメントにて、日本の民話の女の子についてコラムを連載しています 【はらだ有彩 日本のヤバい女の子】 ⚫︎6月/夏服とヤバい女の子(山姫) http://apartment-home.net/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%A4%E3%83%90%E3%81%84%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%AD%90/yabai-201606/
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毎月1日 ウェブマガジン・アパートメントにて、日本の民話の女の子についてコラムを連載しています 【はらだ有彩 日本のヤバい女の子】 ⚫︎6月/夏服とヤバい女の子(山姫) http://apartment-home.net/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%A4%E3%83%90%E3%81%84%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%AD%90/yabai-201606/

ひとりの人間にとって、本当に語れることがそう多くあるとは思えないからだ。語るとは危険を引き受けることである。危険を引き受けてもなお「よし」とすることしか、真に語ることはできないはずなのだ。

〜『地図を燃やす』沢木耕太郎

「月のない夜には、明かりを頼ればいい。明かりがなければ、蝋燭を灯せばいい。蝋燭がなければ、暗闇に目が慣れるまで待とう。やがて、太陽が昇り、光に包まれるだろう」

〜夜を越えて|安田菜津紀

(Source: kangaeruhito.jp)

なんでもないことは流行に従う。重大なことは道徳に従う。芸術のことは自分に従う。

〜小津安二郎