三鷹の名店、天然物の「たかね」から独立した職人さんが新店をオープンされると聞き、早速プレオープンに行ってきました。(2019年10月22日、めでたく本オープン!)

ここ…入っていいのかな…?という路地に勇気を出して入ると昭和感漂う店構え。
通りには「たいやき」の看板はないので注意!ちなみにこの「エミール」さん、すごい痺れる佇まいの店でした。


ショーケースにはほぼたかねと同じ、各種団子、豆大福、季節の羊羹などが並びます。たかねは鯛焼きだけでなく、和菓子が人気なのですが、ご主人は和菓子を担当されていたそうです。
ちなみに私はお団子の大ファン。表面つるり、もちもちぷつん、の小ぶりなお団子です。上からみたらし、黒ごま、きなこ。

鯛焼きも安定感のある美味しさ!
パリパリ薄皮に、しっかりしっとり食感のあんこ。食べ応えがある鯛焼きだと思います。玉締めごま油(美味しんぼ信者の私には刺さる)を使用されているそうで、素材にもこだわりが。

駅からは少し離れていますが、住んでいる人は多いエリアです。鯛焼きはもちろん、豆大福はここのでないと!という人も多いたかねからの独立。
「鯛焼きは半径500メートルの食べ物」ですから、(こちらの記事参照。ともえ庵さん、阿佐ヶ谷に移転してます)たかね同様、末永くご近所の皆さんに愛されるお店になることと思います。私も通います!



以前(…て10年以上前)囲み茶屋として釣り上げたお店です。水戸の人なら協同病院の横の店、でピンと来るでしょうか。

開店したり閉店したり場所を変えたり焼き鳥屋さんになってみたりと神出鬼没なお店ですが、今は『北海道あずき』として営業中です。茨城県では希少種となった天然物で、薄皮パリパリ、ちょっとはみ出たあんこの香ばしさが大変美味しいのです。

以前の記事ではあんこがイマイチとか偉そうなこと言ってますが、当時は持ち帰りを食べていたので水分が抜けていたのでしょう。焼きたてを食べるとちょうど良いゆるさで美味しかったです。

さて、久々にブログを更新する気になったのは、なんだかんだ根気強くお店を続けてらっしゃるたい焼き愛溢れるおじさまから、面白い話を聞いたから。

熱々の鯛焼きを頬張っていると、「うちの鯛焼きは、メスなんだよ」の一言。
鯛焼きに、オスとメスがいるんですか…?と聞き返すと、鯛焼きの先っぽ(口のとこ)をよこから見て四角になってるのがオス、円弧になってるのがメスなんだそう。「メスの方が小さい口でも食べられるから、芸者さんが多い関西に多い型なんだ」とのこと。
これは面白い、初めて聞いた話です。
確かに天然物の方は深さがあるタイプ(オス)と平たいタイプ(メス)があるのは気になっていて、私は薄くてパリパリ食感が味わえるメスが好みだなぁと思っていました。

全国のタイヤキストのみなさん、今後は是非鯛焼きの性別も気にしながら食べてみてください。

関門海峡で、希少種、釣り上げました。

山口のうまいものといえば、ふぐ!活イカ!しろうお!そして、鯛焼き。

下関は長戸市場の「村竹商店」。ナビに入れると「村竹提灯店」と出てきます。夏は盆提灯を売るのだそう。かき氷やさんに変身する店はよくありますが、提灯とは、珍しい。

伺ったのは土曜日のお昼前。
ガイドマップには、海鮮や韓国食材が並ぶレトロな市場、と載っていたのですが、続くのはシャッター、シャッター、シャッター…

人もほとんど歩いていない中、おばあちゃんが店先でこじんまりと天然物の焼き型を転がすのを見つけました。
「6匹ください」と言うと、「450円ね」と人懐こく笑うおばあちゃん。今どき一匹75円とは!恐らく、天然物では日本最安でしょう。

この時は気付かなかったのですが、なんと81歳とのこと!2キロほどあると言われる天然物の焼き型を手慣れた手つきで扱います。
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焼きあがった鯛焼きは火種の上に渡された網に置かれます。鯛焼きが冷めず、いつまでもパリパリに保たれるという、合理的な仕組みです。
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早速いただきます。
先代から70年使っているという焼き型は、鱗がすり減っていて、胸にぐっときます。尻尾がキュッとしまった薄型で、今はなかなか見られないかたちです。
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そしてなんとも珍しいのが、こしあんというところ。鯛焼きはあんこを大量に使うからか、手間のかからない粒あんを使う店がほとんど。この店のあんこは市内のあんこ屋さんからの仕入れだそうですが、型といい、こしあんといい、なんとも珍しい希少種と言えます。


パクッとかぶりつくと、モチモチの皮が甘めのこしあんを包み、上品な味わい。薄皮パリパリが天然物鯛焼きのスタンダードである中、触感も珍しい。そしてこの薄さ。天然物では今まで食べた中で一番薄いです。あっという間にペロリと2匹平らげました。後で冷めたものを食べてみましたが、モチモチ度合いが増し、しっとりとあんこと馴染んでまた別の美味しさでした。
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こんな人通りのないところで大丈夫なのか…と余計な心配をしてしまったのですが、「最近のスマホってのはすごいね、こないだ北海道から折りたたみ自転車持って来たお客さんがいたわよ」とのこと。希少種を求めて全国から来る人や、やっぱりここのでないと、とまとめて買っていくお客さんに支えられているようです。
かく言う私も東京からやってきた、と言うと、「あらまー!赤間神宮は行った!?これからどこ行くの?」と話好きのおばあちゃん。鯛焼きが好きで色々食べている、と話すと「今日来て良かったね、50年続けてきたけど、5月で店畳むつもりなのよ」とのこと…。

「縁があったらまた来てね」と笑顔で見送ってくれたおばあちゃん。
「ひっそりと姿を消す鯛焼きを、記録と記憶に留めたい」という、ブログを始めた時の気持ちを、思い出させてくれました。
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※2016年5月、53年の歴史に幕を閉じ閉店されたそうです。

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大洗海鮮市場にて、ピチピチの新鮮な天然物を一本釣り!

美味しい魚介類が食べられると評判の大洗海鮮市場に行ってきました。その中で生しらす丼やアンコウ汁に負けず劣らず人気なのが、赤鯛本舗の天然物の鯛焼き。

囲み茶屋と宝尽舎亡き現在、茨城県では唯一の天然物だそう。

移動販売の屋台で、日曜日はこちらの大洗海鮮市場、その他の日は鹿嶋市で営業しているようです。
場所はJAの前、人気の定食屋さん「母ちゃんの店」の向かいです。
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みなさん、食後のデザートにひとつ、ふたつと買っていくようです。
私も早速ひとつ。
天然物らしく薄皮ですが、とても綺麗な焼き上がり。焼きたてを口に運ぶとふんわりと最中のような風味。水分多めのあんこなので、焼きたてでも皮はしっとりもちもちしています。
あんこは手作り感の強い、粒がしっかり残ったゆるゆるタイプで、気をつけないととろりと溢れそう!
甘さも控えめで、定食と蛤焼きを食べた後でもあっさりと食べられてしまいました。
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テザートまで海鮮尽くし…幸せ…

リタイアされて8年程前から鯛焼き屋さんを始められたというご夫婦。
店頭に天然物の型が置いてあったので持ってみたのですが、とっても重い…!
これをひっくり返すのは重労働だろうなぁ…

でも、茨城唯一の貴重な天然物赤鯛くん、いつまでも元気に泳いでいて欲しいですね。
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食べログ



ナビを入れたら出てきた住所が千葉県香取市佐原イ1719。「イ」?不思議な住所です。
鹿島神宮&香取神宮日帰りドライブの途中、小江戸佐原の武雄亭に向かいます。

江戸情緒が残る佐原の街の一角に、「古書」の看板と「昔のたい焼き」ののぼり…!?



表にどんっと文庫本が積まれている、正統派古書店「武雄書店」の一角にたい焼きの「武雄亭」はあります。
聞けば、武雄亭はお父さん、武雄書店は息子さんが営まれているとのこと。
お店の作りもちょっとレトロで、情緒ある佐原の街並みにしっくり馴染んでいます。

ガラス張りのお店の中でお父さんがガラガラとひっくり返しているのは…天然物の焼型!なるほど、だから「昔のたい焼き」なのですね。

お母さんがテキパキとオーダーと会計をこなします。
店の前には10人ほどの行列ができていましたが、私は電話で予約をしていたのですんなりと受け取ることが出来ました。


焦げたあんこのそばかすがとってもチャーミングです。
早速パクリ。

あんこはかなり水分多め、粒がしっかり残っています。
天然物らしい薄皮ですが、焼いてから少し時間が経ってしまったので、少し含んでしっとりとしていました。水分多めのあんこですので、皮はすぐに柔らかくなることと思われます。パリパリ派の方は焼きたてを間髪入れずパクリ!することをお勧めします。

さて、この店の一番の特徴は大胆な焦げ。粒のしっかり残ったあんこなので、焼く時に沈み、皮の表面に転々と焦げを作ります。これが香ばしくて、とっても美味しいのです。たい焼きの醍醐味、メイラード反応の素晴らしさよ!

真っ白に焼き上げられた、色白美人も好きですが、そばかすが可愛い、愛嬌たっぷりの武雄亭のたい焼きも大好き。
佐原のレトロな街並みも相まって、ほっこり気分になりました。

※ところで「イ」の謎。調べてみると、イロハのイ、とのこと。確かに地図を見てみると、周辺の地名は佐原ロ、ハ、二となっていました。このように、千葉県東総地域にはイロハで区分けされた地名がいくつか残るそうです。なるほど。

HP http://www.pandabook.net
住所 千葉県香取市佐原イ1719
TEL 0478542088
※夏季は休業とのこと。