空飛ぶダチョウを眺めるカモノハシ


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きっと君が幸せになれることを祈って
あなたに最後に会いに行く日
アイラインが震えてる
最後だから綺麗にうつりたい
ねえ、たぶん上手く笑えない
沢山傷つけてごめんなさい
そして沢山ありがとう
貴方に沢山の幸せが降り注ぎますように
ねえ最後の最後、綺麗にしていくね
いつもの駐車場でいつもの時間
待っていてください
大好きです
大好きです
だから今日が最後だよ
大嫌い
大嫌い
ああ涙がじゃまだ



どうやってでも

私は生きていける


誰だって単数に憧れながら

複数の中で安堵を保つ。


砕かれた石ころに紛れて

小難しい感情に眉を顰めながら

その違和感の本当の意味に気づかないようにした。




重ね重ね
塗りこんだ絵。

机の奥にしまって
顔を伏せて
瞳を閉じて
言葉を飲み込んで

形にしてしまった
罪悪感と軽薄さに
額を擦り付ける

尖った鉛筆の先は
獲物を傷つける獣の爪であったのだ。
引っかき、削り、抉り取り、
刻み付けた傷跡に
屈折した色を滲ませて
己が欲望を露わに、
無垢なあなたを描いた。


重ね重ね
塗りこんだ絵。

飾るにはおもすぎる絵は
二度と人目に触れぬように
壊れてしまわぬように
貶されてしまわぬように
私の額の下にだけ在ることを許そう。



女はなんで人様の色濃い沙汰にこんなにも陶酔できるのだろうか。
と、恋愛ドラマを見ながら鼻をすする隣の彼女をみながら思った。
小さな正方形の黒テーブルに頬杖をつきながら一つ溜め息を漏らす。
何年も前にゲーセンでとった大きい熊のぬいぐるみをこれでもかと抱きしめながら涙を流す女の心情を、俺はあまり理解できない。
「愛してる」
囁きあう二人。すれ違いにすれ違いを重ねて、やっと繋がった二人の想い。
想いの次は唇が重なる。
もう離さない、離れたくない。
一生一緒にいよう。
何があっても、誰がなんと言おうと、何よりも誰よりもあなたを――君を愛しているから。
歯の浮くようなセリフはブラウン管の中で美男と美女が言うから許されるんだろうな。
と、抱き合う二人を画面越しに、どこか冷めた目で見詰めた。
何の真新しさもない、王道的なラブストーリー。正直、糞ドラマだと思った。
それなのに隣でぐずぐずと色気のない鼻音を奏でる彼女。
ああ、チャンネルを変えるタイミングは皆無。
もう、おとなしくドラマが終わるのを待つしかなかった。
しばらくして、そのドラマはやっとエンディングを迎えた。
彼女はぐしゃぐしゃの顔をティッシュで拭いている。拭きながらもエンドロールにさえ見入っている。
俺はやっとのことで画面の右端に『また来週』と表示されているのを確認するとひとつ溜め息を吐いてチャンネルを変えた。
先日の選挙の結果が報道されていた。

やはりというか、自分が投票した人は落選していて、
世間の人々はやっぱり分かってない、と思った。

両手をあげて、大声を張り上げる当選者の『万歳』という言葉に大きな違和感と不満を抱いた。
俳優上がりの顔立ちの端整さが、よけいに鼻についた。

「なんでこいつが……」

間違っている、こんな結果。
ぼやきを入れるとそんな俺を彼女は笑った。

「私もね、この人にいれたの」
彼女が寂しく笑う。
「ねえ、『話』なんだけど」
今日、会った本当の目的に入った。
「別れましょう」
愛してる。
もう離さない、離れたくない。
一生一緒にいよう。
何があっても、誰がなんと言おうと、何よりも誰よりもあなたを――君を愛しているから。
歯の浮くようなセリフはブラウン管の中で美男と美女が言うから許されるんだろうな。
ほんとうは 「また来週」 って、言いたかったけど。
FIN





============

昔の作品を
再UPしたものです。


振り向かざるをえない
 風が僕の裾を引っ張り
 待ってと囁くから。

 遠くに残してきた
 遥かなる思い出。
 遠くて身近で
 もっとも距離の掴めない
 大切で卑屈な
 過ぎ去った日々。

 うなる風にいったい
 僕はどうすればいいのか
 振り返り立ちすくみ
 そしてまた聞き返す。

ドドズダダン


ドドズダダン


花よ咲け裂け


ドドズダダン


最後に笑えよ


花よ酒


神頼みも良いけれど


ドドズダダンダン


ドドズダダン


酒は咲け裂け


自分に酔う為飲むものさ


ドドズダダンダン


ドドズダダン



ドドズダダン






ダンドン

ドドズダダン


命乞いはもうしない


撃ち抜いてくれ


ドドズダダン



咲かせてくれよ どどずだだん


どどずだだん


みちみちた涙と
てばなす目線と
銀のスプーンは
冷たくて
優しい。

弱音を吐かないのは

強いからじゃなくて

言葉に引きずられないためだよ

形にしてしまえば

きっと心が削れる