福島第一原子力発電所で今日からいよいよ地下水バイパスの水を海に放出し始めましたね。
(; ̄ェ ̄)大丈夫かな?
心配だなー。
遅れ馳せながら、だいぶ温度が下がってきた「美味しんぼ」問題に関して物申したい。
こんな自国内でのヤワっちい風評でグラグラ揺らいでいる行政様で大丈夫なのかよ?福島。と思う。
イチ福島市民としてガッカリ来るなー。
風評被害を本気で払拭したいんなら、今回のこれしきの事でヤイのヤイの騒いでんなや、と思う。言わせておけばいいんだよ。1ヶ月も経たないうちにTVでパッタリやらなくなるから。オレは風評被害なんかじゃなくて、れっきとした実害だと思ってるけど。
もうちょっとグローバルに物事を捉えてドッシリ構えて居られないかねぇ?…無理だろうねぇ?
これから何十年もの間、世界のアチラコチラからもっと卑劣な風評被害を被るであろう事態を予測していないのか?…してないんだろうねぇ?…まさかこんな酷いコト言われると思わなかった!プンプン!って、毎回そわそわする感じ?
なんかこの手の報道って、イチイチ不自然で凄く違和感をおぼえるんだよなー。
…そもそも元凶は何なんだ?
元凶は、…福島第一原子力発電所が木っ端微塵にふっ飛んだという紛れもない事実だ。
…鼻血出たの出ねぇのって騒いでる間にも原発作業員の皆さんが命懸けで収束作業に当たっておられるからこそ、なんやかんや騒いで居られるわけだ。
まずは現場で必死に被害を最小限に食い止めてるから今の福島がある!ってのが大前提だべよ?
…1番大切なのは、「固唾を飲んで現場の収束作業を見守り続ける事」なんじゃねーの?
まだまだ原発事故は収束してねぇんだよ?国内で痴話喧嘩してる場合かよ?
賃金安いから辞めた!っつって現場の作業員が誰も居なくなっちゃったら、またモンモンモヤモヤと放射能が出てくるんだよ?燃料デブリ剥き出しになっちゃうよ?
鼻血出たの出ねぇの、住めるの住めねぇの騒いでる場合じゃないんだよ。
「…なに収束作業終わった気ぃしてんだで?」っつぅ感じだない。
…ついでに俺の実家の話だが、去年除染終わったのに、つい10日ぐらい前に庭の雨樋付近の地面に赤いリボンが付いた不審な竹棒が刺してあった。
「なんだコレ?ここぜってぇ怪しくねぇか!?」と思って放射線量計測したら、案の定「6マイクロSv/h」だぞい?バリバリホットスポットだべな?
いったい誰が竹棒を地面に刺してったんだい?
除染が完了したはずなのに何なんだ?この放射線量は?おい!ってコトがあった。
福島にはまだまだ謎な部分が多い。世界最大級の原発事故。
わからんコトだらけ。
なにせ毎日毎日心配事と困り事のオンパレードだ。
そして福島のローカルニュースはどの局も毎日毎日原発事故の話題だ。
TVのニュース全部にまともに付き合ってたら、正直アタマおかしくなるぜ?
原発事故の影響についての膨大な情報量の中において「美味しんぼ」の問題なんて福島市で生活を営み続けるオレにとってハッキリ言って「別にどうでもいい」問題だ。
そんなもん「1億ある問題の中のたったの1個」でしかない。
さらに、「こんな描写をしたら福島県民がかわいそうだ」という一部の意見。
オレは福島県民だが、あんな漫画読んでも全然ショックを受けない。
オレにとっては「北斗の拳」や「GANTZ」の方がよっぽどショックだ。
そして福島県民だって「安心安全派」と「不安危険派」に分かれちゃってるしね?
どっちが正解?不正解?みたいに結論を出すには、まだまだ何十年も早いと思う。
オレは震災以前からずっと福島に住み続けてるし、勿論これからも住み続けるつもりだし。
福島に来るか来ないか、住むか住まないか、そんなもん個人の自由だべ?
オレは他人の人生の選択に対してなんやかんや言える立場じゃねぇ。
放射性プルームが飯舘村を通過してオレの頭上を覆った時は外でバリバリ働いていた。雪の中独りで屋外作業をしていたのだ。「早く屋内に避難せねば!早く早く!」と思ってた矢先、ようやく社長が現場にあらわれ「おい!今日は仕事やめて家に戻れ!」と言ってくれた。でも多分、遅かったと思う。もう雪で全身ずぶ濡れだった。ほんのり濃いめの被曝をしたと思う。
TVで20km~30kmなどという真円状の避難指示を見てたから、ここら辺りは50km~60kmぐらいだからまだ大丈夫だろう?という油断があった。
だが、後日公表されたSPEEDIの予測の方がバリバリ正解だった。
ガッチリ福島市にも赤い模様がのびて来てるじゃねーかよ!おい!?
そうだよな!よく考えたら原爆が炸裂したわけじゃねぇんだから、放射性プルームが真円状になんて広がるわけねーよな?
と思った時にはもう遅かったわけだ。隣町の一部地区に国からの避難指示が出た時は、いよいよ来たか!?って感じでかなりびびった。
でもここはおそらく「ある理由」があって避難指示の対象から外されたんだと思う。
その「ある理由」は内緒。
かなりの問題発言になっちゃうから、オレだけがそう思ってればいいコトだ。
そして後日、
「SPEEDIが予測した放射能汚染拡散予測図なるオフィシャルデータを県職員が誤って消してしまった。」というニュースが流れる。
「なんだそれ?」
この時点でオレと行政の信頼関係は破綻している。
真円状の避難指示を出した時点で国に対する信頼も破綻。
「プルトニウムは飲んでも大丈夫なんですよ~(=゚ω゚)ノ」などとぬかす科学者を連れて来て原発誘致をバリバリ推進していた東電に対する信頼も破綻している。
あの日以来「なんだそれ?」だらけだ。
だが、…だがしかしだよ?
美味しんぼの主人公みたいに鼻血を出したコトは無い。
…でも、何年か経ったらいきなり鼻血がダラダラ出るかもしれない。
それは誰にもわからない。
…完全廃炉を達成しないかぎり、オレのココロに真の安堵感は訪れない。
福島県民ひとりひとりにそれぞれの考え方、捉え方があり、国民ひとりひとりにそれぞれの考え方、捉え方がある。
オレはどっちかと言えば、原発事故発生以降、原発関連フル否定派だ。
だって、めっちゃコワイんだもん!
あの日の街の雰囲気。最高に恐怖だったもんね?
あの時のあの感覚こそが見えない恐怖なんだな。
今のオレには、原発事故に関して、何を信頼すればいいのか全くもって不明だ。
信頼性が全然見えない。
なにせオフィシャルのデータにせよ健康調査にせよ、なんもかもが胡散臭ぇ。街じゅうに無数に配備されたモニタリングポストが冷たく表示している数値も、何を伝えたいのかさっぱりわからん。
この気持ちをあえてコトバにするならば、得体の知れない巨大な化け物に民衆が操作されてるような感覚だ。「みんなどうしちゃったんだよ?」みたいな。
なんだか冷ややかな眼差しに常に監視されてる感覚もある。
オレはあの日以来、自分が得た数ある情報の中からいずれかを信頼して自己防衛に徹している。
どの情報を信じて、どんな行動をとっているのか?
それは皆バラバラだ。
皆、声高に主張はしない。
何故なら、家族、友人、近隣住民や避難所に居られる方々、国、役人、大企業、中小企業、農業、観光業、自営業、その他の様々な団体やすべての人々のそれぞれの営みの中において、
原発や原発事故に対する考え方の違いだけで、関係がギスギスするのを最も恐れているからだ。
だから黙って自分の信じている行動をとっている。
田舎であればあるほど日々の暮らしにおける身内やお隣さんとの関係性は深い。
だから余計に原発事故のディープな話題を避けがちだ。
例えば、お隣さんは原発事故が起きてから沖縄に引っ越したから安心だ。でもそのまたお隣さんは東電に勤めている。そのまたお隣さんはお役所勤めで風評被害の払拭に躍起だ。そのお向かいさんは農業を営み農作物の放射線検査をパス出来ずに賠償問題に頭を抱えている。そのお隣さんの子供たちは外でワイワイ遊んでいるが、そのまたお隣さんの子供たちは放射線が心配だという理由で外遊びを控えさせられている。…例えばの話ね?
という具合に、コトは複雑だ。
だからオレは以前から、「原発事故は精神的にかなり来る。」と言い続けている。
これから先もそんな日々の繰り返し。
オレにとって、漫画の世界の問題なんて、どうだっていい。
オレにとっての一番の問題は現実に福島第一原子力発電所が、木っ端微塵にふっ飛んだという事実だけだ。
コレばかりは実際の出来事だ。
そして低線量被曝下における生活に付きまとうこの精神的苦痛は、住んでるヤツらにしかわからん種類の、じわじわ来るイヤ~な苦痛だ。
福島で産まれ育ち福島で生活を営むオレは、
福島第一原子力発電所の完全廃炉がハッピーエンドになるコトを日々祈るばかりだ。
福島では実際に県民それぞれがどんな生活を営んでいるのか。
その実態は地域によって様々だし、価値観の違いも多岐にわたってかなりバラバラだ。
民意が再生可能エネルギー万歳!の方向に統一されるコトは、まず無いに等しいだろう。
…悲しい現実だ。
もう一度言う。
オレにとって漫画の世界の話なんて、どうだっていいんだよ。
もし仮に、俺のカラダが放射線に蝕まれる日が来たとしても、福島県が「再生可能エネルギーにおける発電量国内ナンバーワン!(=゚ω゚)ノ」を目指してくれれば、それで本望だよ。
=ともや=
20140521
Fukushima city…