中学受験Walker

中学受験Walker

中学受験塾教室長15年目◆中学受験 小6になってグンと伸びる子、ガクンと落ちる子 【完全版】著者◆中学受験の勉強法や情報を発信します。

★新作できました! 

 

「歴史分野を得意にする方法5選」というテーマでお話しをしていきたいと思います。

5年生を想定して書いていますが、他の学年の方にも参考になります。

 

★前回までの記事はこちら!

 

 

上級者向け① 資料集を見る

これまでの5つの方法で合格点を取ることは可能です。通常の勉強方法においては手が出しにくい部分ですが、もう少し余裕のある方には「資料集を見る」という方法をおすすめします。まずは塾で配付されている資料を確認することから始めてください。

 

序盤の段階では「漢書」地理志という史料があります。中国の歴史書がピックアップされており、たとえば「後漢書」東夷伝「魏志」倭人伝などの一部が引用されていますので、そこをチェックしておくことをおすすめします。

 

さらに、歴史に大変興味がある方には山川出版社の『詳説日本史図録 第10版』という書籍があります。この本は値段が1000円程度で手に入り、詳細な情報が記載されています。長期間にわたって利用できると思いますので、調べ物やテストで出たけれどもテキストに載っていない内容などを確認する際に役立つ一冊として手元に置いておくと良いでしょう。暇な時間にパラパラと見るだけでも良いし、オールカラーなので大人でも楽しめます。

 

上級者向け② 動画を見る

歴史に関しては、耳からの学習もおすすめです。読むだけでは疲れてしまい、限界があります。目からの情報だけでは疲れを感じることがありますので、耳からの学習を試してみることも良い方法です。私も作成した歴史動画があります。それほど難しくない内容で、丁度良いレベルになっています。単元2回分で、10分程度の動画になっていますので、時折見て耳から情報をインプットしてみるのも良いでしょう。電車の移動中や車の中で聞くこともできます。音声から情報を取り入れるという方法も覚えておいてください。

↓5年生向け(テキスト改訂前のものなのでどこかで新作にしたいです)

 

↓6年生向け

 

★新作できました! 

 

「歴史分野を得意にする方法5選」というテーマでお話しをしていきたいと思います。

5年生を想定して書いていますが、他の学年の方にも参考になります。

 

★前回の記事はこちら!

 

③テキストを読む

これは国語の授業と同様です。国語の先生から、授業で扱った文章を家に帰ったら音読するよう指示があるかと思います。社会でも、「テキストを読み込む」という時間を設けましょう。それを1週間の中に定期的に組み込むということです。社会の授業の日とテストの日を逆算して「社会のテキストを読む時間を確保する日」を決めて取り組みましょう。朝でも構いません。音読できる環境が整っていれば、音読することもおすすめですが、とにかく1週間の中にテキストを読む時間を取り入れてみましょう。

 

なぜなら、単語だけでは点数を取ることができないように、テストは作られているからです。たとえば、社会の科では、正誤問題が作りやすいです。記号問題で、「4つの選択肢の中から間違ったものを選びなさい」という問題が作りやすいです。

 

ここで少し裏話をしますが、この問題形式だと、間違ったものを一つ考えるだけで良いのです。しかし、「正しいものを選びなさい」という問題だと、問題を作る側は間違ったものを3つ考えなければなりません。後者の方が問題作成に時間がかかるため、「間違ったものを選びなさい」という問題形式が正誤問題として出題されることが多いです。流れを正しく理解していないと、正誤問題に対応できませんので、テキストを読み込む時間を1週間の中に組み込んでください。

 

テキストを読む上でのコツもあります。歴史の範囲は一度に覚えるボリュームが多いため、小分けにすることをおすすめしています。一日で全てを読もうとしても、内容が頭に入ってこないでしょう。そのため、2回または3回に分けて、1週間の中で取り組むようにしましょう。たとえば、1日に10分や15分のテキストを読み込む時間を作ると良いでしょう。

 

さらに正誤問題について言えば、全ての問題で間違ったものを選ぶというわけではありません。時折、「正しいものを選びなさい」という問題も挟まれることがあります。これは人間の本能として、自然と正しいものを選んでしまうものです。特にテスト中の子どもたちは時間が限られており、焦っていますので、正しいものが目に入った瞬間、それを解答欄に書き込んでしまいます。

 

ここで予言しておくと、今後、「間違っているもの/正しいものを選びなさい」という問題に悩まされることになるでしょう。どれだけ注意していてもミスは起こります。ここが非常に重要であり、何度かミスを繰り返す中で問題文をしっかり読む力を克服していく必要があります。

 

④年号を覚える

これは先生の主義によると思います。年号の覚え方については、後回しにしても良いという意見や、それほど重要ではないという意見もあるかもしれません。しかし、私の意見としては、重要な年号は覚えてほしいと思います。

 

実際に細かい年号まで詳しく覚える必要は6年生の段階で十分だと思いますが、おすすめの教材には『歴史年代暗記 改訂版 (中学入試まんが攻略BON!)』という本があります。この本には100以上の歴史年号の語呂合わせが載っているので、時々参考にするのも良いでしょう。メインの年号は少なくとも覚えておいてください。

 

たとえば、歴史の前半で学ぶ「仏教伝来」です。この年号の語呂合わせとして「ゴサンパイ(538)」と覚えましょう。ちなみに、この年号には2つの説があるようですが、テストで問われる場合には「世紀」という言い方が出てくることがあります。

 

子どもたちは「世紀」という言葉に慣れていないかもしれません。イメージよりもプラス1で切り上げる必要があります。538年は何世紀かと子どもに聞いてみてください。6世紀です。つまり、「仏教伝来」は6世紀です。そして現在は何世紀かと聞いてみましょう。現在は21世紀です。2001年から2100年までは21世紀です。このような言い方も難しいかもしれませんので、年号と一緒に覚えてください。

 

最近話題になっている語呂合わせの本も紹介しておきます。『ウケるゴロ合わせ《日本史編》 イヤでも覚える基本重要事項98』 もちろん私も持っています。教室の図書コーナーに置いています。

 

⑤地図もセットで覚える

一生懸命にテキストで勉強してテストに臨んでも点数が取れないという場合、地理の知識と組み合わせることで一気に点数を伸ばすことができます。たとえば、「百済」という漢字を一生懸命覚えたと思っても、テストでは百済の国名だけでなく「場所も答えなさい」という問題が出されてしまうことがあります。

 

 

地図をテキストで見るだけでは情報が定着しません。そこでおすすめしたいのが地図の付箋です。『学研ステイフルSTUDY STATIONERY付箋白地図日本』は、少々高価ですが非常に効果的です。書くこと自体も楽しくなりますので、ぜひおすすめします。自分で書いてみることで、百済・新羅・高句麗の位置関係や、白村江の戦いがどこで行われたのかを理解できるでしょう。見るだけでは情報が定着しないのが実情ですので、実際に自分で書いてみて、それをノートやメモチェ(メモリーチェック、6年生用の暗記教材)に貼ることをおすすめします。

 

 

たとえば、壇ノ浦は現在の山口県隠岐は島根県といったように、縄文時代の遺跡としては三内丸山遺跡・岩宿遺跡・大森貝塚の場所、弥生時代の遺跡としては登呂遺跡・吉野ヶ里遺跡の場所などもテキストに載っているはずですので、ぜひチェックしてください。これまでが基本的な5つの方法でした。次回は上級者向けのアドバイスをご紹介し、終わりにしたいと思います。

 

 

★新作できました! 

 

「歴史分野を得意にする方法5選」というテーマでお話しをしていきたいと思います。

5年生を想定して書いていますが、他の学年の方にも参考になります。

 

①歴史漫画を読む

これは定番なので、既に試している方もいらっしゃると思います。5年生の後期ともなると社会科だけでなく全科目で、特に算数が厳しくなってきます。そのため、全10巻や20巻といった大作の歴史漫画を1週間で読むことは現実的には難しいです。


私がおすすめするのは、学研から出版されている『歴史上巻・下巻改訂版(中学入試まんが攻略BON!)』という2巻に分かれた漫画です。この程度なら読み切ることができると思います。

 

 

注意すべき点は、これまでの地理の勉強法とやり方を変える必要があるということです。歴史は新しいスタート地点ですので、最初はなかなか理解が進まないかもしれません。親御さんも少しバックアップしながら、気合を入れて取り組んでください。歴史の初めの一歩が重要です。最初のテストが鍵となりますので、そこで効果的な勉強方法を見つけることができれば、後はスムーズに進めるでしょう。

 

歴史漫画を最初に読んでから授業に臨む方法も良いですし、授業後に読む方法も検討できます。私は先に読むことをおすすめします。授業の範囲に合わせて予習も兼ねて漫画を読み、授業中には先生が強調した単語やフレーズを覚えておき、帰宅後にもう一度漫画を読むと良いでしょう。このような組み合わせで2回読むことで、内容が頭に定着しやすくなると思います。

2巻では物足りなくてどうしてももう少し読みたい方にはこちらをおすすめしています。文庫サイズなのであまり場所も取りません。『集英社 まんが版 日本の歴史 全10巻セット』私も持っています。

 

②重要な語句を漢字で書けるようにする

授業で先生が板書したり、重要と強調した言葉を漢字で書けるようにしましょう。テストや入試では漢字の使用が原則です。逃げたくなる気持ちはわかりますが、できるだけ漢字で書くように心掛けましょう。

 

序盤から漢字は難しいです。「邪馬台国」はテストに出題される可能性があります。卑弥呼、竪穴住居、蘇我氏、埴輪などは初回のテスト範囲として出てくると思われます。追加で挙げると「金印」も重要です。これは確実に出題されます。「漢委奴国王」を漢字5文字で書けという問題もお馴染みですので、練習しておいてください。歴史の漢字は国語の漢字よりも難しいかもしれません。

 

墾田永年私財法」という言葉もありますが、5年生の間は「墾」の字はひらがなでも構いません。

難しい漢字の覚え方のコツがあります。それは、画数も一緒に覚えておくという方法です。たとえば、「墾」は16画であることを知っておかないと、線を引きすぎてしまいます。ですので、「墾16画」と覚えておくと良いでしょう。

 

また、「唐招提寺」という漢字は大人でも難しいです。どちらも「てへん」があることを覚えておくと、情報を組み合わせて覚えることができます。「比叡山」はマニア向けですが、「」という漢字も16画です。平等院鳳凰堂の「鳳凰」という漢字も、5年生の間はひらがなでも構いませんが、これも頻出の問題ですので注意が必要です。入試でもよく出題されることがあり、たとえば、「10円玉に描かれている建物は何ですか?」という問題が出ることもあります。答えは平等院鳳凰堂です。

 

昨年の大河ドラマ(鎌倉殿の13人)で話題になった「壇ノ浦」という言葉があります。一生懸命「壇ノ浦」という漢字と場所を覚えましょう。もう一つは、現在の場所がどの県であるかも重要です。たとえば、「壇ノ浦」の場所は山口県であり、後鳥羽上皇が流された「隠岐」も漢字に注意が必要です。隠岐の場所を問われたら島根県です。テキストに現在の県名が書かれている場合は、地図帳と併せて確認しておくことを意識しましょう。

 

元寇」などは6年生でも難しいかもしれません。鎌倉時代は短い期間に多くの出来事が起きているため入試問題として出題されやすいです。壇ノ浦、隠岐、元寇の3つは特に出題されます。

 

太閤検地」の「閤」も難しいです。後半の近現代になると内容も難しくなってきますが、事前にリストアップして定期的に練習することをおすすめします。

 

ちなみに、本郷中(偏差60)はすべて漢字指定です。さらにHPに正答率も載っているので漢字の難易度を知るのにちょうどよい指標になります。本郷中の社会の入試問題の表には以下のように書かれています。

 

   

 

 

2023~2019の5年×3回=15回で一番出題されているのが、菅原道真 4回(2022年以外)

2023①82.9% 2021①35.6% 2020③80.3% 2019②87.8%

 

あとは2回出題が続きます。

墾田永年私財法 2023②54.8% 2021②67.9% 埴輪 2023③57.5% 2022③53.7%

竪穴住居 2021②75.7% 2020①52.2% 太閤検地 2020①70.7% 2019②69.7%

蝦夷 2020②40.6% 2019②37.8% 御成敗式目 2020③70.1% 2019③66.1%

 

個人的に今後も出題されそうな漢字は

百済 2022①66.0% 唐招提寺 2022①62.9% 日本書紀 2022①68.5%

征夷大将軍 2021②79.7%←2024年入試で熱い! 藤原頼通 2021③53.5%←2025年入試で熱い!

漢委奴国王 2019①15.6% 倭寇 2019①50.6% 鹿鳴館 2019①71.5%