「浴衣」とちゃんと言える浴衣は実は一枚しか持っていません。
金子國義のゆかた
の「髑髏」だけ。
スカルものって、ちょっとしたタッチの差で、ものすごくカッコ悪くなってしまうのですが、これはさすがに凄い器量よしの髑髏で柄も大きくて気に入っています。弱点は「どう着ても暑そうに見える」ことぐらいでしょうか。
カタログではモデルさんは赤い半幅帯を締めていますが、個人的にはせめて青や白など寒色系の帯をするほうがちょっとでも涼しげかなー、っと思っています。
他にも「
目から鱗
」とか、「
唇から百人一首
」とか「
波
」(新柄)とか、気になる柄は沢山あるんですが、お値段の方もそれなりなので、毎年は買えないかなー。
これ以外に持っているのは、柄が小さくて「木綿のキモノ」感が強く、「浴衣」とは呼べないものばかりです。でも、そこが使いやすいところなんですけどね。ちなみに他の柄を参考までに。
(1) 阿波しじらの緑
縞の細さが分かりづらいので、5円玉を乗せてみました。このぐらい細い縞なのです。緑をベースにベージュ、黄土色、グレーなど色々な色が入った縞。パッと見には薄緑の無地です。生地がサッカー地のようにさらっとしていて涼しい。
(2) 阿波しじらのブルーグレイ
黒っぽいですが、漆黒というよりブルーグレイ。グリーンとグレーのごく細いペンシルストライプのような縞が入っているせいで、かすかな涼感があります。「縞柄」って粋すぎてシロウトさんが手を出せないこともあるんですが、このぐらい細いと縞に見えずに着やすいと思います。これも涼しいしじら生地。
(3)幅1センチぐらいの大きめ白黒の格子(麻)
これは、リバーシブルの洋服生地で作ったもの(だから「市松」ではなく「ギンガムチェック」なのです)。単(ひとえ)ですが、裏は黒地に生成の水玉になっています。綿麻混紡なので、これも涼しいですが若干重い。そのぶんヨレヨレにはなりにくいです。地色が白ではなくて生成なのも気に入ってます。
(4)白地にクローバーとてんとう虫
現代風の柄付けですね。有名店「
花詩歌
」さんのセールで買った綿キモノです。個人的に、乙女手芸創作系(元オリーブ少女が作ったような、プードルが刺しゅうしてあるような帯とか、北欧っぽいキモノとか)着物類は「頑張り過ぎ」感があって苦手なのですが、このクローバープリントの小ささならギリギリ許容範囲かなー。…って、実はまだ一回も着ていません。白地は濃い色の帯とあわせて夜に着たいですね。
と、どれも小柄です。はじめて浴衣買われる方は、いかにも「ユカタ」って感じの巨大な花柄でもいいかもしれませんが、二枚目以降でしたらこういう小さい柄を選んでおくと、半襟入れて足袋をはけば、3シーズン使えて便利なのでオススメです。「半襟入れる」といっても襦袢まで着る必要はなく、美容襟で十分なのでは?
(ちなみに美容襟というのは、襟だけを紐で装着するとってもお気軽な下着で値段も2000円程度と安いです)
夏に着物で遠出するときは、ユニクロのサラファインTシャツ(すべりがよくて木綿と摩擦しにくいんで、浴衣のためにあるような下着だと思います)の上から白絽の半襟かけた美容襟をして、半幅帯を締めてレース足袋を履くことが多いです。暑いのが平気な方なら普通の足袋でもいいかも。帯締めを入れたり、半幅帯の色柄や結び方を工夫すると、さらにもっとちゃんとした席にも行けると思いますよ。
夏に花火大会などに行く若い女性の浴衣姿を見ていて、襟の抜き方よりも目につくのが後ろ姿。「帯が変」な人が多くてつい気になるのです。(さすがに男性には帯の変な人はいないです。男性は角帯とか兵児帯なので、どうやってもサマになる人の方が多い)
何が変かというと、まず色とか帯の材質とかが、ちょっと浴衣向きではないものをしている人が多い(妙に光沢のある原色無地帯とか)。そして、背中にプラスチック製のような揺れても微動だにしない蝶結びが貼り付いている。帯を「巻いている」というより「装着している」感のある、違和感のある背中の人が多く(ちゃんとしている人もいるだけに)よけいに異彩を放っていて、ついつい目が離せなくなってしまいました。あれって、浴衣とセットで売ってる「付け帯」とかをそのまま使ってるのかな? 浴衣の色柄にこだわる、その何分の一のエネルギーでも帯に気をまわして、「無難な帯」を選べばあそこまで浮かなくてすむのに… 結べないなら結べないで兵児帯にした方が良かったかも… とか思わされました。自分では自分の後ろ姿って見えないから気がつかないものなんでしょうかねー。自分の後ろ姿だって用心しなきゃねー。
浴衣で一番無難な帯といえば、何と言っても「白の博多帯(半幅)」につきると思います。いや、白じゃなくてもいいかもしれないけど、白か黒にしておけばどんな浴衣にもあうしね。どっちかというと白の方が涼感を呼ぶ分スッキリとする気がする。模様は無地ではなく献上柄といわれる独鈷柄(角帯は大抵これですよね)。素材は絹よりポリエステルのほうが夏には向いているかもしれません。ポリエステル帯は滑りやすいけど、汚れにくいし家で洗濯できるので。それをフツーに文庫か、貝の口に結んで、夏用の帯締めを通したりするとスッキリして涼しげで自然かと思います。
それも面倒ならいっそ兵児帯にするかね。兵児帯って可愛いし自然なドレープも涼感を呼んでくれて、不自然な作り帯よりはずっと清潔感あっていいと思うんだけど。あ、でも、結ぶのは簡単だけど、買う時に長さを見定めたりするのとかが若干難しいのかも。これも生成りの兵児帯が一本あればそれでいいような気がします。
ネットで検索すると安くていい
半幅帯
や
兵児帯
がいっぱい出ているので、浴衣を買う前に帯買ってもいいかも知れませんね。とにかく白系の帯はすぐ売れてしまうので。
かく言うワタクシ、今年は浴衣は買わずに(上記のキモノ類に合う)半幅帯でちょっと面白いものを買おうかなーと計画して色々探しています。とりあえずレース足袋や絽の白半襟はまとめ買いしました。安くておすすめのネットショップなど、出し惜しみせずにどんどん公開したいと思っております。その分、私のしょーもない買い物自慢はご辛抱ください。