青子の本棚

青子の本棚

「すぐれた作家は、高いところに小さな窓をもつその世界をわたしたちが覗きみることができるように、物語を書いてくれる。そういう作品は読者が背伸びしつつ中を覗くことを可能にしてくれる椅子のようなものだ。」  藤本和子
  ☆椅子にのぼって世界を覗こう。


青子が読んだ本の感想ハートです。




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毎年同じの今年の抱負。

 1.秘密は守る。

 2.陰口はたたかない。

 3.人は裏切らない。

に加えて、

 4.健康に留意。

 5.汚部屋整理。(使わないものは捨てる)

は、やはり年のせいか。(^_^;)



みなさま、今年もよろしくお願いいたします。☆-( ^-゚)v 


 

 

 

 

探偵:小川令子が、同業者の鷹知祐一朗から紹介された仕事は、浮気調査だった。舞台俳優:草元朱美から同棲中の役者:福森宏昌について調べてほしいという依頼だった。二人は、現在『望郷の血』の舞台稽古中であり、その演出家:栂原恵吾と結婚して引退した女優:栂原沙保里(つがはらさおり)が相手だという。加部谷恵美が稽古場を張り込み中、駐車場の雪の上、血を流して倒れている死体が発見される。依頼人の草元朱美だった。

 

 

 

 

小川&加部谷コンビ、三番目の事件です。

三冊目にして、シリーズ名クラッカーお祝い決定。

<XXシリーズ>となっております。

 

 

加部谷の親友である芸能ジャーナリスト:雨宮純も大活躍です。

そして、加部谷が、純ちゃん家に同居させてもらうことになり、お引越し。

よかったねぇ。

 

 

事件は”連続”とはいえ、かなり間があいていて場所も違うけど、複数の未解決の殺人事件と類似性があり、加部谷により「雪上流血美女連続殺人事件」と命名されます。

その一つは、十二年前、栂原恵吾の前妻が、雪の上に血を流して死体となって発見されています。

その後、似たような事件が続き、そして、今回の草元朱美です。

 

 

各章の冒頭に掲げられる引用は、連続殺人事件という内容にぴったりの『マインドハンター FBI連続殺人プロファイリング班』からの抜粋です。

そして、プロローグの冒頭で使用されている文章には、<わたしがほんとうに関心をもったのは心理学的な側面、つまり何が殺人の引き金を引くのか、ということだった。>の文章に、少なからず驚かされました。

 

えっ!?びっくり

ここにきて、路線変更?

そんなもん、本人にしかワカランというスタンスやったやん。

なのに……。

確かに、今回フツーのミステリィっぽいのは、そのせいかも。

ラストには、小川さん、加部谷、純ちゃん、鷹知の四名で、犯人の動機が開陳されています。

まぁ、どちらにせよキャラ読みしてる私には、もはやどーでも良くなっているのですが。。。

すっかり飼いならされとるがな。汗うさぎ

 

 

しかし、小川さんを相手に新登場の刑事:牛田が、殺人と戦争と犯罪について、警察の立場から効率を考える哲学風絞殺考察を行っているのは、相変わらずです。ニコニコ

 
 
そして、純ちゃんも、加部谷にフェミニズム論を披露します。

 

 

そもそもな、雪の上で殺されるの、なんで美女なんだぁ? 男じゃいかんのかって思わん?

 

確かに、イケメンラブラブでもいいよなぁ。

同調する加部谷に、重ねて純ちゃんが言うことには、

 

 

LGBTとかもよぅ、男と女を区別してるから出てくる問題なわけで、最初からな、男も女もやめて、戸籍にも書かなええが、小さいときから区別せんときゃええだろが、ほれ、犬とか猫とか、わからんだろ、見た感じで雄も雌も同じだぎゃあ

 

と、イマドキ発言。

純ちゃんの方言も、ハート好き。

だけど、すぐその後、生きてるうちは望めないと悲観的。ハートブレイク

やっぱ、そーなんかなぁ。

 

 

うーん、どうしようもないわさ。くっそくだらん世の中だが、ここしかないでな、生きていく場所がよ

 

 

と、不本意なれど取り敢えずの順応性もバッチリ。

取り敢えずだよ、取り敢えず。

なのに、加部谷ったら、「純ちゃんが男だったらよかった」だの、「私が男だったら、純ちゃんにプロポーズする」なんて言って、速攻そこに差別があると突っ込まれてます。

確かにねぇ。

でも、こっちも、良いコンビやねぇ。

 

意外と苦労人な純ちゃんの発言ですが、実はこれ、プロローグの冒頭に置かれたモノローグから始まるミスリードを解くカギカギにもなっていて、なかなか技ありだなぁと感心しました。

 

 

 

シリーズ名も決定したことだし、今後、この路線で行くのかなぁ。笑ううさぎ

牛田刑事は、小川さんの亡き彼に声が似てるそうで、ちょっと気になりますね。

 

そして、もう一人上差し気になる初登場の人物がいます。

これまた、小川さん関連で、なんと小川さんを過去にストーカーしてた、大富豪のおじいちゃん:三郷元次郎です。

そのおじいちゃんから、ハワイに留学中の孫娘の彼氏の素行調査を依頼されたところで、この巻は終わってます。

 

次回は、ハワイからでしょうか。音符     浮き輪やしの木サングラス  

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ】

 

◆靴にみる加部谷的女性度判定

↓ 加部谷恵美……スニーカースニーカー

↓ 小川令子……低いヒール

↓ 雨宮淳……けっこうヒール高いハイヒール

  成瀬舞花(特別参加;主演女優)……ヒールが高く、大きめ(プラットフォームシューズか?)の目立つ靴。