Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録


 

GW3日目。

 

大阪中之島美術館で「没後50年福田平八郎展」を観てきました。

 

連休ということもあり着いてみると入場待ちの大行列でちょっと焦りましたが、先日観に来たモネ展もまだ開催されていて、大行列はそちらのほうだったらしく、福田平八郎展はすんなりと入場できました。

 

モネ好きですよねえ...日本人。

 

 

 

福田平八郎の代表作といえば、近代日本画の新境地と高く評価される重要文化財の「漣」。

 

大阪中之島美術館所蔵の作品で、12年前、まだ美術館ができる前に心斎橋の展示室で開かれていた展覧会で観て以来ですが、今回は解説や下絵など、付随する展示もあり、より深くこの作品を知ることができました。

 

釣りで訪れた琵琶湖の風景がもとになっているいうことも初めて知り、同じく琵琶湖で釣りをしていたときに見ていたさざめく湖面の情景がよみがえってきました。

 

 

 

「漣」もそうですが、福田平八郎は、写実を基本としながら、近代絵画的な造形や表現を追求し続けたそうです。

 

この「氷」などは完全に抽象画に思えますが、実は手水鉢に張った氷の模様を写生したものをもとに制作した作品なのだとか。

 

 

 

今回の一番のお気に入り「桃」。

 

朱塗りの盆の柔らかな映り込みの表現がとてもいい。

 

こういう画風に到達する前には、徹底的に写実を極めたそうで、その頃に培った観察眼と画力があるからこそ、こうした表現が可能なのでしょうね。

 

 

 

晩年には、この「游鮎」のような子供が描いた絵の延長線上にあるようなかなり単純化した表現の作品もありました。

 

鮎や鯉、あとは竹や筍の作品はいくつも展示されていましたが、様々な表現を試されていて面白かったです。

 

 

 

この「雲」はほぼ雲の輪郭線周りの表現の作品ですが、雲のつかみどころのなさが感覚的に伝わってきて素敵でした。

 

こういう柔らかな表現は、なんとなく東山魁夷の絵とも通じるような気もして好きです。

 

 

福田平八郎の作品をまとめて鑑賞するには初めてでしたが、とてもよかったです。

 

今回の出展作品の多くは、故郷の大分県立美術館に収蔵されているようなので、また大分に行ったときにでも観に行ってみたいと思います。