いよいよ計画を実行に移すときが来た!
出張期間中には色々とお客さんとやり取りをする機会が多かった。
今回の案件のお客さんは実に話しの分かる人だった。
独立を考えている話しは内々にメールでやり取りをしていたのだ。

そして、お客さんの方から言ってきた。

客「おたくの社長は、行き当たりばったりっで仕事にならないよ。」
客「あ~、誰か早く独立してくれないかな~。」


決まった。そして貰った!

俺はその日の晩、「もう無理です。この仕事を終わらせられません!」とメールを社長に投げた。
それに焦った社長。今まで自分が何一つスケジュール管理や進捗管理をしていなかったことを、
お客さんに露呈。そして、お客さんから返金命令が下った!
返金総額500万以上。このとき会社の経営にかなりの大打撃を与えたのは言うまでもない。



そして俺はあたかも何事も無かったかの様に退職届けを出し、
独立を果たしたのだ。
そして、ここから報復物語が始まるのであった。

- 報復物語へつづく -
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いよいよ俺の出向が間近になってきた頃、
半年以上も前に無くなったと思った案件が受注されてきた。
当初俺をアサインする予定だったが、急遽別な人材を確保しなければならなくなった。

リクル○トの求人雑誌に掲載することとなり、
その打ち合わせを営業マンとすることに。
欲しい人材の職種や、資格の話しをし、淡々と進んだ。
掲載を開始してから幾人かが応募をしてきた。

採用の合否は社長が全権握っている。
「この人にしよう!」

決定。俺は散々反対をしたが、有無も言わさず通知を出した。
後日面談をし、最終的にその人に決まった。

名前は「ネネちゃん(仮称)」

ネネちゃんは年の功も結構上だが、何か違う。
そう、ネネちゃんは何を隠そうもの凄い潔癖性だったのだ。
そして、案件をまとめるということが何一つできなかったのである。

俺が出向している間、連日の様に徹夜をしている。
しかし、成果も結果も出ない。結局、出向期間が無事に終わった俺が担当になった。
当然、ネネちゃんはクビ。

しかし!!!
転機はやってきた!!

そのネネちゃん、解雇理由を不当とし、会社を訴えたのだ!
最高!!ネネちゃんは採用当初から俺からの助言を忠実に実行し、
残業する場合は常に俺と社長へメールを入れていた!
そして、勤怠表もしっかり付けていた!

逃げ場を失った社長は弁護士を用意しようが何をしようが
結局3ヶ月の雇用期間だけだったのに合計120万をネネちゃんに支払うことになった!
これは万歳!そして、俺はネネちゃんのケツ拭きをしていたが、連日の徹夜に嫌気がさした。

そして、兄貴に相談し客から仕事取って独立しちゃおうよ。
と話しがまとまった。
前のオフィスの仲間とも一緒に計3名で独立を計画し、
登記を行うことになった。

そして、いよいよ俺の今までに仕掛けた爆弾を
起爆させるときが来たのだ。

- 次回へつづく -
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社長がオフィスに来て、開口一番出た言葉。

「事務所を移転します。」

地元で採用した従業員のことはお構いなし、
付いて来るなら、付いて来い!
その代わり、移転先での部屋の賃料、引越代は自分で負担しろ。
だそうだ。

これじゃ誰も付いて来れない・・・。
しかも何の前触れも無く。

「じゃ、僕は辞めます」

従業員から出た言葉だ。
彼は荷物をまとめ、当然大激怒しながら帰宅した。
彼が帰宅してから、社長が俺に言った。

「君は移転先で仕事を確保している。」

辞める気満々だったが、移転先の仕事の取引先の方には
昔お世話になった義理もある。なので、短期間だがその仕事を受けた。
その日の晩から慌ただしくも引越作業を開始。
打ち合わせをしていたかの様に引越業者が荷物を運び出す。
午後9時には事務所はもぬけの空だった。

翌日には俺の部屋の引越も開始。
移転先では引越の翌日から既に仕事は出来る状態だった。
ただ、電話とネットが使えないだけで、特に問題は無かった。

取引先との仕事を控え、準備はできていたが、
そこへ一本の電話がなった。
例の新人君からだ。

新人「あのー、社長が弁護士を用意したからそこと話しをしろと言われました。」

俺「電話しなよ。証拠書類も全部叩き付ければそれで終わるでしょ。」

新人「やっぱり、俺怖いです・・・。」

俺「じゃ泣き寝入りしちゃうの?」

新人「・・・はい。」

今まで色々と準備をしてきてあげた爆弾は、見事に不発に終わった。
だが、この後、グレイとなブラック人材が入ってくるとはまだ誰も知らない。

- 次回へつづく -
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下準備をしてから、数日後に電話が鳴った。
しかも会社の電話だ。新人君が電話に出ると、
何やらモゴモゴした物言いになっている。
電話を切ってから新人が俺に言った。

「労働組合の方からでした。」

勤怠表やその他の資料を弁護士の先生と確認してくれたそうだ。
なるほど。そして、また電話が鳴った。
今度は俺の携帯電話だった。

着信の表示には

「みの○んた」

と表示されている。
社長だ。口だけは上手い、そして客を持ち上げるのが上手い。
それがこのあだ名の所以である。

電話に出ると、焦っている様子だった。
これからこっちに来るとのことだった。

たまたま近くに用事があったらしい。
どうせ家庭の事情とやらだろうと思いながらも、
新人君を早く家に帰した。

それから2時間後、駅まで迎えに来いとのご命令。
車を走らせ駅まで迎えに行った。

社長を車に乗せ、走り出して暫くすると

社長「新人が僕の実家に内容証明で残業代を支払えと手紙を送ってきた。」

その発言はしっかりと聞いたぞ。
手紙が届いたという事実は証拠として大きい。

俺「何ですか?その内容なんちゃらって。」

社長「ん。残業代を支払えって内容の手紙。」

俺「そうなんですか。分からないですけど。」

しっかり読んでることも確認。
車中ではその後無言の時間が流れた。
社長はかなりビビりまくっていたご様子。

会社に着いてから、もう一人の従業員が社長に挨拶をした。
そして、社長が深刻な面持ちでこう切り出した。

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はてさて、労働組合とは聞いたことはあるが、
利用したことは少ないのではないでしょうか?

そもそもどうやって利用するのか。
何をしてくれるのか。
色々な疑問が出て来ると思うが、新人の事例から参考にして頂きたい。

【新人君スペック】
体格:デカい。120kg
身長:約180cm
髪型:坊主頭
彼女:あり(しかも学生)
借金:あり(車に多額の金を注ぎ込んだらしい)
年齢:20代前半

彼は社会人としてしばらくは働いたものの、
この業界にあこがれ、学校へ通い直した。
凄まじい努力をしたのだろうと、評価され採用された。

ところが、ハローワークなるところで
残業代支給、賞与支給と書かれているうちの会社に
どうやら引っかかった。人数も少ないし手頃感はあったに違いない。

そうこうして働き始めると、何やら状況が違う。
残業代が出ないのだ。これまでは良くある話し。
そして徹夜が非常に多い。これもまた良くある話し。

しかし、強烈な脅迫メールが社長からあったことは
紛れも無い事実であり、訴えればそれを証拠に勝つことができた。
そう、これがパワハラの実情だ。

そして鬱の病へと発展し、出社拒否をすることになるのだ。
しかし、悪知恵とは便利なもので、出社拒否をしていた彼が、
会社へ来るではないか。

先ずはタイムカードを自分用に作成する。
そして毎日記録を始めた。
社長からの脅迫メールも保存。

この作業が実に楽しかったらしい。
そして、弁護士が来ようが誰が来ようが絶対に示談に持ち込めるのだ。
全員証拠を集めた。メール、手紙、勤怠表や社長の発言メモ。

これが一番の証拠になる。
そして、先ず向かった先は労働局である。
残業代の請求書も内容証明で社長の自宅へ送りつけた。

労働局は基本的には何もしてくれないが、
労働組合は違う。彼らは本当にあの手この手を使ってやってくる。
保険として労働組合にも電話をした。

そして、数日後に電話が鳴った。

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