7月22日


京都市西京極
総合運動公園陸上競技場兼球技場

観客数3206人



京都サンガFC1-2アビスパ福岡


14分有田(京都)、24分酒井、

27分末吉、



京都サンガFC


,,,,,,有田,,,宮吉


,駒井,,,,,,,,,,,,,伊藤

,,,,,,原川,,,田森


,船瀬,バヤリッツァ,下畠,,,内田

,,,,,,,,,清水


アビスパ福岡



,,,,,,,,,酒井


,金森,,,鈴木惇,,末吉,,,,城後


阿部,,,,,,,,,,,,,,,,三島
,,,,亀川,,,堤,,,田村

,,,,,,,,中村航輔





京都戦は石丸監督がアビスパを研究して
対策を練って試合を優位に進めますが
点を取れる選手がいたかどうかが
勝負を分けた試合さなりました。



アビスパは自陣にブロックを作り
スペースを埋めて
低い位置でボールを奪う
守り方をしています。

具体的には1トップと
2列目の2シャドーとボランチ2人が
パスコースを限定して
相手が強引にブロックの中に
入れてきたタテパスを
後ろの5バックが前に出てカットに行く
守備です。



そこで京都はまず
ロングボールで有田と宮吉が裏を狙い
両サイドの駒井、伊藤のドリブラーに
積極的にドリブルを仕掛けさせ
ブロックの外から攻撃して
アビスパの選手の意識を
ブロックの外に向けさせて
ブロックの中の圧力を下げる手を打ちます。


アビスパのブロックの中の圧力が弱まって
少しコースを限定する動きや
1トップ酒井の運動量が落ちた所で
今度はアビスパのボランチの裏の
つまりブロックの中で
FW有田、宮吉に
タテパスを入れていきます。

これにアビスパのDFが
タテパスの受け手の足下に食い付いて来て
アビスパのボランチが後ろ向きになった
ところで
ワンタッチでDFをかわし
サポートのボランチやSHが
ボールを受けます。

アビスパのボランチが後ろ向きで
その後ろから出て来た
京都のサポートの選手が
フリーになった所で
京都の他の選手が
アビスパのDFが食い付いて空けた裏の
スペースに走り込んで
そこにサポートしたフリーの選手から
パスが出てチャンスを作って
いました。


さらにSHの駒井と伊藤が中に入って来て
タテパスをアビスパのボランチの裏
ブロックの中で受けて
ワンタッチでサイドから付いて来た
アビスパのWBを外し
アビスパのWBが食い付いて空けた
サイドの裏のスペースに
FWや右SBの内田がランニングして
ボールを受けてチャンスを作りだそうと
していました。



アビスパの守り方である
ブロックを作ってスペースを与えず
タテパスに対して
DFが前に出てカットに行く
守備を逆に利用されて
より危険な裏にスペースを作られて
しまいます。





30分くらいまではこれで圧倒されますが
30分以降はブロックの外を使う裏や
サイドにパスを供給していた
京都のボランチ原川に酒井、鈴木惇、
もしくは末吉が距離を詰めて寄せて
自由を奪い
京都のサイド攻撃や
裏を狙う攻撃の芽を摘みました。


結局これによってブロックの外を使った
攻撃が激減して
京都の攻撃が中央に集中し
アビスパのブロックの圧力が強まり
ブロックの中のスペースが狭くなって
京都がブロックの中で行う
ワンタッチの精度が落ちて
ワンタッチを使ってDFを外すプレーや
サポートした選手がフリーになる回数も
少なくなります。


原川がボールを捌けなくなり
サイド攻撃や裏を狙う攻撃が
無くなっただけでなく
CBバヤリッツァがじれてボールを持って
ボランチより前まで上がって来たので
京都のリスクは大きくなっていました。 

しかしアビスパはカウンターで
そのスペースを使えず
後半に追加点を奪い試合を決める事が
出来ません。

京都もシュートの意識は高く
ミドルを次々に打って来ましたが
やはり可能性は低く
試合を通して京都がボールを持って
押し込んでいましたが
決定機は少なく
アビスパもウェリントンの個の力を活かして
2回ほどチャンスを作りましたが
決めきれず
そのまま試合が終了します。


ウェリントンに関しては
別格のフィジカルと周りを使う上手さも
持っています。

中原貴之や酒井では無理な状況でも
ウェリントンであれば相手DFを背負って
屈強なフィジカルでブロックして
リーチも長く懐も深いので
狭い所を速いパスで強引に足下に入れても
ボールを収めてくれます。

相手DFからすれば真後ろに入ると
ほぼノーチャンスの状況になるので
マークが付いていても
ウェリントンの足下にボールを入れて
信じてサポートすれば
DFをブロックしながら余裕もあり
周りもよく見えているので
ワンタッチのタイミングでランニングしても

長崎戦のワンタッチをつないで作った
鈴木惇のエリア内での
右足シュートの場面のように
チャンスの起点になれるので
ウェリントンに当てて
その周りを追い抜いて行くシンプルな
攻撃を増やしていくべきでしょう。

ウェリントンの場合ハイボールより
足下に入れてあげた方が
楽にキープできるはずなので

ボランチから
残っているウェリントンの足下に
普通の選手では収められないくらい
速いボールを入れて
シャドーがサイドのスペースを駆け上がる
攻撃をパターンとして
確立すれば

シャドーに入る
金森、城後、酒井、坂田、平井も
スピードがあるので
シンプルだからこそ
フィジカル能力の差は大きく出るので
面白いでしょう。

パスワークを入れて複雑化すると
パスの精度や動き出しの質など
他の部分も要求されるので
フィジカルの良さが薄れてしまいます。


京都の右SB内田は亀川と似た特長を持つ
左右両サイドできる素晴らしい選手で
運動量、スピード、サポートの速さ
タテと中を使い分けるドリブルなど
優れた部分がたくさんあります。

その代わり亀川と同じく
周りが見えてない事が多く
外から中へのパスの精度や
アシストの精度が悪く
突破してチャンスを作っても
決定機につながらない場面が
数多く見られます。

逆に途中から入った石櫃は
右足のキックの精度が非常に高く
突破しなくても低い位置から
アーリークロスや外から中へのパスで
チャンスを演出できる選手で

相手陣内深くまで突破できる
左WB亀川がいて
右WBが低い位置からチャンスを
演出できてビルドアップも得意な石櫃なら
アビスパは展開力のあるボランチがいて
前の選手に高さもあるので
面白い攻撃が出来そうです。


























7月18日


アビスパ福岡1-3大宮アルディージャ


27分播戸(大宮)、36分播戸(大宮)、

38分播戸(大宮)、42分金森、



レベルファイブスタジアム

観客数8179人


アビスパ福岡


,,,,,,,,中原貴之


金森,,,,鈴木惇,,末吉,,,,城後


阿部,,,,,,,,,,,,,,,北斗
,,,,堤,,,古賀,,,亀川,,


,,,,,,,,中村航






大宮アルディージャ

,,,,,,,,,播戸

,泉澤,,,,,,家長,,,,,,横谷

,,,カルリーニョス,,横山

,大屋,,,河本,,,福田,,,渡部

,,,,,,,,,加藤





大宮戦はDFラインを低い位置に設定して
自陣にブロックを作り
まずは前半を失点ゼロで抑えて
後半勝負と言うプランでしたが

前半の3失点によってプランが崩壊して
後半はリスクを負って前から奪いに行き
逆転を狙い攻勢を掛けましたが
大宮のブロックを崩せない事と
前半に守備で走らされた事による疲れで
途中から運動量が落ちて
得点に掛けられるパワーが無くなり
結局スコアを動かす事が出来ず
試合が終了しました。




大宮戦は前半と後半で
アビスパが戦い方を大きく変えたために
全く違う展開になります。

前半は自陣にブロックを作って
失点しない事を優先した戦い方を選びます。

それは大宮の高い攻撃力と
アビスパの主力CBである
濱田とグァンソン、
それにGK神山と3人同時に
ケガで欠場した事による守備力低下が
井原監督にそうした決断をさせたのだと
思います。

アビスパ本来の
前からプレスを掛けてパスコースを限定して
相手が強引に入れて来たパスを奪う守備は
3バックが相手FWの動きに釣られず
狙った所にパスが入って来た時だけ
思い切って前に出てカットに行く
難しい判断が要求されます。

井原監督がよく言う
奪いに行く時は行って
行かない時は行かない
と言うのはこの事です。

前からのプレスの部分だけではありません。


急造の3バックでは大宮、特に家長に
それが出来るか不安だったのでしょう。



アビスパはかなり極端にDFラインを下げて
ゴール前のスペースと中央を固めますが
大宮のDFだけでなくボランチまで
常にフリーでプレーできる状況を
作ってしまいます。


しかし30分くらいまでは
ある程度チャンスも作らせず
守れていました。

前回対戦のように中央を使われる事もなく
バイタルで家長がボールにさわる事もなく
家長はボランチの位置に
カルリーニョスはDFラインに
1列ずつ下がってボールを受ける事が多く
アビスパのゴール前のシーンは
殆どありません。

逆にアビスパが左サイドで金森のキープ力と
守備が得意でない右SB渡部と
高さとフィジカルは強いですが
足元の対応で不安のあるCB福田との
ミスマッチを利用して
何度かチャンスを演出していました。


基本的には
大宮は同サイドのパス交換で引き付けてから
ワンタッチのバックパスを入れて
これをスイッチにして
横パスで素早くサイドチェンジして
スペースのある逆サイドからクロスを入れる
と言う攻撃をひたすら繰り返します。

あまり直接チャンスには
つながっていませんでしたが
結果的にはこの攻撃が得点の場面でも
試合全体を通しても
1番効いていたと言えます。


また1トップに入っていた播戸が
味方がサイドチェンジしている時に
オフサイドに抜けて
クロスが上がりそうな瞬間に
オンサイドに戻って来る嫌な動きを
繰り返していて

戻る時にDFの間のギャップに入って来たり
ボランチがフリーでボールを持つと
斜めに裏に抜けたり
バックステップやサイドステップを巧みに
使いながら予測しづらい
DFにとって神経を使う動きを
ボールが出る出ないに関わらず
ずっと繰り返していて
それでアビスパのDFラインが
釣られてバラバラになって揃わない場面を
失点前から数多く作られていました。


アビスパは理想としては
前半は低い位置で奪ってから
左サイドで金森がキープして
ドリブルでカットインから
もしくはボランチ経由で
右サイドにサイドチェンジして
城後、北斗、亀川のスピードのある
3枚の攻撃力を活かして
もっと効果的なカウンターを仕掛ける事を
狙っていたと思います。

しかし大宮がJ2ではパススピードが速く
ワンタッチとサイドチェンジを
繰り返してバックパスを効果的に使いながら
テンポ良くボールを回すので捕まえ難く
ブロックの中に入って来たボールに対しても
奪いに行くとかわされる事を繰り返していて
少しずつ奪いに行く速さと強さが落ちていき
大宮のパススピードも早くなり
ブロックのスライドが間に合わなくなって
失点の場面につながっていきます。




27分播戸の先制点の場面は
大宮のパス回しと播戸の動き出しの質で
奪った得点だったと言えます。



播戸
↘,,,,,急にコース変えられ裏取られる
,,,,,,,,,,,,,亀川!?
,,,↘,
堤,,,↘古賀!?,,,,,,,→→播戸
,,,,,,↘,,,↗,↘,↗
,,,,,,,,↘↗,,,
,,,,,,,,,,,,,


遅いテンポでボールを回しながら
家長のバックパスで急にスイッチが入り
横山が強いボールで
右サイドにサイドチェンジして
右SB渡部が高い位置でボールを受けますが
対応するはずの左シャドーの金森が
テンポチェンジに付いて行けず
渡部に中の状況を見てクロスを上げる
自由を与えてしまいます。

最終的に渡部のクロスをファーで
播戸がヘディングで決めるのですが

播戸は家長のワンタッチのバックパスから
横山の右へのサイドチェンジの時に
堤と古賀の間を1度裏に抜けます。

渡部にボールが渡った時に
オフサイドからオンサイドに
今度は古賀と亀川の間に戻って来て
ニアでクロスに合わせる体の向きを作り
古賀と亀川の間でクロス受けると思わせ

実際に渡部がクロスを上げる瞬間に
今度は体の向きは変えずに
サイドステップでファーの亀川と北斗の間に
走り込んでヘディングで合わせて
ゴールを決めました。

堤は古賀にマークを受け渡し
古賀は自分のすぐ後ろに播戸がいると思い
亀川は播戸の前で先にボールをさわる事を
考えている状況で
急にサイドステップで素早く亀川の裏に
ポジションを取った播戸の動きは
相当レベルが高いストライカーの技術です。

亀川も気づいてサイドステップで
播戸に付いて行こうとしますが
初歩で遅れたのと
サイドステップの技術の違いでフリーで
ヘディングされてしまいました。


これは普段から練習で播戸が
渡部に対して要求しているからこそ
播戸のポジショニングを予想して
渡部はファーに合わせる事が出来たのだと
思います。

クロスを上げた時点でエリア内には
播戸1人で
右SH横谷も左SH泉澤も
いないので
このクロスは播戸にピンポイントで
上げたものだと分かります。


また中が1枚で
それに合わせられたと言う事は
ボールの出所に対して
プレスに行けていないと言う事で
攻撃では大宮の脅威だった金森ですが
守備では金森が渡部とミスマッチになり
攻守の入れ替わりでミスマッチも入れ替わる
と言う良い例です。


そして36分にも似たような形から
播戸が追加点を挙げます。

低い位置に下がった家長のバックパスで
アビスパの選手の意識が前に行った所で
DFラインまで下がったカルリーニョスから
左サイド裏にランニングした泉澤に合わせ
ロングボールでサイドチェンジをします。

フリーで受けた泉澤からGKとDF間に
低くて速いクロスが入り
ファーで播戸が合わせてゴールを決めます。

ここでも播戸が家長のバックパスで
カルリーニョスが前を向いて受ける時に
オフサイドからオンサイドの
古賀と亀川の間に戻って来て
カルリーニョスがサイドチェンジした時に
亀川の裏からニアで合わせる動き出しをして
泉澤がクロスを上げる瞬間に
急に亀川から離れて
ファーにコースを変えてます。

亀川からすれば自分のすぐ後ろにいれば
自分がボールにさわれずクロスが抜けても
自分と同じ場所にいる播戸もさわれないので
マークを外してニアのスペースを埋めに
行ったと思いますが
播戸が余裕を持ってボールに合わせられる
ファーにポジションを変えていたので
このゴールは生まれました。

亀川が播戸に付いてファーに行っていれば
播戸は自由にシュート出来ないので
ゴールは無かったかもしれませんが
播戸があの瞬間にコースを変えた事が重要で
泉澤がクロスを上げる瞬間は
亀川は泉澤から目を離すと
プレーに関われなくなってしまうので
あのタイミングでコースを変えられた事で
播戸がファーでフリーになるのは
決まっていたと言えるでしょう。

そしてまた中1枚でピンポイントで
合わせられたと言う事は
泉澤のクロスの精度も素晴らしいですが
泉澤が播戸の動き出しが把握出来るくらい
余裕を持ってボールを持っていたと
言う事です。

北斗がカルリーニョスから泉澤に
サイドチェンジが出た時に
泉澤のマークを外して
ボールをカットする判断をして
ボールに食いついてギリギリでさわれず
泉澤をフリーにしてしまった事が
この得点を生んだ要因の1つと言えます。


アビスパは自陣にブロックを作って
中央を使わせず無駄なファウルも与えず
なんとか守っていましたが

大宮は中央のスペースが使えなくても
ブロックの外から2得点した事は
大宮の攻撃力は本物だと言えるでしょう。

ブロックの外から点を取る事は
ミス絡みでないと基本的に難しいので
アビスパに大きなミスがあったと言うより
大宮のプレーの判断と精度が
素晴らしかったと言えます。


このあとアビスパが少し混乱して
早く1点返そうと守備がルーズになり
3点目は中央を見事に使われて
播戸にハットトリックを許します。

CB河本から左サイドから
中央に入って来た泉澤に
タテパスが入ります。

泉澤は本来は亀川が見るべきですが
この時亀川は自分の前に家長がいたので
家長へのタテパスを狙っていて
家長より中央に入っていた泉澤に結局
遅れて古賀が寄せますが
ワンタッチで家長に落とされて
泉澤が古賀が空けたスペースに
ランニングします。

家長から古賀の裏で受けた泉澤に対して
古賀の裏のカバーに堤が入ります。

しかし、今度は泉澤から
その堤が空けたスペースに走り込んだ播戸に
パスが出ます。

左WB阿部のカバーも遅れて
播戸がエリア内でほぼフリーで
ボールを受けました。

GK中村が飛び出して
コースを消しに行きますが
それも読んで1度コントロールした播戸が
GKに当てないように浮かしてゴールを
狙います。

結局GK中村がに当たってしまいますが
こぼれ球がゴールに転がり
3点目が入りました。




前半アビスパは守備の時間が長くなると
予想してボールを奪うと
体力を奪うカウンターとより
体力を温存出来るビルドアップで
攻撃します。


アビスパは最近ビルドアップに
取り組んでいて
これが結果重視のスタイルから
内容重視へと転換となり
結果が伴わなくなった1番の理由ですが
この試合も
中原貴之の高さを使ったシンプルな
攻撃が減っているので
パスをつないでいる間に
大宮の攻から守の早い切り替えからの
前からのプレスに苦しんでいました。


しかしアビスパの得点は
中原貴之の高さをシンプルに使った攻撃から
生まれます。

42分の金森の得点は
GK中村のキックから
中原貴之がヘディングで競って
こぼれ球にして
それを末吉が拾いカバーに来た
カルリーニョスをコントロールでかわして
左サイド金森にパスしたあと
金森の外側を回ってサポートします。

この末吉のランニングで右SB渡部が
対応に行かないといけないなり
金森に対して足元の対応に問題がある
CB福田が1人で金森と対峙する事になり

金森がフェイントで末吉に出す素振りから
右足アウトで左足から右足に持ち替える
フェイントを入れて
そこから右足でインサイドに掛けて
ボールを曲げてファーに巻いて
ファーのサイドネットにパスするような
素晴らしいシュートが決まります。

シュート自体も素晴らしいですが
そこに至るまでのボールの受け方から
プレー回数の多さで
DFが次のプレーが予測出来ない事で
DFの足を止めて
スペースと時間を作った事で生まれた
シュートに持っていく所まで含めて
素晴らしいゴールです。



後半アビスパはプランが崩れたので
ブロックを作る自分達の形を捨てて
前から激しいプレスを掛けて
ボールを高い位置から奪いに行き
大宮の前半のようなパスワークを封じて
アビスパのペースで試合が進みます。


クロスの精度と中の選手の動きが合わず
大宮のブロックの中を使えた訳でもないので
なかなか得点につながらず
そして前半に守備で体力を奪われた事で
前にフレッシュな選手を入れても
70分くらいから
後ろから追い越す動きが無くなり
得点の可能性は少なくなっていきました。

初出場のウェリントンの高さで
シンプルにパワープレー気味に
大宮を押し込みますが
サポートが少なく
坂田がウェリントンに食い付いた
大宮のDFの裏に抜けてもサポートが無く
結局スコアは動かず試合が終わります。




亀川DF起用は
低い位置にブロックを作って守る守備では
フィジカルの弱さや高さや
駆け引きや守備の技術など
悪い所ばかり出る形になっていましたが

後半のようにDFラインを上げて
前からプレスに行く守備では
広いスペースを少人数で守る時に
スピードと運動量など良い部分が出て
後半の無失点に大きく貢献していました。

亀川をDFに起用しているので
最近大宮に勝った唯一のチームである
東京ヴェルディのように
前半から前からプレスを掛けても
面白かったかもしれません。


後半の前からのプレスが効いた理由に
古賀の強気なラインコントロールが
あります。

前半守備で走らされて
体力的にきつかったと思いますが
リスクを負って
少ない人数で広いスペースを
守る事になっても
後半から投入されたムルジャに対しても
そこに対するロングボールを跳ね返して
前の選手が下がらずに済んで
前半体力を奪われたにしては
前からのプレスが続いた
大きな要因と言えます。











7月8日


レベルファイブスタジアム

観客数7082人



アビスパ福岡4-2ギラヴァンツ北九州


6分金森、19分城後、22分井上(北九州)

46分鈴木惇、52分鈴木惇、

59分小手川(北九州)、




アビスパ福岡


,,,,,,,,酒井


金森,,,鈴木惇,,末吉,,,,,城後


亀川,,,,,,,,,,,,,,,,北斗
,,,,堤,,,濱田,,グァンソン

,,,,,,,,神山




ギラヴァンツ北九州


,,,,,,小松,,渡


,井上,,,加藤,,風間,,,小手川



,川島,,,前田,,寺岡,,,,星原


,,,,,,,,鈴木




北九州戦はロングスロー、FK、CKなど
セットプレーで差が付いた試合でした。


アビスパは
フィジカル能力が高い選手を集めた代わりに
足元の技術が高い選手が少ない選手編成で

それに対して
北九州は足元の上手い選手を集めて
高さや強さなどフィジカル能力が高い選手が
少ない選手編成と

チームの特徴が
ハッキリしているチーム同士の戦いですが
そのぶんセットプレーでも得意不得意が
ハッキリ出てしまいます。


高さ強さがある選手と
良いキッカーを揃えたアビスパが
明らかにセットプレーで有利なので

セットプレーを取りたいアビスパと
与えたくない北九州の戦いだったとも
言えますが
北九州が前半と後半の立ち上がりに
自陣でセットプレーを与えてしまい
そこからアビスパが立て続けに得点して
勝負は決まりました。




試合の流れの中でも
北九州は技術が高い選手を集めて
華麗なパスワークを特徴とするチームですが

アビスパが北九州のパスワークの中心である
ボランチ風間宏希と加藤弘堅を
FW酒井とボランチ鈴木惇と末吉で
プレスで潰すと言うより
ボールを持たせないように抑えて
北九州の特徴を上手く消していました。

前半に2点取られたあと風間が前に出て
加藤のワンボランチみたいな形になった事も
北九州のパスワークを乱してしまう要因に
なりました。

高い位置に上がった風間を
サイドから使えれば良かったのですが
どちらかと言うと風間が
狭いタテパスを怖がらず通す役割を
しているので
加藤が前に出た方が上手くボールは動いたと
思います。



試合展開としても
アビスパが前半立ち上がりと同時に
前から激しいプレスを掛けて
パワーを掛けて試合に入り

アビスパは5-4-1で
自陣にブロックを作って守ると考えていた
北九州の読みを外して
北九州が混乱している20分までに
2得点して
それ以降をパワーを落として
自陣にブロックを敷きますが

後半の立ち上がりも
同じようにパワーを掛けて
後半開始から7分までに2得点して
試合を有利に進めました。



北九州は前半と後半の半分以上の時間帯で
ペースを握っていましたが
2バックのような状態でリスクを負って
攻めているのに
両SBを上手く使えなかったために
ボールが中央に集まってしまい
アビスパとしては前がコースを限定して
CBが自信を持ってカットに行ける状態に
なっていたので守りやすかったと言えます。


6分の堤の左ロングスローから
金森のヘディングシュートで
得点した場面は

その直前にグァンソンのカットから
FW酒井がつないで右サイド城後の
GKとDFラインの間を狙った
アーリークロスに金森がニアに飛び込んで
北九州CB寺岡がなんとか後ろ向きで
ヘディングでクリアして
アビスパが右CKを獲得した場面から
始まります。

そのCKは相手にクリアされ
左スローインになりますが
CKの時に金森をマークしていた
北九州右SB星原が左スローになったので
右SBの定位置に戻ります。

左スローの時の金森のマークは
北九州の他の選手の動きを見ても
左SB川島だったはずですが
川島は自分のマークが
金森か酒井かハッキリしておらず
堤がロングスローを入れた時には金森に
付いていましたが
北九州CB前田が1度クリアして
それを堤がダイレクトで
クロスを入れた時には
川島は金森のマークを外していました。

川島は何度か首を振って後ろの
自分のマークを確認していましたが
それで外したと言う事は
選手を見失っていた訳ではなく
金森と酒井のどちらか把握していなかったと
言う事です。

金森は堤からピンポイントで
クロスが来たので
動いて合わせる必要が無く
そのためヘディングで
ファーのコースに流し込む
精度の高いシュートが可能になりました。

立ち上がりの相手の混乱に上手く乗じて
先制点を奪った良いゴールだったと
言えます。




19分の城後のヘディングゴールの場面は
まさに両チームのセットプレーの差が出た
得点でした。

堤の左ロングスローをニアでグァンソンが
圧倒的な高さで逸らして
その裏に選手が入って来るシンプルな
攻撃ですが

北九州CB前田と寺岡が2人で行っても
分かっていても止められない
グァンソンの圧倒的な高さと

北九州がグァンソン、濱田、酒井と
マークを付けていき
城後あたりになると高さに強い訳ではない
風間宏希がマークに付かないといけない
状況を作っている時点で
アビスパにとってチャンスだったと
言う事です。

さらに城後が始めからポジションに入らず
少し離れたところにポジションを
取っていたので
助走を付けて入って来たために
高さで風間宏希とさらに差が開いて
風間宏希の後ろから飛んで
相手より先に頭でさわり
ゴールに叩き込みました。



22分の北九州の井上のゴールは
左ロングスローをエリア内でFW小松が
濱田を背中でブロックしながら収めて
なんとか濱田が小松の後ろから足を出して
ボールにさわりますが
井上がスローインと同時に左サイドから
エリア内に長い距離をランニングして
末吉のマークを外して
濱田がさわったこぼれ球を詰めて
ゴールします。


セットプレーが苦手な北九州も
190センチある小松が身体を上手く使って
相手をブロックすると
強さを発揮出来る事もあると証明した
場面です。

小松は足元の技術や裏への抜け出しが特長で
元々運動量やフィジカルコンタクトを
要求されるプレーは得意ではないのですが
最近は身体を張ったプレーも
見られるようになり
さらに良いFWに成長する可能性がある
選手と言えるでしょう。



46分鈴木惇のゴールに向かうFKが
そのままゴールになった場面は

その直前にロングボールの競り合いで
酒井に対してCB前田が
自陣で不用意にファウルを与えてしまった
事が全てと言っていい場面です。

前半にセットプレーで失点していて
それでも前半の内に1点返して
ハーフタイムの修正で
十分に後半にひっくり返せる可能性が
あった上に
北九州がクリーンなプレーを掲げているのも
チームのイメージだけでなく
苦手なセットプレーを相手に
与えないためでもあるはずなので
試合全体を考えても
もったいないプレーでした。


GKからすると鈴木惇のボールは
自分に向かって飛んで来るので
遠近感が掴みづらい上に
ボールスピードがあり
さらに変化して落ちて
前で選手が重なるので
対応するのは難しかったと思います。



52分鈴木惇がFKを直接決めた場面は
もちろん鈴木惇のFKは
なかなか見られないレベルの素晴らしい
FKですが

その前に
右SB星原が低い位置から無理に
バイタルの小手川にタテパスを入れて
読んでいた左WB亀川がカットして
そのままドリブルでタテに運び
相手を置き去りにして

残っていたCB寺岡がタテを切って遅らせる
ポジションを取ってくるのを逆手に取り
ドリブルのコースを変えて
中にカットインして
後ろから小手川に倒されてFKを貰う
亀川の素晴らしいプレーがあって
生まれたゴールです。