淘宮術に伝わる伝書の中に『秋の嵐』という書物があります。
これは淘宮術開祖横山丸三師が初入の門人に示さんとして著されたものと言われております。
この書は前半の淘宮の考え方や仕組みに関する解説部分と後半の5つの問答に分かれます。
淘宮術は生年月日(そこから逆算した受胎年月日の干支)から先天的な宿命を探ります。
これを三輪と言います。
これは四柱推命などの一般の生年月日系の命術と同じ考え方です。四柱推命で言えば三輪は命式に該当します。
この手の生まれた時間(広い意味の時間)をベースとする占いに対して必ず出る疑問が
「同じ日生まれはみな同じと判断するのか?」
というものです。
『秋の嵐』でもこの問題を取り上げており、その答えは三輪のほかに父母から受け継いだ気か天地間に巡る気があって三輪に混入するため同じ日に生まれても気質や境遇が異なるのだと説かれています。
この三輪以外の気を淘宮では「ハタケ」と呼んでいます。
淘宮は一般庶民でも実行可能なように極めて俗な表現を用います。
ハタケという言葉も、三輪が種のようなもので同じ種でもどの土壌に蒔かれるかで随分成長度合いが異なるというところから三輪以外の要素を畑と称しているのでしょう。
同じ果実の種をまいても日当たりや水はけのいい畑に蒔かれたものと日陰で水はけの悪い畑に蒔かれたものでは出来上がる果実は全く異なる形になるものです。
したがって種の種類は生年月日から三輪として把握しそれ以外の要因である畑は出来た果実から逆算することになります。
この果実の出来が人間で言えば相貌に当たるわけで、ここに淘宮における観相の必要性が出てくるわけです。これは中国占術でよく用いられる命相合参の考え方そのものです。
またその目的から考えれば淘宮の観相はいわゆる運勢判断を主眼とするものではなく三輪以外に自分が持つ気質を把握するためのものであるので一般人相書の内容に比べると極めて単純な内容になっています。
よって今回のような一回の講義でも十分習得できるわけです。(もちろん受講後の実地訓練は各自頑張ってもらわなくてはなりませんが)
GW最終日に人を見る目を養うのも一興かと。
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