ファンタジー大好きサラリーマンのゲームブログ
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アルカニウム鉱石って4つ取れるんですよ~

すんごいお久しぶりの更新です。
酒井です。

新しい会社に再就職して半年が過ぎました。
生来ゲームが好きな自分としては、ゲームに仕事でまったく携われない現状が寂しく感じたりもします。でも、就職活動をしていたときの苦労を思えば、働かせてもらえる現状は天国のはずなので、愚痴なんて言ったらバチがあたっちゃいますね。

やっぱり慣れない職場は精神的なユトリがなかなかなくて、ツイッターやFacebook(はもともとほとんどやってないか)へのログインもまったくできなくて残業して帰宅したら寝る毎日、週末は寝る。休日は居眠りする。とにかく寝るのが大好きな人になってました。

ふと、気づくとブログタイトルが現状と乖離していることに気づき、修正。
でもゲームが好きなことには今も変わりがありません:-)

そういえば、レーベル最新刊の『魔界の滅亡』を出してから、委託精算を待たずに退社した形になったので、担当編集だけど、売り上げ部数も見込みでしか知らないし、あまり読者の声も聞けてないんですよね。私の創土社最後の仕事として、鈴木先生と二人三脚、渾身の編集をしたので、買った人を満足させる出来であって欲しいものです。

今日は本当に久しぶりに平穏な気持ちで週末を過ごしているので、ちょっと当時を振り返ってドルアーガ三部作のディープ話を書いてみます。

発売して一年経っているとはいえ、まだ読まれていない読者の方もいらっしゃると思うので、なるべくネタバレしないように書きます。

新版には第2巻から「アルカニウム鉱石」というアイテムが追加されています。これ、3巻でも再度登場するのですが、実は消耗品でして、4個まで使う機会があるのです。

3巻で取れる個数は2個。では合計3個までしか取れないのか? というと、実は4つ取れるんです。2巻での入手はお店での購入なんですが、別に1つしか買ってはいけないという記述はありません。でも、法外な価格なので普通は1個買うのがやっとなんです。

でも、1巻、2巻通じて拾える金貨を全て拾い、無駄な買い物をまったくせず、一度も捕らえられて金貨を奪われるなどのミスをしなければ、ギリギリで2つ買えるだけの金貨を貯めることができるように調整されています。

旧2巻では逆に金貨はゆるゆるでした。
たとえば、飛行機による遠征で手に入る報酬の金貨は(運さえ良ければ)無限に手に入れることができました。吸血鬼の玄室を護衛するアイアンゴーレムからも何度でも金貨を手に入れることができました。しかし、その箇所での金貨無限稼ぎはできないようにリライトされています。

もともと金貨は旧版においてさほどこだわる必要はなかったんです。荒稼ぎしたところで、結局、3巻で重要アイテムを入手するために金は必要にならないからです。なので、無限増殖が封印されたこともせいぜい「リアリティを増すためのリライト」くらいにしか映らなかった。

でも、2巻までの金貨入手の機会を厳密にチェックして、修正したのは鈴木先生のゲームデザインだったんです。実際、3巻では無限増殖できるギミックを放置されています。こういうギリギリプレイを成功させたときだけのご褒美要素って、サガシリーズとかSっ気強い昔のやりこみRPGにはありましたけど、プレイヤーのカジュアル化が進むにつれて失われていったと思います。仕込みの手間のかかり方が需要とバランス取れてないんでしょうね。好きな人は好きだけど、あまり多くないっていう。

アルカニウム鉱石は2巻では使う機会がないので、そも複数必要なんて予想できるはずがありません。3巻を読んだあとでも、あの価格では普通は2巻で2つ入手するっていう思考になかなかならないはずです。3冊遊び倒して、鉱石3つ全部使用して、4つめがどうしても欲しい、なんとかどこかに落ちてないのか、あれ?もしかしてここでもう1つ入手できる?って境地に行き着いた人だけが気づく遊び心的な抜け道ですね。

この要素に気づいてくれた読者の方がいてくれたら嬉しいなあ。

魔界の滅亡裏話

ようやく発売にこぎつけることができましたゲームブックドルアーガの塔完結編『魔界の滅亡』。
いやはや、2巻から長かった。待っていてくれた読者の方にはお詫びと感謝の気持ちで一杯です。

最近ツイッターをするようになり、短文で書ける情報はちょこちょこと流しているのですが、長い話はやっぱり文字数制限のないブログがいいですね。

この魔界の滅亡に関して、発売が延期に延期を重ねたという時期的な失点の他にファンの方にお詫びしなければいけないことがまだあるのです。

もう忘れていらっしゃる方も多いかもしれませんが、昔、当社ゲームブックの付録につけていた小冊子「剣社通信」で、「諸王の冠」と「魔界の滅亡」は1200円の価格据え置きでいきますと申し上げたことがあるのです。しかし、実際には本体価格1500円、税込み1575円と値上げした価格になってしまいました。

この価格設定は発売が遅れたこととも絡んでくるのですが、400ページ超という厚さで当時発表した価格据え置きを実現するのは売り上げ予測的に無理がありました。元来ゲームブックは当社の売り上げ面での主力武器とは言い難いのですが、それを加味しても第2巻の『魔宮の勇者たち』の動きが良くなかったのです。

社長からは「数少ない買う人だけが買ってくれる本であり、そのファン層はもっと高くても買うのではないか?」と1700円の価格設定を指示されました。確かにゲームブックのジャンルでは1700円の本もあるにはあるのですが…。内心1200円で出したい私でしたが、さすがにその値段は取り合ってもらえず、結果1500円という魔獣王国らと同じ価格設定になったのです。

しかし、それでも420ページという現実としてのしかかってくるコスト増と相殺するまでいきませんでした。なんとか少しでもコスト削減ということで、今回はアドベンチャーシートを別紙付録とすることを諦めなければなりませんでした。シートに関しては今後、創土社サイトで全ゲームブックのシートをPDFで公開し、誰でもダウンロードできるサービスを実施しようと考えています。

この厚さの要因となった加筆修正ですが、おそらく、従来の内容のまま出せばこれほどの厚さにはならず、シートも従来通り付録にできただろうと思います。この両天秤はかなり悩みました。

しかし、加筆修正とは純粋な鈴木先生のファンサービスで、これこそファンに届けなくてはいけないものだと判断しました。何よりその修正内容は私もまったく予測もしていなかったような変更が含まれていて、旧読者にも新鮮な気持ちで楽しんでもらいたいという願いが込められていました。

出来上がった本は殴れば人に大怪我させそうな厚さになってしまって、ゲームブックとしてはちょっと腕が疲れそうな重さですが、どうか楽しんでいただければと思います。

加筆修正点をちょっとだけここでバラしちゃいますと…

第3巻でMUALAを覚えることはできません
これは難易度アップではなく、第3巻から開始する読者のための安全サービスなのです。もう少し詳しく言ってしまうと、別の変更のせいで大幅に難易度がアップしたため、第3巻からの読者がMUALAを修得してもそれは罠にしかならないという…うぐぐ。

ハイパーシリーズをいきなり取れません
第2巻で加筆された伏線要素の関連でもあるのですが…。

第2巻で謎のまま終わったイベントがちゃんと納得するものになります
これは私は最初すぐにはなんのことか分かりませんでした。すぐ分かる読者の方は相当なパオトフリークだと思います。箇所だけ言いますと、新規イラストを追加したところのイベントです。旧第2巻では謎のまま終わっていたものなのですが、こうするつもりだったのかと。

近況まとめ

・魔界の滅亡
今度こそ延期しないぞという意気込みの発売日を11月○○日と決定(20~30の間で決めるんですが、ちょっと関係者と相談してから固定します)。
だいたい加筆修正部分のまとめは終わったのですが、項目置換がこれから。あとルビもまだ全然ついてません。バグチェッカーさんにはルビなしのものを先行してみてもらいます。

・魔法使いディノン
イラスト担当の佐藤道明先生からイラスト修正が思いのほか時間がかかっているとの連絡をいただきました。このイラストがあがるのが12月だそうなので、スケジュールも組みなおしですね。テキストは基本的に昔のものから変えないので完成していますが、発売日はまだ未定です。

・隣り合わせの灰と青春
ゲームブックじゃないんですが、ゲームのノベライズということで一緒に紹介。
この本、ベニー松山ファンなら絶対に「買い」の本に仕上げます。書き下ろしのブリッジノベルがまだ完成していないのですが、読ませてもらったプロットは文句なく面白い。隣り合わせ~から風龍までの空白の時を埋める、まさしくブリッジノベル。読むことでピースがハマるように風龍ではられていた伏線にも唸ること間違いなしです。
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