ELEMENTS OF STYLE
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夏に向けて

 

夏はまだまだ先だと思っている方が大半だと思いますが、自分は毎年6月の二週目からイタリア出張に行くので、その頃イタリアはもう30度超えの気温で真夏と変わりません。

 

 

なので、あと2ヶ月で夏が来るという感覚なのです。


そのようなこともあり、一般の方に比べると少し早いですが、すでに夏に向けてアイテムも色々購入し始めています。

 

 

前回のニットに続き最近購入したものをご紹介します。

 

 

 

 

BLU BREのボーダースキッパー

 

 

 

 
ブログやMR_BEAMS CHANNELで、今シーズンのリコメンドアイテムとして紹介しているボーダーのスキッパーポロです。

2色買いしました。
 
 

 

 

 

MR_BEAMS CHANNELでもお話していますが、大人が着られるようにボーダーの幅にこだわって別注しました。

 

 
幅が広いと子供っぽくなり、細すぎるとシニアっぽく見えるので、幅の太さはかなり慎重に決めました。
 
さらに、ボーダーの色のトーンも大事なので、ネイビーとブラウンの色出しにもこだわりました。
 
 
 
 
 
 
モデルは数年前から人気の、無地のスキッパーポロをベースにしました。

 

 

 

 
自分も無地のものを数枚持っていますが、襟の大きさとVの空き具合がちょうど良く、スリムでもワイドでもない絶妙なボディーバランス、型崩れがなく真夏も快適なドライタッチの生地と、本当によくできたスキッパーポロです。
 
 
 
 
 
MR_BEAMSのスタイリングのように、コットンやリネンのジャケットやスーツに合わせるのもおススメです。
 
 
 
無籐はパイルのブレザーと合わせて
 
 
 
小林俊はネイビージャケットと合わせてアズーロ エ マローネで
 
 
このように、ジャケットやカジュアルなスーツのインナーとして合わせれば、早い時期から着れますね。
 
 
自分も手持ちのパイルのジャケットやデニムやコットンのスーツに合わせようと思っています。
 
 
真夏はドローコードのパンツを穿くことが多いので、こういう一枚でさらっと着てサマになるアイテムは本当に重宝します。
 

スキッパーもボーダーのポロも着たことがないという方にも、是非お試しいただきたい自信作です。
 
 
 
 
 
 
 
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最近入荷してきたイタリア製のカットソーですが、実は昨年個人的に購入して夏場よく着ていました。
 
 
このカットソー自体は2年前から展示会で見ていたのですが、紹介されたときは、ドロップショルダーのワイドボディーで着丈が長いという、今どきのオーバーサイズスペックで、大人のお客様におススメするのは難しいという判断でバイイングに至りませんでした。
 
 
昨年の展示会で小さめのサイズのサンプルがあったので、ウィメンズを始めたのかなと思っていたら、「オーバーサイズ過ぎるので小さなサイズが必要という声が多く、小さいサイズも作りました」と・・・


思わず「やっぱりね」と思いながら、小さいサイズを試着したらいいサイズ感。


もともと上質な素材感は気に入っていたので、バイイングすることになりました。
 


 
 
襟ぐりが伸びずにぴったりしているのがいいです。
 
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襟ぐりが伸びているカットソーやニットは、大人が着ると間延びした感じがして、なんとなく貧相で安っぽく見えてしまいます。
 
 
 
 
 
袖先にリブのついたちょうちん袖ですが、リブが適度に緩いのも子供っぽくなくて気に入っています。
 
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袖の長さも絶妙です。
 
 
 
 
いわゆるスエット型と言われる裾にリブの入った仕様ですが、袖と同様に適度に緩いリブなので、締め付け感は全くありません。
 
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サイズダウンしたことによって、細くもなく緩くもない大人が着てもちょうどいいバランスになりました。

 

 

バイイングの際に試着してかなり気に入ったので、代理店さんのストックを譲ってもらい、昨年の夏かなり着ていました。


適度に厚みがありながら、なめらかで柔らかい生地感が絶妙で、スエット型でありながら裏毛のスエットと違い、真夏でも快適に着られるのもおススメのポイントです。


真夏になる頃にはサイズ欠けする可能性が高いので、ご興味のある方は是非お近くの店舗でご試着いただければと思います。


 

 

 

 

 

自分の中では必須アイテムのネイビーのウェスタンシャツ。

春夏用に久しぶりに新調しました。

 

 

 

 

 

 

品名はメッシュとなっていますが、イタリア語でGIRO INGLESE(ジーロ イングレーゼ)、日本語でカラミと言われている生地を使っています。

 

 
ジーロ イングレーゼは、独特の織り方でハニカム状のメッシュになったイタリアでは夏の定番生地です。

 
通気性が良く、肌に触れる面積も少ないので真夏でも快適に着れますが、生地の織りが複雑なため、値段が高いのが難点・・・


普通はドレスシャツやワンピースカラーなどによく使われますが、これをウエスタンシャツに落とし込むのはBEAMSだけかもしれません。


なぜジーロ イングレーゼの生地のウェスタンシャツをオーダーしたかと言うと、実は10数年前にもGUYROVERでネイビーのジーロ イングレーゼのウェスタンシャツを展開していました。
 
 
当時も購入しましたが、イタリアテイストが全盛のころでしたので、ウェスタンシャツですが襟がカッタウェイだったのです・・・


それでも生地とウエスタンシャツのマッチングが気に入って、5年ほど前まで着ていましたが、さすがに襟型が古く感じて最近は着なくなり、オーソドックスなウェスタンシャツの襟型でオーダーし直したと言うのが経緯です。
 

と言うことで、一番気に入っている自分が着て皆さんにおススメしないと意味がないで、早速購入しました。


自分はウェスタンシャツをカジュアル以外にもジャケットやカジュアルなスーツにも合わせるので、結構出番が多いです。


ネイビーのシャツも好きなので、ある意味ネイビーのジーロ イングレーゼをウェスタンシャツに乗せるのは、春夏としてはベストなマッチングと思っています。


是非皆さんにも着ていただきたいシャツです。
 

 

 

 

 

 

 

手持ちの水着が古くなってきたので新調しました。

 

 

 

 

 

 
DRUMOHRのビスコッティ柄のスイムショーツです。
 
 
昨年のイタリア出張の時にミラノのDRUMOHRのショールームで見て、欲しくてオーダーしたものがやっとデリバリーされました。
 

BEAMSでも展開したかったのですが、ヨーロッパのブランドの水着は丈が短めなので、一般的にはなかなか難しいのが実情です。
 
 
日本も最近少し変わってきたものの、まだまだ丈の長い水着を穿いている人の方が多い実情もあり・・・


ちなみに、昨年の6月にカプリ島に行った時に撮ったスナップをお見せします。
 
 
 
 
 
 
このように、丈の短い水着をそのままショーツがわりに穿いています。
 
こういう文化もヨーロッパのリゾートならではで、日本のリゾートではまず見られないですね。
 
 
 
 
 
ショップのディスプレイもご覧の通り。
 
 

大人も子供も丈の短い水着が当たり前です。

 

 

ちなみに、このDRUMOHRの水着は、数年前にイタリアの有名な水着ブランドのMOSAIQUEを傘下に収めてから本格的に展開を始めました。
 

 

そして、そのMOSAIQUEの水着を2000年代前半頃に自分がバイイングしていたので、20年経った今なんとなく縁を感じるんです。

 

 

と言うことで、LUIGI BORELLIとERICO FORMICOLAの水着にDRUMOHRの水着が加わり、4枚体制になりました。

 


実は、もう一枚欲しいなと思っています。


昨年はLUIGI BORELLIの水着を展開していたのですが、今シーズンは新しいものをオーダーしていないので、どうしようかなと思っています。


長いバカンスがあるわけでもなく、シーズンに数回都内のホテルのプールに行くのと、夏休みに新潟の海に行くだけなのですが、なんか欲しくなるんですよね(笑)。

 


ヨーロッパのお店のように、長いバカンスがあり、夏になると水着が毎年バカ売れする。


日本もそうなるといいですね。

 

 

 

 

 

 

 

前回に続き、私の買い物のお話でした。

 


今回もカジュアルアイテムばかりでしたが、先日オーダーしていたジャケットが2着仕上がってきたので、お直しが上がりましたらご紹介します。


今シーズンは買い逃しているものも多いので、かわりに何を買おうか練り直しています。


自分がおススメのアイテムは、もう少し多くオーダーしてもらわないとですね・・・


自分が買えないのは仕方ないとして、予約で完売してしまうものが多数出ることは、お客様に申しわけないと思っています。


色々なジレンマを抱えながら、日々お客様に喜んでいただけるものを考えています。
 

 

秋冬も色々おススメのアイテムがあるのですが、少量オーダーのものもあり・・・


今からちょっと心配です(苦笑)。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春ニット


今年は2月がとても暖かく、春が早く来るかと思いきや、3月に入り寒の戻りがあり、ニットも薄手のメリノウールのクルーネックやカーディガンが手放せませんでした。

 

 

4月に入り気温も安定してきたので、新しい春ニットを購入しました。

 

 

 

 

 

プレスルームのBEAMS PLUSのコーナーで見つけたストライプのカーディガン。

 

 

 

 

REMI RELIEFのインディゴのストライプカーディガン

 

 

 

 

 

インディゴ色のマルチストライプがかなり刺さり、入荷した日にBEAMS PLUS原宿店で購入しました。

 

 

インディゴブルーのグラデーションのマルチストライプは今まで見たことがありません。

 

ブルー好きにはたまりません。

 

 

 

 

 

フロントボタンは低い位置についた一つボタン。

 


フロントを開けて着るのがメインで、とめたい時にとめるという感じでしょうか。

 

自分もボタンをしないで羽織る感じで着るイメージです。

 

 

 

 

 

品名は鹿の子となっていますが、かなりザックリとした編みの鹿の子です。

 

 

つくりはニットと言うより、ニットとジャージを組み合わせたニットソーと言っほうがいいですね。

カジュアルな作りですが、ニットほどデリケートに扱わなくてもいいので、自分のようにラフに着たい人には、むしろこのくらいのつくりの方がいいです。

 

 

 

コーディネートは、シンプルに白いTシャツやグレーのTシャツを合わせて着ようかなと思っています。

 

パンツはデニムのスラックスやデニムのドローコードのパンツで、インディゴづくしなコーディネートもいいかなと思っています。

 

 

 

寒い日は、以前購入したREMIREL IEFのリネン・コットンのミリタリージャケットを羽織ってもいいかなと思っています。

その場合は、ホワイトパンツを合わせようかなと思います。

理由は、アメカジっぽいアイテムを着ても臭い感じにはしたくないので・・・

 

 

 

 

手持ちのアイテムと合わせられて、コーディネートのバリエーションも増えるのでよい買い物でした。

 

実はストライプのカーディガンがずっと欲しかったのです。

 

ストライプのカーディガンは、フレンチアイビー的なアイテムでもありますから。

その辺の話は長くなるので別の機会に。

 

 

 

 

 

 

 

インスタライブで少し紹介した VANDORIのケーブルのVネック。

 

 

 

 

展示会で見たときは、結構厚手なので着る時期が短いかなという理由でバイイングに至らなかったのですが、改めてVANDORIさんのショップで試着してみると、モチっとした独特の素材感とケーブルの雰囲気、浅めのVネック、ボディーのバランスがとても良く感じて購入しました。

 

 

 

 

 

 

デザインはクリケットセーターですが、あえてラインを入れないことで大人っぽい雰囲気に仕上がっています。

 

 

素材はコットン84%にポリエステル14%。

 

 

表面の柔らかいタッチと独特なモチっとした風合いが特徴で、3月の寒い日でもかなり重宝しました。

 

 

暖かくなってくると確かに着る機会が減るかなと思いますが、この素材感なら秋口から寒くなる12月初めまでは着られるので、持っていれば意外と長く着られると思います。



実はこのニット、b印マーケットの自分のページで展開しようかと検討していたのですが、迷っているうちに在庫が少なくなり、少なくなっていたストックも自分がインスタライブで少し紹介したら翌日には完売してしまいました。

 

 

なので、今シーズンはもう手に入りませんが、秋の初めに新色も加えてb印マーケットで展開しようかなと思っています。



その際は、是非ご購入お願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、自分のリコメンドアイテムとして紹介して、予約で埋まってしまい自分が買えないと言うパターンになってしまったMORGANOのクリケットセーター

 

 

 

 

 

予約のキャンセルが出る可能性もあるので、キャンセル待ちを入れましたが、今日データをチェックしたら完売していました・・・

 

 

追加オーダーも検討しましたが、6月くらいの入荷になるので難しいという結論に至りました。

 

 

このニットはリネンが73%なので、半袖の上に着れば梅雨時期の肌寒い時期にも着られますが、7月に入ると気温と湿度が急に高くなるので、6月入荷はちょっと厳しいかなという判断でした。

 

 

自分も本当に欲しかったニットです。

MR_BEAMSで、こんな夏っぽいコーディネートをお見せしておいてすみません・・・

春夏のニットとしては結構多い着数でオーダーしたのですが、足りませんでした。
 
秋冬の糸に置き換えて展開しようかなと思っています。

実現したらお知らせします。
 
 
 
 
 
 
 
と言うことで、新たにワードローブに加わった二つのニット。
 
 
どちらも今着られて秋口にも着られるので、良い買い物ができたと思っています。


コットンのニットは、着る時期が短いということで敬遠される方も多いと店舗スタッフから聞きますが、秋口も着られるので実は結構長く着られるものなのです。


自分自身も秋口はコットンの二ットから始まり、ハイゲージのメリノウールとコットンのニットを併用する時期(11月頃)があって、12月を過ぎると起毛感のあるニットになり、クリスマスくらいからタートルネックを着るという流れです。
 
 
以前はコットンやリネンのニットはサマーニットと言われ、季節が限定されるようなこともありましたが、昨今は地球温暖化もあり、ジャケットやスーツの生地もウインターリネンやウインターモヘアなど、季節感のないものも今や常識となりつつあるように、ニットに関してもシーズンを限定しすぎず、気温に対して素材を選ぶような流れになってきているのかなと思います。
 
 
春夏のニットを着る時期が短いからと敬遠されてきた人も、なにを着ていいかわからないシーズンの変わり目に着るアイテムとしては、実はとても重宝するアイテムです。
 
 
 
 
 
 
いつものようにスローペースな私ですが、ジャケットやスーツも何着かオーダーして、カジュアルアイテムも色々購入しようと思っています(すでに完売のアイテムもありますが・・・)


購入したらまたご報告します。
 
 

 

 

 

 

 

 

STILE LATINO BESPOKE

 

STILE LATINO史上初の仮縫い付きのスミズーラが仕上がってきました。


 

二度の仮縫いを行い、採寸から13ヶ月かけて完成しました。

 

 

 

 


この話が持ち上がったのが、コロナ禍後初めて行った2023年1月のイタリア出張で、フィレンツェにある私が大好きな Trattoria da ruggero(トラットリア ダ ルジェーロ)でVINCENZO ATTOLINIと会食をした時でした。

 

 

30年以上バイイングをしてきて、これまで数多くのテーラーや様々なレベルの既製服を見てきた経験から、ここ数年色々と思うことがあり、その疑問を彼にぶつけたことから始まりました。

 

 

その疑問とは、最近日本やアジアでは仮縫い付きのサルトリアで仕立てる服が最も優れていて、ファクトリーで作られた服はなんでもマシンメイドの一言でかたずけられてしまい、下に見られることが多いこと。


確かにサルトリアの服は地縫い以外は手縫いで縫われているので、その手間と手縫いで縫われた味わいはファクトリーメイドの服にはない趣があります。


とはいえ、手で縫われているからと言って、サルトリアの服がすべてにおいてファクトリーメイドの服より優れているかと言えば、私個人の考えはNOです。


理由は、サルトリアで仕立てた服であってもカッティングが悪く、とても野暮ったく旧世界的に見えてスタイリッシュな感じが全くしない服を今までたくさん見てきたからです。


自分自身もこれまでサルトリアでジャケットやスーツを何着も仕立て、いろいろなレベルのファクトリーメイドの服もたくさん着てきましたが、結局一番気に入って着ているのはスティレ ラティーノの服なのです。

 

 

理由は、古さや野暮ったさを全く感じさせないスタイリッシュに見えるカッティングと抜群の着心地の良さです。

 

 

そんな自分が抱いている疑問を彼に伝え、「こんなに素晴らしいジャケットやスーツを作っているのに、日本やアジアではSTILE LATINOはファクトリーで作られているという理由でサルトリアより下に見られている、自分はVINCENZOがサルトリアと同じ仕立てができる技術と技量を持っていることを知っているので、いつかそれを世の中に知らしめたほうがいい」、と話したところ、 ”中村 俺にとっては全然難しいことではない、やろうじゃないか”という話になったのが、このプロジェクトの始まりでした。

 

 

 

 

 

まさかすぐにやろうという話になるとは思わなかったのですが、数日後ミラノのショールームで採寸を行いました。

 

 

一般的にサルトリアの採寸はアバウトです。

 

仮縫いがあるのが前提で、仮縫いで補正すればいいという考えなので、それほど緻密な採寸は行われないことが多いです。

メジャーが曲がっていて、こんなはかり方で大丈夫なの?と思うこともこれまで何度もありました(苦笑)。

一方VINCENZOの採寸は、仮縫いなしで体形補正まで入れたMTM(パターンオーダー)をずっとやってきたので、採寸が非常に緻密です。

この採寸であれば、一回目の仮縫いがかなり高い精度で上がってくることは、服作りを知っていれば容易にわかることです。


 

 

 

 

 

その後ナポリのファクトリーで仮縫いの製作が始まります。

 

 

 

 

 

 

VINCENZOの指導の下、職人さんが手縫いで仮縫いを仕上げていきます。

 

VINCENZOの気合の入り方がすごいです(笑)。

 

 

 

 

 

上がってきた一回目の仮縫いは、予想していたとおりかなり精度が高く、あまり修正するところはないかなという感じでしたが、VINCENZOが見れば完ぺきではなく、細部をかなり細かくチェックしてメモしていきます。

 

 

 

 

 

 

パンツはラインはとても綺麗に上がっていましたが、ひざ幅と裾幅が細く感じたので、そこだけは自分から修正をお願いしました。

 

 

 

 

 

仮縫いをしながら息子たちに仕立てのレクチャーをするVINCENZO。

 

 

こうやってファクトリーの中だけでなく、現場で自分の技術を息子たちに伝えるのは、モデリストとして様々なファクトリーで技術指導をしていた父親のCESAREについて、10代の中頃からモデリストとしての技術を学んだことと同じなのかもしれません。

 

 

 

 

 

PITTIの期間中、自分の仮縫いのスーツがディスプレイされ、ブースを訪れる世界中のバイヤーやジャーナリストにVINCENZOが熱心に紹介していました。

 

 

自分が色々言ったことで、VINCENZOの職人魂に火がついて、ちょっと大変なことになってしまったかなと・・・

 

 

 

 


その後10月に彼らが来日した時に2回目の仮縫いを行い、今年の1月の出張の際にミラノのショールームで最終の微修正を行い、先日私の手元に届きました。


生地は繊細で縫うのが難しい、SUPER 160‘Sの千鳥格子の生地をあえて選びました。

 

 

柔らかくて繊細な生地は誤魔化しがきかないので、手縫いで綺麗に縫えるかどうかの一つの判断材料にもなります。

 

 

 

 

 

 

イセの分量をたくさん入れているので、袖の前側のふくらみがたっぷり出ています。

 

 

 

 

通常の既成のラインでも、この部分は他のブランドと比べてボリュームがあり優れている部分ですが、ハンドならではのボリュームが出ています。

 

 

 

 

 

 

襟と芯地を縫い付けるハザシも手縫いですが、一般的なサルトリアの仕立服に比べても繊細な縫いになっています。

 

 

 

 

 

 

ボタンホールももちろん手縫い。

 

 

 

 

 

 

 

 

ステッチも手縫いなのは襟裏のカラークロスを見るとよくわかります。

 

 

片倒しのステッチももちろん手縫いです。

 

 

 

 

 

 

O脚でふくらはぎが張っているので、パンツはクセ取りをしたS字のラインになっています。

 

 

 

 

指定はしていませんが、ダブルのモーニングカットで上がってきました。

 

 

 

 

 

早速試着してみました。

 

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襟ののぼりから肩先にかけてのライン、胸のボリュームからウェストシェイプにつながるライン、包み込むような毛回し、高いアームホールとイセ込みをたっぷり入れた袖付け、背中からウェスト、裾につながる綺麗なライン、ストレスが全くない着用感。
 
 
既製服でも着やすくラインの綺麗なSTILE LATINOですが、仮縫いをつけて手縫いで仕上げたこともあり、さらに高い完成度で仕上がっています。
 
 
パンツは、既成やパターンオーダーだとひざ下にくぼみのようなしわが出るのですが、クセ取りを行っているのでO脚の私が穿いてもきれいなシルエットが出ます。

 

 
画像を見るとわかりますが、右脚が1㎝短いので直しに出しました。

ナポリに送るのではなく、日本のお直し屋さんで・・・

簡単な直しであれば、日本で直して変わらないので、ナポリに送り返すようなことはしません。

こだわりはありますが、頭は柔軟です。
 
 

 



話が持ち上がってから13ヶ月。

STILE LATINOの初の仮縫い付きのスミズーラは、彼らの情熱とともに届きました。

 

 

30年以上に及ぶバイイング経験の中で、本当に多くのテーラーや既製服のブランドやファクトリーを見てきましたが、自分のSARTORIA HEROはやっぱりVINCENZO ATTOLINIであることを今回再認識しました。

 

 

 

 

 

 

今回のプロジェクトが始まってから、たまたま見つけたパリのメゾンのレジェンド、FRANCESCO SMALTの言葉。

レジェンドのお言葉を借りて僭越ながら、私が伝えたかったのもまさにこういう事だったのです。


”一着のスーツとして美しいのかどうか、それがすべてなのだ” 

本質を突いた、本当にいい言葉です。


VINCENZOもこれを見たら同じ思いであるに違いないと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入荷早々ほぼ完売となってしまった、私のリコメンドのBRILLAオリジナル マルチストライプ プルオーバーシャツ。

https://www.beams.co.jp/item/brilla_per_il_gusto/shirt/24110530306/?color=90

 

生地が手配でき、4月末~5月初め頃に再入荷します。

ご購入できなかった方は、是非ご予約いただければと思います。

私も購入できなかったので予約します。

 

 

パンツの丈の長さ

 

最近 ”パンツの丈の長さは長めがトレンドなので、長くしようと思いますがどうでしょうか” という質問をされることがよくあります。

 

 

答えは正しくもあり、間違ってもいます・・・


どういう事かというと、それはパンツのシルエットや裾幅によって変わるものなので、なんでも長くすればいいということではないのです。

 

 

私がイタリア出張で撮ってきた画像で具体的に検証してみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

短く感じてきて長くしようと思っている方は、おそらくこのくらいの長さにしているのかなと思います。

 

 

 

 

 

 

 



いわゆるくるぶし丈と言われる長さで、確かに今となっては短いかなと思います。


ですが、スリムなパンツをくるぶし丈で穿いているいる人は現地ではまだまだ多いのが実情です。

 

 

 

 

 

 

では、丈を長めに穿いている人はどんなパンツを穿いているかというと、全体的にゆったりしたシルエットで裾幅も広めのパンツを穿いている人がほとんどです。

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

ご覧のとおり、いわゆるハーフクッションやワンクッションという長さです。

 

 

 

 

 

 

ちなみに、太いパンツを短めに穿いている人もわりと見かけます。

 

 

 

 

 

 

 

 

これに関してはセオリーがどうこうは関係なく、ファッション業界人である彼らのパーソナルな個性であって、良し悪しを語るものではありません。


ダブルの幅を見ると、裾幅が広いパンツを短く穿く人はダブルの幅が細めです。

 

 

幅はおそらく3.5㎝くらい。

 

 

この太さのパンツをこの丈で穿く場合、ダブルの幅が広いと股下が短く見えるので、スタイルが悪く見えてしまいます。

 

 

余談ですが、80年代や90年代前半頃、プリーツの入った太いパンツが流行った頃はダブルの幅は3.5㎝が主流でした。

 

 

フレンチアイビーも3.5㎝でした。

 

 

 

 

 

 

裾幅が細いパンツを長い丈で穿くのはもちろんNGです。

 

 

さすがにスリムなパンツをこんな長さで穿きたいという人はいないと思いますが、裾幅の細いパンツを長い丈にすると裾にたまりができて、当然パンツのシルエットが台無しになりスタイルも悪く見えます。
 

 

 

 

 

 

テーパードがかかって裾幅が細めのパンツの丈感で、個人的に良いと思う画像をピックアップしました。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



おそらく裾幅は18㎝~19㎝くらいだと思いますが、裾の前部分がスリッポンのタンの部分に軽く触れ、後ろ部分が履き口に触れるか触れないかくらいが、今の流れから考えた丁度いい丈ではないかと思います。


このくらいの長さにすると、素足の場合は肌が少しだけ見えるくらいになり、ソックスを履いている場合はソックスが少しだけ見えるようになります。


最初にお見せした短い丈のパンツに比べると、自然な感じに見えて印象も良いと思います。




 

 

 

BEAMSのスタッフから、ハーフクッションやワンクッションをすすめられたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 


こんな感じがいわゆるハーフクッションです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンツの裾が靴の甲に軽く触れ、ほんの少し裾の前部分が折れるのをハーフクッションと言います。


このくらいの長さになると裾幅が細いパンツには向きません。


上のスタッフの画像のように、裾幅が最低でも19.5㎝以上ないとパンツのシルエットがきれいにでません。


つまり、裾幅が細いパンツには向かない丈の長さです。

 

 

 

 

 

実際の画像をお見せして色々お話ししましたが、まとめると。

 

 

丈の長さはパンツのシルエットや裾幅によって変わります。


特に裾幅は重要なポイントです。


裾幅が18㎝(もしくはそれ以下)~19㎝くらいはノークッションで合わせた方がよく、くるぶし丈で短く穿いていた人が長くしたい場合は、これより長くしないほうが良いと思います。

 

 

ハーフクッションやワンクッションは、裾幅が19.5㎝以上が一つの目安ワンクッションで穿く場合は20㎝以上の裾幅がないと難しいと思います。

 

 

単純に数値ではかれない部分もありますが、自分の経験上大まかな目安はこのくらいでないかと思います。

 

 

さらに、本来は裾幅と靴の相性というのもありますが、それをリンクさせると、とても難しい話になるので別の機会に。





最近ファッション業界人を中心に太めのパンツを穿く人が増えて、そのようなパンツを穿く人たちが長めの丈で穿いているのを店頭やSNSで見て、丈は長めが流行っているように感じて、裾幅が細いパンツを穿く人も丈を長くしないといけないと思い込む人が増えているのかなと感じます。

 

 

もしくは、なんでも長めをすすめるショップスタッフがいるとすれば、それは問題ありです。


冒頭にも述べたように、ひところ流行った足首がはっきり見えるような丈感は確かに古くなったと言わざるをえません。

 

 

そのような丈のパンツを長くする場合は、上の画像でお見せしたような、ノークッションでくるぶしが隠れるくらいの長さが良いと思います。

 

 

もしご自身でショップスタッフにうまくイメージを伝えられない場合は、自分が良いと思う丈の長さの画像を見せて、それと同じような長さに合わせるように伝えるよ良いと思います。



 

 

なんとなくファッション業界人を中心に太めのパンツが流行っているように感じている方も多いと思いますが、実際にヨーロッパに行くと、ファッション業界人も細いパンツを穿いた人の方がまだまだ圧倒時に多いというのが実情です。


BEAMSでも毎週上がってくるセールスレポートを見ても、今でもトップ30位くらいまではノープリーツとワンプリーツの細身のパンツです。


なので、スリムなパンツが好きな人は、無理に太いパンツを穿くことはないので、自信をもって細いパンツを穿いてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつもタイトでパツパツ(笑)。


何が流行ろうが自分のスタイルを貫く人。

 

 

彼のような人が、ある意味いまのファッション業界では貴重な存在なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お待たせしました。

MR_BEAMS 2024春夏 リコメンドアイテム カジュアルアイテム編アップしました。

 

 

すでに完売のアイテムもありますが、是非ご視聴ください。





 

 

 

 




 

 






 

フレンチなアイテム ”フィッシュマウス ラペルのジャケット・スーツ”

 

先月からスタートした、80年代から90年代のフレンチアイビーやフレンチトラディショナルを代表するアイテムを紹介する連載 ”フレンチなアイテム”  今回はフィッシュマウス ラペルのジャケットとスーツについてです。

 

 

 

 

フィッシュマウスラペルって聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか。

 

ラペルの下襟が少し上衿側に上がった襟で、ゴージの刻みが魚の口のように見えるのでフィッシュマウスと言われています。
 

 

自分が初めてこの襟を見たのは、1989年に初めて出張でパリに行った時に、ある店のウィンドウディスプレイで見たジャケットでした。


右岸のエルメスに対して左岸のARNYS(アルニス)と並び称されていたメゾン ARNYSのショーウィンドウにディスプレイされていた、3ボタンのサイドベンツにスラントポケットという英国的なディティールでありながら、それまで見たことのなかった特徴的なラペルに目を奪われました。

 

 

 

 

1989年から2001年まで、自分が撮り続けたARNYSのショーウィンドウの画像をお見せします。

 

1989年

 

 

1993年

 

 

1994年

 

 

1994年



1995年

 

 

1999年

 

 

1999年

 

 

2000年

 

 

2001年

 

 

ご覧の通り、1989年に初めてパリに行ってから2005年くらいまで、毎年2~3回多いときは年4回はパリに行っていたので、その度にARNYSを訪れてウィンドウディスプレイの写真を撮っていました。


その枚数は、おそらく100枚以上はあると思います。

 

 

ご覧の通り、小さな変化はあるとは思いますが、基本的なスタイルは変わらないので、ARNYS=フィッシュマウスラペル=パリっぽいというイメージが自分の中で出来上がってしまいました。


そして、90年代は英国調のブームが来て、BEAMSでも英国テイストのジャケットやスーツの展開が増えていきますが、80年代にフレンチアイビーを提案してきたBEAMSにとっては、フレンチテイストの英国調を提案するのは自然な流れで、ARNYSのようなフィッシュマウスラペルのジャケットやスーツを展開するようになりました。

 

 

 

 

 

1992年秋冬のBEAMSカタログに掲載された、BEAMS Fのオリジナルジャケット(RING JACKET製)

 


”今シーズンから登場するフィッシュマウスのジャケット” と書かれています。


フィッシュマウスラペルのジャケットは、この年から登場しました。



 

 

 

 

1993年秋冬のBEAMSのカタログに掲載された、BEAMS Fのオリジナルのホームスパンのスーツ(RING JACKET製)

 

 

フィッシュマウスのホームスパンのスーツというのもARNYSっぽいですね。

シャツとネクタイとチーフが何故かイタリアっぽいのが今見るといまひとつ・・・(苦笑)

 

 

 

 

 

 

1994年秋冬のBEAMSのカタログに掲載された、BEAMS Fのフィッシュマウスの3ピーススーツ(RING JACKET製)

 

 

3ピースまで作ってしまいました。

我ながらかなり攻めています。

いま見るとコーディネートはフレンチっぽいですが、なんとなくMARCEL LASSANCE風?

 

 

 

 

 

1994年のBEGIN 5月号に掲載されたINTERNATI0NAL GALLEREYの2ボタンのフィッシュマウススーツ(RING JACKET製)

 

 

インターナショナルギャラリーでもフィッシュマウスのスーツを展開していましたが、2ボタンで少しモダンな雰囲気に落とし込んでいました。

 

 

ご覧の通り、BEAMS FでもINTERNATIONAL GALLERYでも、フィッシュマウスのジャケットやスーツを展開し、顧客様にもとても人気がありました。

 

 

ちなみに、ARNYSのジャケットやスーツはISAIA製だった(少し安いラインは別のファクトリーだったようです)ので、当時INTERNATIONAL GALLERYもISAIAでフィッシュマウスラペルのジャケットやスーツを別注して展開していました。


このように、BEAMSにおけるフィッシュマウスラペルのジャケットやスーツは、90年代の英国調の流れの中で、フランスから見た英国を提案すモデルでした。

 

 

 

 

 

そして、1999年に当主であるジャン グランベール アルニスさんに会う機会を得ます。

 

 

ジャンさんもお兄さんのミッシェルさんも3ボタンのフィッシュマウスラペルのスーツ。


タブカラーに綺麗なプリントタイというのも、ARNYS風でありパリっぽさを感じるコーディネートです。

 


1999年と言えば、イタリアンクラシックの世界的なブームが始まった頃で、初めてパリに行った1989年から10年目の1999年にお二人に会えたのは、いろいろな意味で自分の中での節目だったのかなと思います。

 


パリを代表するメゾンであるARNYSを象徴するフィッシュマウスラペルのジャケットやスーツですが、パリのビスポークテーラーの仕立服にはよく見られる襟型ですが、既製服ではARNYS以外のショップで見ることはありませんでした。


フレンチビスポークによくある襟型。

 

 

 それも我々にとっては魅力的に感じるポイントでもありました。

 

 



 

最近ファッション業界人の間でやたらとフレンチというキーワードが飛び交っていますが、フィッシュマウスラペルの既製服は見かけることはなく、ネットで検索するとオーダー屋さんで紹介しているのをちらほら見かるくらいです。


いまフィッシュマウスラペルのジャケットやスーツと言われ、私がすぐに思い浮かぶのがこのスーツです。

 

 

 

 

パリで活躍する日本人テーラー、鈴木健次郎さんが仕立てたスーツです。


私自身、鈴木さんの仕立てたスーツはSNSでしか見たことがなかったのですが、高円寺のサファリさんでほとんど着用されていない新品同様のスーツが並んでいて、久しぶりにパリっぽいスーツを見たなとちょっと感激しました。

 

 

店長の田島さんに、”このスーツ フレンチっぽくてすごくカッコいいけど、なかなか売れないでしょう?”  と聞くと、” はい、わかる人がほとんどいないんです” と想像したとおりの返答。


それはそうですよね。


フレンチテーラードを知る人でなければ、見慣れないビスポークスーツということになるのは仕方ないかもしれません。


自分のサイズに近ければお直しして着たいところですが、サイズが大きく無理でした。


まだ数着残っているようなので、ご興味のある方はサファリさんにお問い合わせください。


ちなみに、このグレーのスーツの画像はサファリさんのオンラインに掲載されているものです。

 


日本でオーダー会を行うこともあるので、ご興味のある方は是非ビスポークを。

instagram@kenjiro_suzuki

 






今回のフレンチなアイテムは、90年代にBEAMSで展開していて顧客様にもとても人気のあったフィッシュマウスラペルのジャケットやスーツのお話でした。

 


ARNYSと言うと、立ち襟のフォレスティエールがファッション業界人の中でちょっとしたブームになっていますが、80年代や90年代は裕福なお年寄りが着るような、かなりシニアなイメージのジャケットだったので、時代が変わったとはいえ、なんとなく若い人たちが着ているのがピンとこないんです・・・

 


1999年のARNYSのディスプレイ

 

立ち襟のジャケットというのであれば、80年代にパリで流行したチロリアンジャケットの方が、若い人たちが着るにはリアリティがあるかなと・・・


そのあたりのお話はまた別の機会に。

 

 

 

 

 

 

 

大変お待たせしました。MR_BEAMS CHANNEL 2024春夏リコメンドアイテム スーツ・ジャケット編アップしました。すでに完売したり少なくなっているものもありますが、是非ご視聴ください。

 

 

 

 

 

ジャケットの襟の汚れ


インスタライブの質問コーナーをやると、必ず質問があるジャケットの襟の汚れ。


Tシャツやクルーネックのニットを着た時の、襟の汚れに対する予防策や対処方法を教えてほしいという質問。


自分はあまりジャケットのインナーにTシャツやクルーネックを着ないのですが、インスタの画像を探してみたら数枚ありました。


 


 


 

 

あまりに似合っていませんね(苦笑)。




 

自分は仕事柄多くのジャケットを持っているので、同じジャケットを頻繁に着ることがないのと、Tシャツやクルーネックのニットを着ることも少ないので、ジャケットの襟が汚れて困ると感じたことは今までありません。


それでも普通に考えれば、シャツを一日着れば襟は汚れているわけで、襟がないインナーを着ていれば、その汚れがジャケットの襟裏につくことになります。


シャツであれば、一回着れば洗濯をするのである程度汚れは落ちますが、ジャケットの場合は汚れが蓄積することになります。


そう考えると、ジャケットに対するダメージがあると言わざるを得ません。

 


ここ数年、ジャケットやスーツのインナーにTシャツやクルーネックを着るのが一般的になって、芸能人やスポーツ選手などは特にそういったスタイルの人が多く、一般的には ”おしゃれな人はシャツを着ない” みたいな風潮もあるので、襟の汚れの問題は結構多くの人が抱えているのではないかと思います。


解決方法は私的には洗うしかないと言いたいところですが、世の中には色々な汚れ防止のアイテムが出ています。

 

 


Tシャツのリブが後ろだけ高くなっていて、襟に肌が触れないようになっているのですが、Tシャツのリブがジャケットの後ろ襟から見えるのは、個人的にはなんとなく陳腐に見えるのと、ジャケットを脱いだ時にリブが後ろだけ高くなっているのは見た目に違和感があります。

 

 

アイデア商品的でよく考えられているとは思いますが、個人的には・・・です。

 

 

 

 

 

そして、こんなアイテムもあります。

 


襟や袖に貼って汚れを防止するテープ。


もともとはシャツの襟や袖に貼って汚れを防止するためのテープですが、これをジャケットの襟に貼って汚れ防止にしている人もいるようです。


確かに汚れ防止にはなるのですが、ジャケットを脱ぐと明らかにテープを張っているのがわかるので、人前でジャケットを脱がないという人にはいいかもしれません。


この二つは確かに汚れ防止にはなると思いますが、オシャレにこだわりがある人には難しいのかなと思います。





 

スカーフを巻くのは汚れ防止に効果がありますが、一般の方は巻モノが苦手という方がとても多いので、誰もができる解決策にはならないのかなと思います。


 


 

 

巻モノに抵抗感のない方でも6月~9月くらいは暑くて巻モノは厳しいので、オールシーズンの汚れ防止策としては難しいですね。

 

 

 

 

 

自分が思いつくジャケットの襟汚れの防止策というのは現状これくらいです。


初めにも書きましたが、ジャケットのインナーに襟なしのものを着れば、襟が汚れるのは絶対に避けられません。

 

 

なので、ジャケットのインナーにTシャツやクルーネックのニットを着るのは、ジャケットの襟が汚れるのは仕方ないと割り切って着るしかないのです。


ジャケットを大事に長く着るには、襟付きのインナーを着るというのが間違いない解決策だと思います。


自分がもしTシャツやクルーネックのニットを着ることが多い場合は、同じジャケットは1週間に2回着ない、襟が汚れてもクリーニングに出すのは1か月に一回だけ、その際は普通のドライクリーニングではなく、最近よく見かけるウオーターウオッシュやバイオウオッシュなどのプレミアムなクリーニングに出す。

 

 

クリーニングのコストはかかりますが、このように対処するしかないと思います。


どうしても襟なしのアイテムをインナーに着たくて、襟汚れ防止のTシャツを着たり、汚れ防止用のテープを貼りたくない人は、同じジャケットの着用頻度をなるべく減らして、生地へのダメージが少なく汚れが良く落ちるクリーニングを探し、クリーニングの頻度は多くても月に一度にする。


長々と書きましたが、自分の結論はこれしかないかなと思います。

 

昨年お亡くなりになった業界の重鎮の方が生前 ”男なら少しくらい服が汚れても気にするな” とおっしゃっていたと聞きましたが、確かにそれは一理あるかなと思います。

 

 

何か昭和っぽくていいお話ですね(笑)。

 

 

ヨーロッパに行くと、少し汚れていたり擦り切れている服を普通に着ている業界人も結構見かけるので、いつまでも新品のような状態できれいに着たいという日本人とは、少し感覚が違うかなと思うことが以前からよくありました。

 

それは清潔好きな日本人の良いところでもあるので、永遠の課題なのかもしれません。


正直、自分自身は洋服のケアに関してはそれほど神経質ではないので、ジャケットやスーツも汚れたらクリーニングに出すくらいの感じなんです。


なので、何年もクリーニングに出していないものもあります。

 

 

それで服がダメになったということも今までないので、服のケアというのも過剰にやりすぎることはないのかなと思っています。


あくまでも同じ服を頻繁に着ないという条件はありますが・・・


このあたりのお話もまた別の機会にしたいと思います。

 

 




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MR_BEAMS Vol.09


MR_BEAMS VOL.09が発行されました。

 

 

今回のテーマは ”この一歩は、春のせいにして”

 

 

 

 

 

リコメンドアイテムのトップページは、私のおススメのオーベルジュのバルカラーコート

 



無理に押し込んだわけではありません(笑)
 

 

 

 

 

 

恒例の中村ノート

 

 

 

 
巻頭でいろいろ語っていますが、特に難しいことは言っていないので、さらっと読んでください。


最近難しいことをいろいろ語るのが苦手なので、今シーズンの流れをシンプルにお伝えできればと思っています。


今回は今シーズンの流れの中から10個のキーワードをコーディネートとアイテムでお見せしています。
 
 
 

 

 


 

リゾート系シャツ

 

 

 

 
昨年もご好評だったリゾートテイストのシャツ。
 

私も昨年の夏はかなり着ました。


今シーズンは、きれいなカラーとストライプ、チェックのバリエーションが増えています。

 

おそらく業界一の品ぞろえではないかと・・・


ストライプのシャツは私のイチオシです。

 

 

 

 

 

 

ストライプ柄のアイテム

 

 

 

 
シャツだけでなく、様々なアイテムで提案されているストライプ柄。


昨年はリラックスパンツでの打ち出しが多かったですが、今シーズンはアイテムのバリエーションも増えています。
 
 
コーディネートは無理せずに、1点取り入れるだけで充分です。


難しく考えず、無地のアイテムとコーディネートしてみてください。
 
 
 

 

 

 

マドラスチェック

 

 
ここ数年続いている継続的な流れですが、今シーズンはさらに広がりを見せています。
 
 
アメトラ的なテイストだけではなく、ヨーロッパブランドらしいアップデートされたマドラス風の柄も多いです。


BEAMSが得意な分野なので、当然バリエーションも多く展開しています。
 
 
 
 
 
 
ホワイトジャケット

 

 
サプライヤーの提案がとても多かったホワイトジャケット。
 
 
ヨーロッパではホワイトパンツと同じく夏の定番ですが、久しぶりに大きな流れとなってリバイバルしている感じです。
 
 
自分も久しぶりに着たいと思い、先日あるブランドにオーダーしました。
 
 
汚れは気にせず着ましょう(笑)。
 
 
 
 
 

 

コットン&リネンスーツ

 

 

 

 
サプライヤーからクラシックなウールのスーツの提案が減っている反面、コットンやリネンのスーツの打ち出しが増えています。
 
 
コットンやリネンのスーツは、もともと欧米では夏の定番ですが、ここ数年ドレスのカジュアル化という流れもあり、素材の持つスポーティーでリラックスした雰囲気が、リバイバルの要因になっているのかなと思います。
 
 
自分もここ数年コットンやリネンのスーツはタイドアップでもノータイでもよく着ているので、お持ちでない方にはおススメです。
 
 
 
 
 
 

グレンプレイド

 

 

 

 
ここ数年英国調の柄の人気が続いていますが、今シーズンは特にグレンプレイドの提案が多いです。
 
 
様々なアイテムに乗せられていますが、リネン素材に乗せたものが多いのも今シーズンの傾向です。
 

今シーズンは色を使ったグレンプレイドも多いので、是非トライしてみてください。
 
 
 
 
 
 

 

リネンやホワイトのネクタイ

 

 
ネクタイも少しリラックスした雰囲気のものが増えています。


ホワイトのネクタイは見慣れない方も多いと思いますが、10数年前にもかなり流行ったことがあるので、自分にとっては懐かしいアイテムでもあります。
 
 
リネンのネクタイは、コットンやリネンのスーツに良く合うので、気に入った柄があれば是非。
 

 

 

 

 

 

 

ホワイト&ナチュラルカラーのシューズ

 

 
明るくきれいな色や生成りやホワイトカラーの服が増えれば、足元も軽快に見える色の靴が増えるのは必然的な流れです。
 

サプライヤーの提案が増えているのも、そのような流れによるところが大きいと思います。
 
 
自分は以前からホワイトバックスや生成りのレザーデッキシューズを夏によく履いているので馴染みがありますが、履いたことがないという方も多いのかもしれません。


そのような方は、ホワイトスニーカーを履くような感覚で履いていただければ難しいことはないのかなと思います。
 

 

 

 

 

 

 

ライトグレー

 

 
大人の方に特に着ていただきたいライトグレーのアイテム。
 
 
ホワイトとのコーディネートは特に上品に見えます。
 
 
上品でクリーンなコーディネートが好きな方には特におススメです。


 

 

 

 

 

ライトカラーのレザーブルゾン

 


ライダースジャケットを中心に、圧倒的にブラックが多かったレザージャケットにも変化が見られ、淡いトーンやきれいな色のレザージャケットがかなり増えています。

 

 

明るいトーンになるとレザーのクオリティーもより分かりやすくなるので、上質なレザーを使ったものが多くなります。


大人の方にさらっと着ていただきたいアイテムです。

 

 

 

 

 

 

 

今回も23体のコーディネートを組むのがなかなか大変でした。
 

 

この中村ノートのページは、今シーズンの流れを誰にでも分かりやすく伝えることが役割なので、洋服屋のおしゃれ自慢のようなコーディネートは基本NGにしています。


かと言って、特徴の全くないコーディネートではお客様の参考にもならないので、その塩梅をどのくらいにするのかが毎回悩みどころなんです・・・


なので、お客様が無理せずトレンドアイテムをコーディネートに取り入れられて、なおかつシーズンらしさを感じられるコーディネートをスタイリストさんとプレススタッフと一緒に考えながらいつもコーディネートを組んでいます。


30体近いコーディネートを毎回そのようなコンセプトで組むのは本当に大変で、足し算をしたり引き算をしたり、コーディネートのイメージがわいても合わせるアイテムがなかったりと・・・


スタイリストさんも本当に毎回大変だと思います。



四方さん、いつも面倒くさいやつに付き合ってくれてありがとう。

 

 

 




毎回いろいろありますが、今回もいろいろありました。


実際にモデルが着たらモデルの雰囲気とコーディネートのイメージと違っていたり、ポージングや服の見せ方もイメージと違ったり、ページの構成も今ひとつお客様に伝わりずらいのではなどなど・・・


締め切りギリギリまで修正を重ねて完成させました。


なので、自己評価は・・・


皆さんの評価は何点か教えてくださいね。

 

 





毎回ご好評をいただいているVゾーンコーディネート

 

 

 

 

 

 

 

 
今回も36体のコーディネートを組みました。

 
このページは、同業他社さんの店舗スタッフが接客の際にコーディネートの参考にしていると顧客様から聞きましたが、回を重ねるごとにお客様の評判も良く、お褒めのお言葉をいただいています。


最初のころは個性が強すぎて「こんなコーディネート誰がするの?」みたいなものが多くて、毎回7割くらいやり直ししていました。
 
 
今回は若手スタッフ3人と組みましたが、個性を出しながらもお客様目線を大事にするという、私の意図が伝わっていたのか、直しは3割くらいで今までで一番スムーズに組めました。
 
 
それでも似たVゾーンにならないように36体組むのはなかなか大変なので、若手のスタッフも頑張ってくれました。
 
 
 
 
 
間瀬さん、梶さん、芹沢さん、お疲れさまでした。
 
 
 
 


年齢的には、もう若手じゃないか・・・(笑)
 

次回もよろしくお願いします!
 
 
 
 
 
 
 
私が直接深くかかわったのは、この二つのコンテンツですが、それ以外にもおススメのコンテンツが満載です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
とにかくより多くの方にご覧いただきたいです。




 
 
先月2月29日から、全国のメンズドレス展開店舗にて商品をご購入いただいたお客様に無料で差し上げています。
 
 
公式オンラインショップでは〈BEAMS F〉、〈Brilla per il gusto〉、〈International Gallery BEAMS〉のいずれかの商品をご購入のお客様に先着でプレゼントしています。
 
 
数には限りがございますので、予めご了承ください。
 
 
 
 
 
 
 
今回もすでにメリカリで売られています。

 

 
良いのか悪いのかわかりませんが、無料のものに価値が付き、それを買う人もたくさんいる。
 
 
それだけ人気があるということで良しといたいです。
 
 


 
MR_BEAMS Vol.9 是非ご覧ください!
 

 

 

 

フレンチなアイテム ”ラバーライズドのハーフコート”

 

なんとなく言葉ばかりが先行している感のある ”パリっぽい”とか ”フレンチっぽい” という表現・・・


ファッション業界の中でも ”パリっぽいとかフレンチっぽいというのはどんな感じですか?” という戸惑いの声が聞かれるのに、一般の方たちはもっと ”なんのことだかよくわからない” というのが実情ではないかと思います。


このブログでなんども80年代のフレンチアイビーについては触れてきましたが、もう少し幅を広げて、私が実際に経験してきた80年代から90年代のフレンチアイビーやフレンチトラディショナルなアイテムについて、不定期にはなりますが、連載のようなかたちで紹介していこうと思います。


ということで、初回は80年代から90年代にパリで大流行していた、ラバーライズドのハーフコートについてです。

 

 

 

 

 

1987年頃にパリに出張に行ったスタッフが、現地で個人買いしてきたカラフルな色のボディーにコーデュロイの襟が付いたラバーライズド(ゴム引き)のハーフコート。


当時すでに日本でもラバーライズドのコートはありましたが、普通のバルカラーで色もオフホワイトやベージュやカーキなどの定番の色ばかりだったので、カラフルな色のハーフコートを初めて見た時は、かなりインパクトがありました。
 

 

1989年に初めて出張でパリに行くと、OLD ENGLANDやHEMISPHERESやHERMESのウインドウをカラフルな色のラバーライズドのコートが飾っているのを目の当たりします。

 

 

1990年9月 パリのHERMES

 

 

1990年9月 パリのHEMISPHERES

 

 

1993年1月 パリのOLD ENGLAND

 

 

1994年1月 パリのOLD ENGLAND

 

御覧のように、先輩達から聞いていたとおり、パリでは綺麗な色のラバーライズドのハーフコートが流行っていることを実感し、その後定番となり90年代後半までは、有名店の店頭で見かけました。

 



 

 

 

今はMACKINTOSH一択という感じですが、当時はまだラバーライズドのコートを作るファクトリーが他にもありました。



TRADITHIONAL WEATHER WEAR(当時はMACKINTOSHかTRADITIONALかネームを選べました)、DAVID MARSH、P&Oなどが有名でしたが、ストアネームで展開している店も多く、どこのファクトリーで作っているのかわからないものも多かったです。

 

 

特にHERMESがどこのファクトリーで作っているかは、最大の関心事でもありました(笑)。

 

 

MACKINTOSHという説が有力でしたが・・・


 

当時日本ではフレンチアイビー的なアイテムという認識でしたが、実際には英国でもラバーライズドのハーフコートは流行っていて、ロンドンのCORDINGSなどに行くと、パリと同様にカラフルなカラーのラバーライズドのハーフコートが展開されていました。

 

 

同じようなモノでもパリで見るとパリっぽいというイメージになったのは、今思えばただのパリかぶれの若造の勘違いだったのかもしれません(苦笑)。
 

 

 


 

 

90年代に入り、ラバーライズドのハーフコートは日本でも人気アイテムとなり、ハーフコートがトレンドだったことで、様々なブランドやファクトリーのコートが店頭に並ぶようになりました。

 

 

 

 

1989年のBEAMSの春夏カタログに掲載されている、BEAMS F オリジナルの英国製ラバーライズドのハーフコート。



当時はスコットランドやイングランドでラバーライズドのコートを作れるファクトリーが、自分が知るだけでも4~5社ありました。



その後、自分がバイヤーとなり、このコートも90年代の中頃まで展開していました。
 

 

 

 

 

 

BEGINの1991年11月号に掲載されているDAVID MARSHのラバーライズドのハーフコート。

 



この頃になると、日本のファッション誌でも紹介されることが多くなりました。

 

 

ちなみに、このコートは当時パリにあったMARINA DE BOURBONの日本ショップ(UAさんが運営していました)で扱っていたもの。



やはり切り口はパリですね。

 

 

 

 


 

ということで、フレンチなアイテムの初回はラバーライズドのハーフコートのお話でした。
 

 

ラバーライズドのハーフコートは古着でも見かけますが、当時のパリでは流行っていたキレイな色のボディーで襟がコーデュロイというものは、ほとんど見かけません(ネットで見る限りですが)。


ちなみに、”パリっぽい” と語るには、襟がコーデュロイというディティールは外せません。



仮に当時のものが見つかったとしても、ゴムが経年劣化しているのは避けられないので、程度の良いものが見つかる可能性はかなり低いと思います。

 

 

ならば、カラフルなラバーライズドのハーフコートをBEAMSで展開しようと数年前から考えていましたが、価格が高騰しているのと、ラバーライズドの最大のウイークポイントであるケアの問題があるので、ラバーライズド風の風合いのコートが出来ないかなと思っています。

 

 

フレンチビンテージを得意とするあるブランドに提案しているのですが、あまり刺さらないようで・・・
 

 

サプライヤーの皆様、良い提案があればお待ちしています(笑)。

 

ヨーロッパ出張レポート 3


このところ急に暖かくなってきてきました。



いきなり気温20度って、何を着ていいか困りますよね。



この時期は厚手のニットを薄手にしたり、ジャケットも軽いものにしたり、オーバーコートをコットンのコートに変えたりと、色々工夫をしながら春に向かうという感じです。



秋冬モノであっても、春っぽい色づかいをするというのも大事ですね。

 

 

なんとなく春めいてきましたが、今回も1月のヨーロッパ出張のレポートです。

 

 

今回はアイテム&トピックス編です。







 

<OVER COAT>

カジュアル傾向なのでショートブルゾンやダウンに振れるかなと思いきや、逆にサプライヤーの打ち出しも来場者の着用もオーバーコートが増えていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最も多かったのがバルカラータイプのコート。

 


ここ数年ずっと継続しているモデルなので、そろそろ流れが変わるかなと思っていましたが、逆に増えている印象。


ゆったりしたフィットで長めの着丈というのが、もはや定番となっています。


テーラード系のコートも同じで、さすがにフィッティングがゆったりというものはないですが(タイトフィットもありません)、着丈は長めが主流です。


オーバーコートと言っても、昔のようなずっしりとした重い生地を使ったものはほとんどありません。


重そうに見える生地でも、実際は軽くリラックスして着られるものがほとんどです。

 

 

生地のウエイトで言えば、400g/m~500g/mくらいが主流になっています。

 

 

温暖化で防寒目的のオーバーコートの需要が世界的に少なくなっているのは間違いないですが、クラシックなスタイルが好きな人たちは、私も含めてやはり冬はオーバーコートが着たいもの。


そうであれば、生地も仕立ても軽くして、温暖化に対応したオーバーコートを着るというのは、自然な流れであると思います。

 

 

自分より上の世代の方々には、1㎏/m以上の生地でないと男が着るオーバーコートがではないという方もいらっしゃいますが、正直いまの様々な生活環境を考えると・・・・ですね。

 

 

 





<STRIPE SUITS>

春夏の傾向でも少し触れましたが、ストライプのスーツが少し戻って来ています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いわゆるビジネスで着るような、定番的なスーツの新しい流れはありません。

 

 

世界的にビジネススーツの需要が減り、生地も定番の色柄を毎シーズン揃えておけばいいというサプライヤーがほとんどなので、生地コレクションもコロナ前の半分か少ないところでは三分の一になっているのが実情です。

 

 

悪い言い方をすれば、明らかにそこにサプライヤーの力が入っていないということでしょうか。

 

 

そんな状況の中、今回はストライプの提案が春夏よりもさらに増えていました。

 

 

ストライプのスーツと言ってもビジネス向けのものではなく、幅広であったりベースが色モノであったり、カラーストタイプであったり、ネクタイをせずにスカーフと合わせたりと、スーツ好きの人が楽しんで着るような提案がほとんどでした。

 

 

ストライプ以外ではグレンプレイドのスーツが多かった印象です。


ビジネスマンの方々が着るスーツは、BEAMS FとBRILLAのオリジナルでしっかり展開しているので、来秋冬もご期待ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

<FIREMAN COAT>

自分の世代だとファイヤーマンコートと言えばFAYなんです。

80年代から90年代に大流行して、BEAMSのカジュアルでも展開していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2000年代以降は、リブランディングしてラグジュアリーなトータルブランドに変わりましたが、2019年からFAY ARCHIVEというラインを作り、今回のPITTIではリブランディングする以前のファイヤーマンコートのコレクションをブースで展開していました。


自分が1989年に初めてイタリアに行った時から今までに様々なカジュアルアウターが流行しましたが、その中でもFAYのファーヤーマンコートは大ヒットした代表的なアイテムのひとつ。


今回もブースの中は歩けないくらいの人で溢れ、イタリアでのFAYの人気ぶりがうかがえました。

 

 

ファイヤーマンコートがトレンドと言うことではないですが、今回のFAY ARCHIVEの注目度が非常に高かったので、トピックスとしてお伝えします。

 

 

ちなみに、ファイヤーマンコートは80年代から90年代、パリでもセレクトショップでも扱われていたので、今風に言えばパリっぽいアイテムと言うことにもなるのかな・・・

 

 

 

 

 

 

 

<TURTLE NECK>

ヨーロッパも暖冬でしたが、タートルネックの打ち出しは変わらず多かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本と同様にヨーロッパも暖冬で、12月はイタリアで25度という日もあったようで、タートルネックのセールスは今一つだったという声も聞かれましたが、そんなことは全く関係ないかのようにタートルネックの打ち出しが多く見らえれました。

 

 

一月に入ってから気温も下がったということもあり、PITTIの会場でもタートルネックを着た業界人はかなり多かったです。

 

 

ドレスはリラックス感あるスタイルの流れがあるので、そういったスタイルが表現しやすいタートルネックが継続して打ち出されるのは自然な流れであると思います。

 

 

ただ、今年のような暖冬だとタートルネックを着る期間がかなり短くなるので、そうなると、来年も暖冬になるのであれば、タートルネックよりハイネックの方が汎用性はあるのかなとも思います。


流れだけでなく、環境の変化に対応していくことも大事だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

<PATTERNED KNIT>

様々な柄のニットが多く見られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケーブル、アーガイル、ボーダー、ヘリンボーン、幾何学柄、その他諸々。

 

 

今回は柄のニットが本当に多く見られました。


ケーブルのニットは個人的に好きでよく着ていますが、実はアーガイルやボーダーも好きです。


今日もボーダーのニット着てブログ書いています(笑)。

 

 

カジュアルウェアの中ではニットがトレンドであることは間違いないので、柄のバリエーションが多く出てくるのは必然的な流れなのかなと思います。


個人的にアーガイルのカーディガンが着たい気分ですが、なかなかいいものが見つかりません。


ならば作るしかないかなと、あるニットブランドに企画だけ投げました。

 

 

なかなか難しい注文なので、できるかなと・・・


 

 

 


 

<BRITISH PATTERN>

英国調の柄は引き続きとても多かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう何年続いているかと思うほどですが、来秋冬も英国調の柄の流れが継続しています。

 

 

小さい柄は少なく、大柄のものが増えていて、かなり大柄のものも見られます。


いわゆるイタリアらしい多色づかいのカラフルな柄は少なく、差し色にトレンドカラーを用いたものが多い印象。


ツイードに見えても軽く柔らかい生地が主流なのは、コートの生地のウェイトと同じ話です。


個人的には大好きな柄なので、毎年新しい色柄が出てくるのは大歓迎です(笑)。


 

 

 

 

 

3回にわたり1月のヨーロッパ出張の報告を書きました。


これ以外にも色々細かい流れはありますが、大枠の流れはお伝え出来たかなと思います。


基本的に大きな流れの変化はなく、突飛な新しいモノも出てきていません。

 

 

その分小さな変化は色々あるので、それについては中村ノートでお伝えできればと思います。


正直これはどうなのかな・・・と言うものが流行ったりもしていますが、それについてはスルーするしかないかと・・・


嘘と忖度は苦手です(笑)。


 

 


 



 

 

 

 

 

 

ヨーロッパ出張レポート2

 

1月末から2月末までは国内の展示会のシーズンなので、このところ毎日展示会周りで忙しくしています。

 

 

さらに店舗のイベントや動画の収録や取材などもあり、バタバタしていて自分のSNSは後回し・・・


なので、ブログも書く時間がなく、ちょっと間が空いてしまいましたが、今回も1月のヨーロッパ出張レポートです。

 


前回に続きカラー編です。

 

 

 

 

 

 

<GREEN>


 

 

 

 

 

 

グリーンは明るめのトーンがメインになっていました。

 

 

ダークグリーンも英国的な深みのあるトーンではなく、イタリア的な少し明るめに振ったトーンのグリーンが主流。

 

 

ミリタリーグリーンのようなラギッドなトーンはサプライヤーの提案としては少なくなっていました。

 

 

トレンドとは全く関係なく、個人的にアウターやコートに関しては、こんな感じのローデングリーンのような色目がマイブームです。

 

image

 

最近グリーンの服をよく着ます。

 

 

 

 

 

 

<SAX BLUE・LIGHT BLUE>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しスモーキーがかったサックスブルーやライトブルーが多く見られました。

 

 

メインカラーである、オフホワイトやライトグレーと相性が良いのもポイント。


春夏の傾向でもある、スモーキーパステルの流れもあると思います。

 

 

 

 

 

 

 

<PURPLE>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明るめのラベンダーから濃いバイオレットまで、パープルの提案は本当に多く見られました。

 


明るめのトーンからミディアムトーンが主流で、ダークなトーンは少ないながらもボルドーとミックスしたような色もあり、バリエーション多く展開されていました。

 

 

これまではあまり見られなかった、オフホワイトやライトグレーとのコーディネートが見られました。

 

 

 

 

 

 

<RED>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこのブースでも打ち出されているわけではないですが、意外とレッドの提案が見られたなと言う印象。

 

 

業界人達がコーディネートの挿し色に使っているのもチラホラ見られ、大きな流れにはならないとは思うものの、ちょっと気になるカラーでもあります。

 


スナップの人たちは、赤が少しフレンチな気分?なのかも・・・

 

 

 

 

 

 

<BORDEAUX>

 

 

 

 

レッドと同様にチラホラ見られたボルドー。

 

 

パープルをミックスしたような微妙なニュアンスのボルドーも見られました。

 

 

多くはないものの、レッドと同様にちょっと気になるカラーです。

 

 

 

 

 

 

 

<ORANGE>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここ数年継続して打ち出されているオレンジ。

 

 

次の秋冬も継続したカラーとして打ち出されていました。

 

 

トレンドカラーであるベージュやキャメルとの相性が良いので、必然的に流れが続いているという印象です。

 

 

 

 

 

 

 

<YELLOW>

 

 

 

 

 

 

 

イエローもオレンジと同じく、ここ数年継続して打ち出されているカラー。

 


蛍光色のようなかなり明るいトーンのイエローも見られましたが、正直秋冬には難しいかなと思います。


使うのであれば、差し色に使うぐらいが丁度いいかなと・・・


いずれにしても、マスタードのような濃いトーンは少なく、明るめのトーンが多い印象です。

 

 

 

 

 

 

 

<NUANCE COLOR>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここ数シーズン続いているブルーやグリーン系のニュアンスカラーも多く見られました。

 

 

ブルーやグリーン系のニュアンスカラーは、既に定番になったかなと言う印象です。

 

 

定番カラーと相性が良く、合わせるだけでちょっと洒落た印象に見えるのもいいところです。

 

 

 

 

 

 

細かなところを除けば、概ねこのあたりが2024年秋冬の色モノの流れになるのではないかと思います。

 


大きな流れとして、前回お伝えしたオフホワイトやライトグレーのニュートラルカラーやベージュやキャメルがあって、それにこれらの色モノが加わり大枠の流れになっていくのではないかと思います。


さらに、ここでは書いていませんが、モードのトレンドカラーやウィメンズのトレンドカラーにも少し影響されるのが日本のマーケットなので、ここで書いたものとは違う色が出てくる可能性もあります。

 


色の傾向は取り入れなければ時代遅れになるということもないので、ご自身が好きな色や気になる色があれば取り入れるくらいでいいと思います。


自分の持っているアイテムと合わせやすいというのも大事なポイントですね。


難しく考えず、少し取り入れてみようか。


そんな感じで充分だと思います。

 

 

 



 

 

 

 

MR_BEAMS CHANNEL 2024春夏トレンド解説動画 Vol.2 アップしました。

 

 

今回はキーワード&カラー編です。

是非ご視聴ください。

 

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