イエモン復活に浮き足立って未だに地に足がつかない人は自分だけではあるまい。なんなら年内には空中浮遊を身につけそうな勢いである。
生中継されたツアーの1曲目&2曲目、そして新曲ALRIGHTについて今にして思うことがあるので書いておきたい。
1996年12月28日、日本武道館で行われた「メカラ・ウロコ 7」の最後に披露されたのが「楽園」。
レーベルをコロムビアからファンハウスへ移籍する前の最後のライブで、「楽園」は後に移籍第一弾シングルとしてリリースされる。
それから実に18年後の2014年12月28日、ソロとして日本武道館のステージに立った吉井和哉は、この日の最後に当時リリース前の新曲だった「ボンボヤージ」を披露した。実はこの日のライブはレーベルをソロで在籍したEMIから古巣・コロムビアに移籍する前の最後のライブだったのである。
吉井和哉にとってはいずれも「新たな旅立ち」「出航」といった意味合いを持つ曲になった。
2015年、7thアルバム「STARLIGHT」リリース、そしてそれに伴うツアー、さらにはファン投票を反映させたベスト的選曲で臨んだ恒例12月28日の日本武道館「Beginning & The End」。この日のライブは「吉井和哉、ここに極まれり。」といわんばかりのパーフェクトな内容で、これ以上があるのか、いや超えていくのだろう、ととにかく期待が高まったのをよく覚えている。
こうした具合にソロとしての活動が(そしてソロのバンドも)年々充実してゆくことが手に取るようにわかった近年。
ここに来てのTHE YELLOW MONKEY再集結には相当な衝撃を受けた。
解散後とはいえ2012年にはメンバーが一同に会し、立会の元デビューシングルを新たにミックスした「Romantist Taste 2012」をリリース。リリースパーティーにはヒーセとエマが飛び入り参加。翌2013年にはファン投票ベストをリリース。
アニバーサリーイヤーということもあり、この間には過去の映像作品の完全版もリリースされ、メンバーも好意的にこのお祭ムードを楽しんだ。
再結成に向けての機運が高まっていることはそれとなく感じていた。
とはいえ、それとは裏腹に充実・成熟してゆくソロの音楽。
「Beginning & The End」は、観た後で再結成はもう無いだろうと確信したほどだった。それほどの完成度と成長性。だからこそ衝撃は大きかった。
再集結・全国ツアー開催に次いで発表された新曲「ALRIGHT」、ビートに起伏のないアメリカ的なロックにシフトしていったラストアルバム「8」とは異なり、まるで「SICKS」の頃のような跳ねた泥臭さと色気を持った楽曲となっていた。イントロのオルガンの感じなど聴けば一発でそれとわかる。アグレッシブなタイトル、再集結のスタートを切るにあたっての新曲なのだから、もっと明るかったりパワフルな曲を持ってくるのかと思いきや相当な濃いめの味付け。
歌詞を読めば「準備 ALRIGHT」と、「準備が出来た」と歌っている。即ち、ここからガンガン攻めていくぜ、という前口上と解釈できる。
そして「再結成」という表現を避け「再集結」と記載しそれとなくぼかし続けるスタッフサイドの立ち回りを尻目に、「何よりもここでこうしてることが奇跡と思うんだ」というフレーズに一過
性のお祭り的な再結成ではないことを匂わせた。
吉井和哉のソロ活動も追いかけてきた身としては「ALRIGHT」というフレーズにも熱いものを感じる。
2006年に行われたツアー「THANK YOU YOSHII KAZUYA」は、大々的にバンド時代の楽曲をライブで披露しはじめたツアーだった。「楽園」「SPARK」「太陽が燃えている」「LOVE LOVE SHOW」と代表曲のオンパレードで、最終日には弾き語りで「JAM」も披露された。
バンド解散からの鬱屈した時期を抜け出し、派手なメイクも復活、まさに殻を破った新生・吉井和哉の姿がそこにはあった。
このツアーのハイライトは、バンド時代の楽曲群を差し置いて「BLACK COCK'S HORSE」だったと思う。原曲とはまるで別物と化したハードロックアレンジで、サビに至っては歌詞をごっそり削ぎ落とし「ALRIGHT!ALRIGHT!」と会場一体となって叫んでいた。曲の最後に吉井が叫んだ「もう俺はALRIGHTだぜ!」という言葉は、吉井和哉完全復活宣言にほかならない。
その模様を観てからというもの、「ALRIGHT!」と高らかに口にする吉井和哉にもう恐れるものはないのだ、無敵なのだ、と、そう思っている。だからこそ新曲「ALRIGHT」はよりリリカルに響いてくる。
なによりバンド自体、吉井和哉が主導しているものだということもある。
再集結にあたって「一度きり」では無さそうだという雰囲気、まさに復活の狼煙たる「ALRIGHT」、ファンの興奮は並のものではなかったに違いない。事実、自分がそうだ。
そして開幕したツアー初日では活動を続けることを宣言、吉井和哉の会員制サイトのブログには「もう解散しない」「生涯イエローモンキー」と明記された。
予想企画と多数のメディアによる全国生中継が実施されたリユニオンツアーの「1曲目」。
自分の予想は「プライマル。」であった。東京ドームでのライブを最後に活動休止となったバンドが、その少し後にリリースした実質のラストシングルである。
まるで解散をテーマにしたかのような卒業ソングで、実際その後バンドは解散という結末を迎えている。歌詞にイエローモンキーのフレーズを引用し、当時のマネージャーがファンであることを公言しているアイドルグループ「BiS」は解散にあたりこの楽曲をカバー、披露している。ファンにとって解散ソングとしての印象がかなり強い曲なのではないかと思う。
マイナスを掛け合せるとプラスになるように、卒業の卒業で再出発の初弾とするのではないか。なによりこの曲は当然ながら一度もライブで披露されたことがない曲である。ここからはじめる意味合いは大きくあるのではないかと思い、1曲目に予想した。
実際の思惑がどうかはわからないが、生中継された1曲目は予想が見事的中。オリジナルアーティストによる「プライマル。」の初パフォーマンスを全国に見せつけた。
当日はチケットが取れなかったためテレビでその模様を観ていたが、演奏からはまさにイエローモンキー!という音像と同時に、表情や音からも緊張が感じ取れた。
ラストのサビでようやく紗幕が降ろされると、歓声と共に露になるメンバー、スクリーンには4人の姿が同時に映し出される。ようやく互いの顔が見えたからか、それまでのパートとは打って変わって無邪気な笑顔を見せるアニーがとても印象的だった。
開演から8分ほど生中継される旨が新聞でも告知されていた。わずかに余った放送枠を使い、サプライズで2曲目でも中継が続いた。
1コーラスほどではあったが、流れた曲は「楽園」。
ここで冒頭の話と繋がるのだが、卒業の卒業でリスタートのオープニングを飾った「プライマル。」、そしてこのバンドで新たな地平へと旅立とうとする意思表示にも思える「楽園」からツアーは始まった。
吉井自身「第二期」と銘打ったTHE YELLOW MONKEY、僅かに観た初日の模様から、これからツアーを通して蘇ってゆくバンドのグルーヴに加え、新曲、アルバムへの期待が高まってゆく。
唯一チケットが取れた名古屋が楽しみで仕方がない。
そしてもちろん忘れてはいけない、今年の12月28日。何かあると思わずにはいられない。
書き忘れたがこの日は吉井和哉がシンガーとして初めてステージに立った日。バンド時代もソロになってからも、この日をメモリアルデーとして幾度となく伝説的なライブが行われてきた。
まだまだ興奮の種は絶えそうにもない。
生中継されたツアーの1曲目&2曲目、そして新曲ALRIGHTについて今にして思うことがあるので書いておきたい。
1996年12月28日、日本武道館で行われた「メカラ・ウロコ 7」の最後に披露されたのが「楽園」。
レーベルをコロムビアからファンハウスへ移籍する前の最後のライブで、「楽園」は後に移籍第一弾シングルとしてリリースされる。
それから実に18年後の2014年12月28日、ソロとして日本武道館のステージに立った吉井和哉は、この日の最後に当時リリース前の新曲だった「ボンボヤージ」を披露した。実はこの日のライブはレーベルをソロで在籍したEMIから古巣・コロムビアに移籍する前の最後のライブだったのである。
吉井和哉にとってはいずれも「新たな旅立ち」「出航」といった意味合いを持つ曲になった。
2015年、7thアルバム「STARLIGHT」リリース、そしてそれに伴うツアー、さらにはファン投票を反映させたベスト的選曲で臨んだ恒例12月28日の日本武道館「Beginning & The End」。この日のライブは「吉井和哉、ここに極まれり。」といわんばかりのパーフェクトな内容で、これ以上があるのか、いや超えていくのだろう、ととにかく期待が高まったのをよく覚えている。
こうした具合にソロとしての活動が(そしてソロのバンドも)年々充実してゆくことが手に取るようにわかった近年。
ここに来てのTHE YELLOW MONKEY再集結には相当な衝撃を受けた。
解散後とはいえ2012年にはメンバーが一同に会し、立会の元デビューシングルを新たにミックスした「Romantist Taste 2012」をリリース。リリースパーティーにはヒーセとエマが飛び入り参加。翌2013年にはファン投票ベストをリリース。
アニバーサリーイヤーということもあり、この間には過去の映像作品の完全版もリリースされ、メンバーも好意的にこのお祭ムードを楽しんだ。
再結成に向けての機運が高まっていることはそれとなく感じていた。
とはいえ、それとは裏腹に充実・成熟してゆくソロの音楽。
「Beginning & The End」は、観た後で再結成はもう無いだろうと確信したほどだった。それほどの完成度と成長性。だからこそ衝撃は大きかった。
再集結・全国ツアー開催に次いで発表された新曲「ALRIGHT」、ビートに起伏のないアメリカ的なロックにシフトしていったラストアルバム「8」とは異なり、まるで「SICKS」の頃のような跳ねた泥臭さと色気を持った楽曲となっていた。イントロのオルガンの感じなど聴けば一発でそれとわかる。アグレッシブなタイトル、再集結のスタートを切るにあたっての新曲なのだから、もっと明るかったりパワフルな曲を持ってくるのかと思いきや相当な濃いめの味付け。
歌詞を読めば「準備 ALRIGHT」と、「準備が出来た」と歌っている。即ち、ここからガンガン攻めていくぜ、という前口上と解釈できる。
そして「再結成」という表現を避け「再集結」と記載しそれとなくぼかし続けるスタッフサイドの立ち回りを尻目に、「何よりもここでこうしてることが奇跡と思うんだ」というフレーズに一過
性のお祭り的な再結成ではないことを匂わせた。
吉井和哉のソロ活動も追いかけてきた身としては「ALRIGHT」というフレーズにも熱いものを感じる。
2006年に行われたツアー「THANK YOU YOSHII KAZUYA」は、大々的にバンド時代の楽曲をライブで披露しはじめたツアーだった。「楽園」「SPARK」「太陽が燃えている」「LOVE LOVE SHOW」と代表曲のオンパレードで、最終日には弾き語りで「JAM」も披露された。
バンド解散からの鬱屈した時期を抜け出し、派手なメイクも復活、まさに殻を破った新生・吉井和哉の姿がそこにはあった。
このツアーのハイライトは、バンド時代の楽曲群を差し置いて「BLACK COCK'S HORSE」だったと思う。原曲とはまるで別物と化したハードロックアレンジで、サビに至っては歌詞をごっそり削ぎ落とし「ALRIGHT!ALRIGHT!」と会場一体となって叫んでいた。曲の最後に吉井が叫んだ「もう俺はALRIGHTだぜ!」という言葉は、吉井和哉完全復活宣言にほかならない。
その模様を観てからというもの、「ALRIGHT!」と高らかに口にする吉井和哉にもう恐れるものはないのだ、無敵なのだ、と、そう思っている。だからこそ新曲「ALRIGHT」はよりリリカルに響いてくる。
なによりバンド自体、吉井和哉が主導しているものだということもある。
再集結にあたって「一度きり」では無さそうだという雰囲気、まさに復活の狼煙たる「ALRIGHT」、ファンの興奮は並のものではなかったに違いない。事実、自分がそうだ。
そして開幕したツアー初日では活動を続けることを宣言、吉井和哉の会員制サイトのブログには「もう解散しない」「生涯イエローモンキー」と明記された。
予想企画と多数のメディアによる全国生中継が実施されたリユニオンツアーの「1曲目」。
自分の予想は「プライマル。」であった。東京ドームでのライブを最後に活動休止となったバンドが、その少し後にリリースした実質のラストシングルである。
まるで解散をテーマにしたかのような卒業ソングで、実際その後バンドは解散という結末を迎えている。歌詞にイエローモンキーのフレーズを引用し、当時のマネージャーがファンであることを公言しているアイドルグループ「BiS」は解散にあたりこの楽曲をカバー、披露している。ファンにとって解散ソングとしての印象がかなり強い曲なのではないかと思う。
マイナスを掛け合せるとプラスになるように、卒業の卒業で再出発の初弾とするのではないか。なによりこの曲は当然ながら一度もライブで披露されたことがない曲である。ここからはじめる意味合いは大きくあるのではないかと思い、1曲目に予想した。
実際の思惑がどうかはわからないが、生中継された1曲目は予想が見事的中。オリジナルアーティストによる「プライマル。」の初パフォーマンスを全国に見せつけた。
当日はチケットが取れなかったためテレビでその模様を観ていたが、演奏からはまさにイエローモンキー!という音像と同時に、表情や音からも緊張が感じ取れた。
ラストのサビでようやく紗幕が降ろされると、歓声と共に露になるメンバー、スクリーンには4人の姿が同時に映し出される。ようやく互いの顔が見えたからか、それまでのパートとは打って変わって無邪気な笑顔を見せるアニーがとても印象的だった。
開演から8分ほど生中継される旨が新聞でも告知されていた。わずかに余った放送枠を使い、サプライズで2曲目でも中継が続いた。
1コーラスほどではあったが、流れた曲は「楽園」。
ここで冒頭の話と繋がるのだが、卒業の卒業でリスタートのオープニングを飾った「プライマル。」、そしてこのバンドで新たな地平へと旅立とうとする意思表示にも思える「楽園」からツアーは始まった。
吉井自身「第二期」と銘打ったTHE YELLOW MONKEY、僅かに観た初日の模様から、これからツアーを通して蘇ってゆくバンドのグルーヴに加え、新曲、アルバムへの期待が高まってゆく。
唯一チケットが取れた名古屋が楽しみで仕方がない。
そしてもちろん忘れてはいけない、今年の12月28日。何かあると思わずにはいられない。
書き忘れたがこの日は吉井和哉がシンガーとして初めてステージに立った日。バンド時代もソロになってからも、この日をメモリアルデーとして幾度となく伝説的なライブが行われてきた。
まだまだ興奮の種は絶えそうにもない。