ダーレーアラビアン、ゴドルフィンアラビアン、バイアリータークの三大始祖。現代のサラブレッドは全体の約99%がダーレーアラビアン系として繁栄。他の二つの血脈は稀少ではあるものの、わずかにその血は受け継がれている。
バリアリーターク系はシンボリルドルフ、トウカイテイオー、メジロマックイーンらが80~90年代に登場。現在は衰退の一途ではあるが、先日の2月12日、東京でエレディターレ(牝3歳)が新馬戦デビュー。父がギンザグリングラス、祖父がメジロマックイーンという血統。祖先を遡るとヘロド、そしてバイアリータークに辿り着く。実に貴重な血であり、後世に繋げていってほしい。競馬を楽しむにあたって、やはり血統のロマンは大きなファクターとなる。
三大始祖のもう一角、ゴドルフィンアラビアンの血脈は更に稀少だが、コマンドライン(牡3歳)の母父ディズワンダフルが、そのゴドルフィンアラビアンの末裔。違った系統の血が牝系に入って活躍馬を輩出することは珍しくなく、それは三冠馬コントレイルにも共通している(祖母の父がゴドルフィンアラビアン系)。異なる血をかけ合わせ、より速く、より強い馬を生み出すのがサラブレッド生産のルーツ。いつの時代もサラブレッド生産には異なる系譜の血を求める傾向はあるように思える。
競馬ブック美浦・厩舎取材班・松永篤