ch-furutake

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プロレス 格闘技の演出、映像屋です。

7月7日BSジャパン、7月8日〜テレビ東京「ヨーロッパ水風景」担当してます。
http://www.mizufukei.jp

7月7日BSジャパン、7月8日~テレビ東京「ヨーロッパ水風景」担当してます。http://www.mizufukei.jp
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先日、須山伯爵のtweetで「最近の映画音楽で、頭に残る楽曲がない」と言う様な主旨の呟きがされていました。なるほどなと思い、自分のVTR作成の時の事を書き留めたいと思います。

まず、通常のテレビ番組の音のつけ方を説明しますと、僕らディレクターが作ったVTRに音効さんと言う方々が音楽をつけてくれて、スタジオでミックスします。
だから、音効さんの腕というか、センスが物凄く左右するんですね。

ここで、プロレスの作業の話をすると、音効さんを雇う予算はまずないので、ディレクターが自ら選曲する事になります。
あと、最近は機械が優秀なので、編集した後、音声のタイムラインに音を乗せる事が出来、SEなんかあわせると何本にもなるトラックだけをOMFと言うファイルに書き出せるので、それをスタジオのミキサーに流し込めば、オペレーターがミックスしてくれる流れになっています。

元々僕が会場でVTRを流し出したのは、橋本真也さんのこZERO-ONEからで、その頃は、一応、作品にも合う感じのアップテンポや、マイナー進行の曲を選んでましたが、最近の会場VTRの流れは変わってきてます。沢山の団体でプロジェクターを使った演出がされていますが、最近の流れは、叙情詩的な作りになっています。NOAHさんなんかは、説明に徹した作りにはなっていますが…。

僕の選曲が明らかにかわったのは、アメリカのドラマ「コールドケース」が放送されてからです。アメリカは殺人の時効がないので、昔の殺人事件を追う課の話なのですが、この番組の選曲が秀逸。事件を追って過去の話になると当時の映像に切り替わって、当時流行っていた曲がBGとして流れます。ここで、郷愁を煽るのと、その歌詞が内容と合致するところがこの番組の素晴らしいところです。

この演出をなんとかプロレスに取り入れられないかと試行錯誤して現在に至っております。まあ、元はマーティン スコセッシュ監督とかがグッドフェローズとかでやり出した演出で、宮崎駿監督の風立ちぬとかもそうです。まあ、流行りなんですが。

僕の選曲のしかたは、取材の後、テーマを決めて選曲にかかります。選手の主張や、テーマと合致する曲を探して擦り切れるまで曲を聴き込むのですが、少し前は外国曲を多用してました。実は、外国曲も歌詞と内容を合わせていたのですが、普通、初見で聞いたら誰もわからないですよね。わかる人だけわかればいいや、くらいに思っていたのですが、最近は皆さんが聞き覚えのある曲をなるべく選曲しています。これは擦り込みと、先ほど少し話した郷愁感を煽ると言うものです。

曲を聴き込むと言うのは、曲の進行を頭に叩き込むと言う事で、大体、Aメロ、Bメロと進んで、サビが来るところで、VTRも盛り上げると言う作りになります。そうするために、フレーム単位で編集します。もちろん、リズムでカットかえたりもしています。そのあたり大切で、気持ちよくみれないんですね。ダラっと曲つけているわけではないんです。あと、ナレーションとインタビューでテンポも上げて行きます。何で、インタビューなのか?なんでナレーションなんだか?本人の気持ちまでナレーションで言ったらバカなんですね。

8/31に行われたアイスリボンのセミのVTRを例に言うと、前日の30日、藤本選手がダンプ選手との前哨戦終了後「今は土砂降りでもいつか晴れるから、皆で虹を見ましょう」と涙ながらに選手達に訴えたコメントを聞いて、ゆずの「雨のち晴レルヤ」に決めました。具体的に歌詞を書くと著作権にひっかかるので、あえて載せませんが、世羅選手の事、アイスリボンと言う団体、ダンプ選手との事とオーバーラップして聴けると思います。序章で使っている曲はドヴォルザークの「新世界より」でこれは「雨のち晴レルヤ」でも使われていてる事と、この闘いから新世界へとの意味で使用しまいた。

世羅選手の件は実は想定外だったので、後から「Beautiful World -PLANiTb Acoustica Mix-」を使用。ここはさらにマイナー進行させたかったので、アコギバージョンで行きましたら思ったよりハマり、「雨のち晴レルヤ」がアップテンポで、つなぎのショックが少し大きかったかもしれません。これは当初の撮影計画から変わってしまったからです。まあ、インタビュー物としてはそこが聞き手としては面白いところではありますが…。もちろん、こちらも歌詞ありきです。

と、いつもよりも長く書いてしまったかもしれませんが、会場一発勝負(その後、サムライで流れることもありますが)で、歴史にも残らないVTR群ですが、こんな事、考えながら作ってます。次回、見ていただける機会がありましたら、少し色々な事、想像してみていただけると良いかなと。

PS 年末、TBSチャンネルでやっていた「悪魔のようなあいつ」は子供の時見たきりで久々にみたら、本編の内容と、最後に沢田研二が弾き語る「時の過ぎ行くままに」がリンクして素晴らしかった!阿久悠さんの作詞、長谷川和彦さんの脚本、この様な作品が今後、日本のテレビドラマで生まれてほしいです
2月16日に大谷晋二郎選手の結婚披露宴が行われた。

昨年の11月くらいだったか、大谷選手から電話があって「古さん、2月に披露宴するから出席して下さい」とご連絡いただいた。勿論、二つ返事で「行かせていただきます」と。その時、同時に結婚式のVTR、ご祝儀で僕達でつくりますよとお伝えした。

僕達とは、サムライTVでゼロワンに関わっていたスタッフ、関係者。

僕と大谷選手の関係はZERO-ONE旗揚げからで、インディーしか経験の無い僕はメジャー経験のある人達との仕事でとまどいも沢山あったのを覚えている。

そんな中、サムライTVでの唯一、放送していたZERO-ONEだったので(当時)、サムライ的にはプッシュする為に、中継は月二本、情報番組月一本と、担当の僕は月のほとんどをZERO-ONEの人達と過ごす事になった。

情報番組と言うのは「ch.01」。最終的には僕が逮捕されて終了すると噂になる番組で、
人権保護団体からクレームが来て、放送翌日の生ニュース番組で謝罪とか、怒られた記憶も沢山。

そんな中、エースだった大谷さんはメインのロケ企画には必ず出てもらっていて、楽しい事もあったが、MAXになってからは社長と言う肩書きもあって、僕がめちゃくちゃにした後に、僕のかわりに皆に謝ってくれたり、社長としてがんばっている姿を見ていた。

僕がゼロワンを離れ、DDTの映像班に移り、入江忠弘選手に手紙を書いてほしいと言う無理なお願いも、二つ返事で気持ち良く書いてくれた事も。

そんな、僕が迷惑ばかりかけて、恩義しか感じない人の結婚式になにか協力してあげないと僕がバチ当たると思い(結構、バチ当たってますが)、ここは、お世話になった人達でVTRを作ってあげたいなと考え、僕が考えつく人達に連絡し、快諾を得ました(参加していただいた方は後ほど記述します)。

オープニング等の映像も制作しましたが、僕の大仕事は馴初めのVTRを作る事。
僕もゼロワンを離れて、8年だと大谷選手から言われました。
久々に多くの時間を大谷選手と奥様と過ごし僕なりにお二人に出来る事を考えたのは「お互い思っている事をVTRで伝える」と言う事でした。僕と奥様、大谷選手と個別に秘密のメールのやりとりや電話で構成を考えて最後に思いついたのは、VTRの終わりに「さらに大谷選手の気持ちを山口弁の歌を生で伝える」と言う事でした。これは彼女しか出来ないと思い、あべ由紀子さんに連絡。

あべちゃんは、アイドル目指して上京。プロレス好きが昂じてサムライTVのキャスター等を経験して、大谷選手にもご飯ごちそうになたりしている間柄。

まず僕が決めた楽曲は「三日月」。理由は二人は遠距離恋愛だったと言う事と「悲しさ」と言うキーワード。あと少し別れ歌っぽいところがあるので、僕とあべちゃんで別れない様にして、山口弁を入れました。

あべちゃんにはVTRの内容を教えていなかったので当日までただの山口弁の替え歌を練習させられていると思っていたと思います。

当日、やっぱりあべちゃんにVTRを見せようと三代目のゼロワンディレクターの柿崎君と相談して、あべを映像をコントロールしている場所に呼び見せました。結果は号泣して「唄えない」と…。
これは僕の映像が良いワケでもなんでもなくて、彼女が歌の歌詞に入り込んでしまったのです。「VTRでの内容と歌詞の内容がリンクして、二つで僕の大谷夫妻への作品は完成する」とあべちゃんにもう一度説明してましたが、「大谷さんの顔みたら絶対泣く」とあべちゃん。「あべちゃんが失敗したら全ておじゃんだ!」とケツを叩いて、ギリギリまで追いつめました。

結果は見事に唄ってくれて大成功、大谷夫妻も大変喜んでくれました。
彼女の熱唱は最後、高砂に向かい二人の前で唄ったのですが、最後は感極まって泣いてしまいました。終わってから「最後泣いてしまってごめんなさい」と言ってきましたが、僕は100点と伝えました。あそこはそれが正解と言うか、あそこで泣くからあべちゃんの気持ちが伝わったと思います。やりとげてくれたあべちゃんには感謝しておりますし、彼女の歌がなければ今回の作品は完成とはなりませんでした。大役を勤めてくれた事をここでもう一度お礼を言いたいと思います。

本来、僕等の子供時代の歌と言うのは背景(言い方が難しいですね)が見えたと思います。
今回、あべちゃんが歌詞をもう一度見て感極まったのは背景がイメージできたからだと思います。
彼女にも言いましたが、プロなんだから歌が上手いのは当たり前で、その歌に込められた気持ち等を聞き手に伝えるのが本当の歌手だと僕は思っています。今回の事で理解してくれた様な気がしました。歌の事なんか全然、素人の僕ですが…。

昨日は(2月19日)はあべちゃんの誕生日でした。
最後に作詞家の阿久悠先生の言葉をあべちゃんに送りたいと思います。
「感動する話は長い、短いではない。3分の歌も2時間の映画も感動の密度は同じである 」

今回、大谷夫妻に音声だけ快く公開の許可をいただいたので、ここで見せると言うよりお聞かせしようと思います。差し詰めラジオドラマみたいになってますが、最後の歌は映像付きです。



冒頭のナレーションは三田佐代子アナと当時実況してもらっていた塩野潤二さん。(今回は入ってません)

ZERO-ONE時代、新日本時代の大谷選手の声は現在の実況を担当している高橋大輔さん。
高校、幼少期は「袈裟切りゼロワン」でイラストを担当していただいていたメソポ田宮文明先生のご子息お二人。夫人の子供時代は僕の娘。中、高校時代はスターダムのコグマ選手(直接は彼女はそれほど関係はないですが)、成年期は声優の斎藤綾さん。
OPタイトルは中継のADをしてくれていた喜多淳君。撮影手伝いと機材の手配をch.01でADやってくれていた佐古俊介君。素材の手配と当日のスイッチングを三代目ディレクターの柿崎浩二君。もろもろ手伝い二代目ディレクターの北島清次君。当日の撮影に中継ADだった木村栄君と鈴木マタロー君。当時の資料とかを集めてくれた元スポーツニッポンの丸井乙生さん。週プロの編集部。新日本の武田さん、ビデオパックの下島君も相談にのってくれました。皆さんありがとう。僕も昔を思い出せました。ゼロワンは僕の青春でした。大谷夫妻、末永くお幸せに!
「翔んだカップル」と言うテレビドラマが80年代に制作されていて、関西では夕方に放送されていました。勿論、元は柳沢きみおさんの漫画作品。

今回何故、この番組の話をするかと言うと、1月26日に行われた「スターダム3周年記念日」のOP映像について説明がないとまた、全くわけのわからな懐メロを僕がまた使っていると思われるかとサムライでの放送前日にブログに書く事にしました。

26日のOPは二段階になっていて、全選手にこの3年間での思い出の試合を振り返ってもらうのと、対戦カード紹介となっています。

まず、3年間の振り返りですが、昨年までのものだと一試合数秒に凝縮されたダイジェスト。最初は昨年作られたモノに、去年の試合を足したモノにしようと考えておりましたが、年末のエンディングで同じ様な思考の映像を流したのでそれではせっかく来てくれているお客様に申し訳ないと、考えた末出たのが「NG集」です。

ここで「翔んだカップル」に戻るわけですが、この番組の目玉は「今週のNG集」と言うコーナーがあって、番組の最後にたぶん、日本のテレビでは最初であろう、その週に起こったNGを見せるコーナーがあったのです。我々は本編よりこちらを楽しみにしていた事もあったかと思い出されます…。



そんな予備知識をもってもらってスターダムに又、もどりますが、普通に思い出の試合を語ってもらっても仕方が無いので、「恥ずかしかった思い出」や「失敗した思い出」を聞き出しました。こちらとしては、何とも思っていない事も本人は恥ずかしかったり悔しい思い出もあるようです。
ちなみに必見は宝城カイリ選手で、「謎の歌を歌いながら入場」して長与千種さんからも酷評されたと言うもの。これは本放送的にはカットされていたそうで、今回初めて会場で見た人以外の目に触れます。
最後は高橋奈苗選手ですが、彼女だけは恥ずかしいとか悔しい等の思い出ではなく、嬉しかった思い出。これはコンセプトから外れますが高橋選手の「リング上は全て私だから、恥ずかしい事なんて何も無い」と言う言葉が、スターダムの全選手へ向けての今回のテーマの答えではないかと思い、そのまま採用しました。が、その後、実は後ろでかかっている曲(飛んだカップルのエンディングテーマ「僕等のダイアリー」)が高橋選手と実況の村田さんのデュエットと言う事がわかり更に生き恥になる感じの構成になってはおりますが…。

若干、蛇足になりますが、VTR冒頭のアタック音もそれらしく作り、歌詞の内容も少し変えてます。僕に文才があれば、もう少し面白い歌詞になったのですが、ただの替え歌レベルになってます。

そんな事で今回のOPに「僕等のダイアリー」を使った理由でした。

こんなしょうもない解説ですが、以前、DDTで映像を担当させていただいていた時に、大家代表と紫雷美央選手のVTRに「僕等のダイアリー」を使ったところ、高木大社長から「これなんでしたっけ?」とテレビっ子の高木さんすら忘れていたので今回、ブログで書く事にしました、あしからず。

対戦カード読みの「君は天然色」は追悼、大瀧詠一さんと言う事と歌詞の引用です。
「思い出はモノ…」てところですね。全部書くと問題あるようなので。

今回も曲演奏をRahuさんに協力していただいてます。前回もそうですがアレンジから全てやり直してもらって生演奏してもらっています。いつも迷惑おかけしております、この場をかりてお礼申し上げます。

今回はスターダム版の「僕等のダイアリー」と「君は天然色」を曲だけですが視聴できるようにしておきました。サムライの放送まで堪能下さい。

放送スケジュール

[FIGHTING TV サムライ]
2月13日(木) 後10:00 2月14日(金) 前8:00 2月14日(金) 後8:00 2月16日(日) 深0:00 2月19日(水) 後6:00 2月23日(日) 深2:00 2月28日(金) 後1:00

[サムライ2]
2月13日(木) 後10:00 2月14日(金) 前8:00





PS. 対戦カード紹介ではカードが出る前に全選手の3年前の写真がでます(一人例外あり)そちらも必見です