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引退記者会見

先日、引退会見を行わせて頂きました。

最初で最後の経験だったけど、思っていた以上に喋れなかった。質問はある程度予想してたけど、緊張してたから…というより、自分の中では、まだ整理できていないことが沢山あるなぁと。

引退理由は極めてシンプルなもので、「プロ選手としての能力に限界を感じたから」だ。

俺の中で、プロサッカー選手は「出てナンボ」「スタメンで90分出る」というのがステータスだった。それができない自分に、騙し騙しやり続ける事は出来なかった。

去年の12月に膝の手術をして、満身創痍で迎えた今シーズン、復帰してプレーしていても、”もどかしさ”しかなかった。プレー中に「えっ?」と思うことが多々あったし、イメージでは成功していても、実際プレーすると上手くいかない。自分の強みでもあった1vs1の局面では、勝負する前に頭の中で「抜けない・・・仕掛けたら取られる」とストップが掛かってしまう。守備でも、他の若い選手のように対応できない。攻撃的なポジションの自分にとって、本来仕事をするエリアはゴール前のはずなのに、どんどん中盤エリアに遠ざかっていってる。悲しいかな、この部分は数年前から感じていたことだった。

一つ一つ挙げればキリがないが、これは受け入れるべき事実だし、契約してくれるからといって、また来年もこの”もどかしさ”の中でプレーすることは、自分に嘘をついているみたいで耐えられないと思った。

メンタルも折れた。

試合に出れない事はこれまでもあったが、「俺が負けるわけがない!」と、誰よりも自分自身を信じてプレーし続けることができた。しかし、今はそう思えない。何故なら、自分自身を冷静に評価できると思っているから。

周りの人には分からない、理解できないことがあるかもしれない。でも、上に書いたように、その事実を認め、受け入れたはずの自分には、どうしても嘘をつけなかった。

いつかは来る「引退」の日、幸い自分で決めることが出来た。誰かに「終わりだよ。」って決められた訳ではない。自分で決められたことに(他人にはどうでもいいかもしれないが…)何とかプライドを保つことができた。

今後については未定だけど、自分の中にもプランはある。それは、ぼんやりしたものではなく、ハッキリと描かれたものだ。これまでプロサッカー選手として真っ直ぐ歩んできたように、これから大好きなサッカーを通じて、自分らしく、ガムシャラに、突っ走って行きたいと思う。

残り4試合、残された日々を一歩一歩噛み締めながら、少しでも悔いを小さくできるように、ピッチの上で躍動できたらなと思う。

支えてくれた多くの方たちへ、感謝の気持ちは伝えきれないほど溢れている。本当に、本当に、心から…ありがとう!

最後まで宜しくお願いします。







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