今日は訃報が相次いでいる。


まず音楽プロデューサーの佐久間正英氏。僕は彼がどのように偉大なのか、不勉強にして知らないので的確なコメントができないが、多くの方が彼の死を悼んでいる。


詩人の吉野弘氏。合唱人である僕にとっての彼は、やはり「心の四季」だ。日本の合唱曲の中で、極めて数少ない、何年たっても色あせそうにない名曲だと思っている。


そして何と言っても、世界的指揮者のクラディオ・アバド氏。世界中で、数えきれないほどの人々の悲しみが共有されているであろう。僕が彼の実演を見たのは、ベルリンのフィルハーモニーでのベルリンフィル定期公演一回だけ、じゃないかな。ただ音源はそれなりに聴いた。ただし多すぎて、とても網羅しきれず、自分が聴いたのは一部分。初期のロンドン響との諸録音が良かった。
余り語られないかもしれないが、僕にとってアバド氏と言えば、独唱、あるいは声楽付きの曲、それも現代曲を、積極的にとりあげた偉人だと思っている。前述したように音源を網羅することは無理だが、僕が聴いたことがあるものの幾つかは、彼しかやってくれないような仕事だった。どんな現代曲であっても、何だって暗譜で指揮してしまう姿を見ていると、僕の音楽的な能力などゼロだと感じる。凄いとか平凡な言葉では表現できない。


故人達のご冥福をお祈りいたします。