新産業の育成にも力を入れる。特に医療機器産業参入に関心を示す中小製造業も多く、県内には大手医療機器メーカーのほか、千葉大医学部やかずさDNA研究所などの機関が集積する。県は医工連携を推進するネットワーク組織の立ち上げを準備中。同組織で産業力を強化する。 農業分野でも新たな一手を打つ。県の農業産出額は4153億円(12年生産農業所得統計)と全国3位。地域資源を引き出すため、農業ビジネスの6次産業化や海外進出を支援する。エネルギー分野でも将来の県内企業参入を見据え、洋上風力や波力など三方が海に面する地理的特性を生かした海洋再生可能エネルギーの導入の可能性を探る。 県経済の牽引(けんいん)役である既存産業の強化と次代を担う新たなプレーヤーの育成。二つを両輪に、県は次の目的地に羅針盤の針を合わせようとしている。 【事例/藤井製作所-医療分野で連携、県の支援に期待】 藤井製作所(千葉県柏市、藤井秀美社長、04・7143・7136)は自動車、工業用ミシン部品などを手がける。2011年から、がんの陽子線治療用器具として使われるボーラスとコリメータの加工を始め、なた豆茶 の医療分野に参入した。現在も継続的に受注が舞い込む。 なた豆茶 のきっかけは、製造会社を探していた国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)からの「ホームページ(HP)を見た」という連絡だった。