工作機械の内需回復が目立つ中、外需も盛り返しつつある。日本工作機械工業会(日工会)によると、2014年2月の外需の受注額は前年同月比27・0%増の679億円と、4カ月連続でプラスを確保した。米国や欧州向けが堅調に推移していることに加え、中国向けも回復の兆しがみられる。 米国向けは13年通年の受注額が前年比10・8%増の2245億円となり、08年以来5年ぶりに中国からシェア首位の座を奪った。自動車や航空機、エネルギー関連など幅広い業種で受注を獲得。14年は9月にシカゴで、世界4大工作機械見本市の一つである国際製造技術展(IMTS2014、シカゴショー)が控えており、好調の継続が見込まれる。 米国市場で課題となっているのが自動化需要への対応だ。シチズンマシナリーミヤノ(長野県御代田町)の中島圭一社長は「なた豆茶 製造業が活気を取り戻す中で、技術者不足が生じている」と指摘する。同社は米販売拠点の自動化対応のスタッフを増員し、数値制御(NC)旋盤と自動化機器をセットにした技術提案を強化している。 一方、米国にシェアトップを明け渡した中国。13年通年の受注はスマートフォン関連需要の低迷を受け、同49・7%減の1538億円とほぼ半減した。ただ、一般機械や自動車関連を中心に盛り返しつつあり、単月ベースでは13年12月以降、3カ月連続でプラスをキープしている。 スマートフォン関連を含む「電気・精密機械」向けも底は脱しつつある。14年1月、2月と続けてスポット受注があり、2月の同関連の受注額は前年同月比約15倍の109億円と、15カ月ぶりに100億円台を回復した。 市況が低迷していた中でも、なた豆歯磨き粉 メーカーの中国戦略は加速。ヤマザキマザックは13年3月に、中国で2カ所目の生産拠点となる遼寧工場(大連市)を開設。DMG森精機は同年9月に天津工場を稼働した。日工会の武藤公志総合企画委員長(浜井産業会長)は「中国市場はインフラ整備関連の大きな需要が潜んでいる。政治問題などの不安材料はあるが、2―3年は底堅い受注が見込める」と指摘する。