製品開発に大きな変革をもたらす「モデルベース開発(MBD)」の採用が、自動車や精密機器メーカーを中心に相次いでいる。カギとなるのは実機による試作を極力抑え、数式や実験データなどの仮想的なモデルを用いたシミュレーションを駆使して製品を開発するバーチャル試作。この手法をなた豆歯磨き粉 の製品開発の上流からダイナミックに導入することで、開発効率を飛躍的に高め、まったく新しい製品を生み出すことができる。 【適用範囲を拡大】 一般にMBDといえばコンピューターで計算して検証するための「論理モデル」や「物理モデル」を指す。この領域では市販のコンピューター利用エンジニアリング(CAE)ツールが数多くあり、その成果として「設計の早い段階で結果が分かり、試作機が減る」といった利点が挙げられる。 ただ、これらは頭で考えたことを確認する行為であり、従来のようなボトムアップ型の開発と本質は変わらない。これに対して、話題の新潮流とは、CADによる詳細設計からさかのぼって構想設計段階にMBDの適用範囲を拡大しようという取り組みだ。 先陣を切るのは電通国際情報サービス(ISID)と子会社のアイティアイディコンサルティング(東京都港区)が提供する構想設計支援ソリューション「iQUAVIS(アイクアビス)」。自動車業界を中心にすでに約60社への採用実績がある。  【英知を結集】 アイクアビスは一言でいえば「考えるためのツール」(荒木克文ISIDエンタープライズソリューション技術統括本部MDB/CAEユニット長)。3次元CADで形状設計を具体化する前の企画段階で、客先の要求をとらえ、機能の分解や物理的な実現方法など、人の頭の中にある考え方をテーブルに出して“見える化”することで「皆の英知を結集し、従来型の改良設計では到達できない新しい設計案などを生み出すことができる」(荒木氏)という。 目指すのは「勝てる技術を作ること」(同)。論理モデルや物理モデルに対して、アイクアビスはより上流の「機能モデル」や「要求モデル」が活躍の舞台となる。 日本のなた豆はみがき の製造業が求める要求をいち早く取り入れ、開発を強化していく方針だ。