ビデオワールド 映画相談人(シネマ・コンシェルジュ)日記

昨日観た映画についての雑記帖

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『スウィーニー・トッド フリート街の悪夢の理髪師』

日比谷に家内と、

『ヒトラーの贋札』を観に行ったら、満員で入れず。

仕方ないので、優雅に銀ぶら。

東銀座にたどり着いたら、

目の前に東劇が!

上映映画は『スウィーニー・トッド』。

まるで私たちを待っていたかのように、

上映時間がピッタリ!

これはもう逃れられない“運命”と思い、

二人で劇場に!


いやぁ~、東劇って初めて来たけど、

(だって銀座まで遠いもん!)

昔ながらの映画館って良いですね~。

シネコンにはない味がございます。

何かワクワクしちゃいました。


で、『スウィーニー・トッド』。

映画史上初の血まみれミュージカルでした。

とは言え、踊りのシーンは殆どないので、

正確には歌劇です。

デップも、ヘレナ・ボナムも、

そしてアラン・リックマンも地声で歌ってます。


見せ場になっているのは、

スプラッター・シーン。

デップが人の喉首を切って、切って、切りまくります。

物語の方は、

盛り上がりに欠けます。

クライマックスは、

日本の“人の業と因果”を主題にした

昔話みたいに、悲劇に向ってまっしぐらなんですけど、

さらりとしてて、ドド~ンと迫るものがないんです。

そもそもの企画の根幹である、

ミュージカル仕立てが作品を軽くしているんではないでしょうか?


観終わった後、家内、曰く。

「キャラクターの処理が中途半端だったわ。

 奥さんや娘とのからみや、ヘレナになついた子供とか、

 娘の相手役の青年とかの話がグダグダに終わるし~。

 ラストなんて、もう1シーンぐらいあってもいいのに」

「そだね」

「スウィーニー・トッドのキャラがよく判らないんだよね~。

復讐とミートパイのネタ仕入れが繋がってないのよ」

「理屈じゃないのよ。トッドは異常者ってことなんでしょ」

「そんなヤツを主人公にする、普通?」

「バートンなら、するよ。だってオタクのイジメラレっ子だもん。

歪んでるもん」

「わかるけど…。

 デップの歌が歌い終わらないからって、同じような喉切りシーンを

 いつまでも見せるとことか芸がないよね」

「そだね」

『ウィンチェスター銃73』

最近、仕事がドタバタして、あまり映画が観れません。

楽しみにしてくれている皆さん、ごめんなさい。


ところで、映画を観るのには、

モチベーションが大事ですよね。

「この映画、観たい」なんて言っても、

そんな映画が沢山あるわけで、

モチベーションがなければ、絶対観ません。


で、この前、西部劇に理解を示した青年と会話して、

とある映画を見直す気になりました。

タイトルは『ウィンチェスター銃73』。

主演はジェームズ・スチュアート。

監督はアンソニー・マン。

50年代の西部劇に新風を巻き起こしたと

評価されている作品です。


これを初めて見たのは、

今から十数年前。

当時の感想は普通~。

若い私はどうして、この映画が

それほど評価されたのか判りませんでした。

それがずっと気になっていて、

いつか見直そうと思っていたのです。


で、今回、若者との会話の中で、

この作品のタイトルが出て、

しかも若者が“アンソニー・マン”の名を知らないことを知って、

こりゃ、見直さなきゃならんなと思った次第。


見直した結果は、

「なるほど、これは当時、評判になるわ」ってもの。

まず、スチュアートの行動動機。

普通の西部劇なら、物語の最初からそれが明らかにされるものですが、

本作の場合は伏せ札。

物語の進行に併せて小出しにしていきます。

この仕掛けが物語への興味を引っ張り続けてるんです。

で、クライマックスの手前で動機のすべてが明かされます。

もっとも勘の良い観客は途中で種に、

ウスウス感ずいてしまうんですけどね。


もうひとつは、物語の構成です。

最後の“びっくり”のために、主人公の動機を伏せ札にしていますが、

これだと観客の中にはしびれを切らす人が出てくるかもしれません。

そこで作り手たちは、タイトルになっている、

千に一つの名銃ウィンチェスター銃を

リレー式に手にしていく人々の物語をオムニバスのように展開させます。

しかもただエピソードをつなげるだけではありません。

それぞれのエピソードに西部劇ならではのエピソードを用意するのです。

インディアンの襲撃であったり、射撃大会であったり、

アウトロー対保安官の銃撃戦であったりです。

つまり、この映画一本で西部劇の醍醐味をすべて楽しむことが出来るのです。

この幕の内弁当の構成は、

シネラマ超大作『西部開拓史』なんかでも使われていますが、

この映画のすごいところは、それを93分というタイトな上映時間の中で、

過不足なくやっていることです。


そして、最後はクライマックスの決闘です。

普通の西部劇では決闘は両者、同じ地平上に立って行われます。

しかし本作では岩山の上下で行われるのです。

今ではこういうアクション・シーンの変化の付け方は珍しくもありませんが、

左右の決闘しか知らない当時の観客が、

本作の上下の決闘を観た時の衝撃は、

それはそれは大したものだったと想像出来ます。


という訳で、以前、観た時はピンと来なかった

『ウィンチェスター銃73』。

改めて見直すと、新たな発見がいろいろありました。

常々、人に言っている、

「映画は変わらないけど、人は変わる」という言葉を

自分自身で実感した次第です。

『空飛ぶモンティ・パイソン』

『空飛ぶモンティ・パイソン』の一エピソードを、一人で。


ソニーがリリースした『空飛ぶモンティ・パイソン』のDVD-BOX。

これには、なんと、76年の日本放映時の日本語吹替音声が完全収録。

メンバーがすごいんです。

広川太一郎、山田康雄、青野武、納谷五郎、飯塚昭三に古川登志夫

(一部は初代マスオさんの近石真介が参加)。

この日本語吹替、神業と呼ばれ、

長きに渡って語り継がれていました。

そんな重要無形文化財とも云える音源がDVDに収録されるなんて、

ほんと、いい時代になりましたね~。


とりあえず、一つ、見てみましたけど、

上記のメンバーのセリフ廻しを聞いているだけで、

大笑い。

いや、ほんと、すごいや、昔の声優さんは!


ちなみにDVDで楽しめる、

重要無形文化財吹替は、

山田康雄なら、『シノーラ』(イーストウッド!)、『悪魔の追跡』(フォンダ!)

広川太一郎なら、『Mr.BOO』『バットマン/オリジナル・ムービー』

『ダンディ2』『華麗なるギャツビー』(レッドフォード!)

『大統領の陰謀/2枚組』

納谷悟郎なら、『猿の惑星/アルティメット・エディション』

小池朝雄なら『フレンチ・コネクション1&2』

大塚周夫、森山周一郎なら、『ホワイト・バッファロー』

『軍用列車』『狼よさらば』『ストリートファイター』(ブロンソン!)

野沢那智なら『大統領の陰謀/2枚組』(ホフマン!)

『狼たちの午後/2枚組』

小林昭二なら『100万ドルの血闘』(ジョン・ウェイン!)

羽佐間道夫&小原の梨子なら『アニー・ホール』、

向井真理子なら『お熱いのがお好き』(太一郎も参加!)

そして、オールスターなら、

『荒野の七人』


私の好きなのはこんなものですが、

40代の映画少年の方々、

皆さんがこれはって思うのは、何ですか?

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