こちらは、2021年10月(当時84歳)公開のインタビューです。

 

「いい音楽とは何か」をテーマに、シベリウス(1865-1957)との出合いを熱く語っています。

 

 

2020年初夏、まさに「コロナ禍」の最中に撮影された動画ですが、翌年、「完全版」として、「一般公開」されたものです(「7曲」が演奏されています)。

 

 

 

こちらは、2020年10月、「演奏生活60年」を期に、フィンランドの首都、ヘルシンキにある「かもめ食堂」が協力し、撮影された動画です(英語)。

 

この動画では、「奥様」であるマリアさんも同席されていますが、残念なことに、昨年(2023年)「他界」されたということで、今回のピアノ・リサイタルは、そうした中での「開催」でした...。

 

 

 

(関連記事)「かもめ食堂」(フィンランド・ヘルシンキ)について

 

 

 

 

こちらも最近の、ますます「精力的」な活動を物語っている「インタビュー映像」です。

 

昨年初め、2023年1月(当時86歳)に公開された動画です。

 

 

 

 

 

 

 

 

舘野泉さん公式サイト

 

 

 

「クラシック音楽」がテ―マの記事一覧

 

 

「器楽曲(鍵盤楽器)」がテ―マの記事一覧

 

 

 

さて...

 

 

 

5月18日土曜日は、日本を代表する「世界的ピアニスト」、舘野泉さん(1936-)のリサイタルのため、「ハーモニーホールふくい」まで足を運んで来ました(19時開演)。

 

 

 

(デジタルチラシ)

https://www.hhf.jp/files/cu_custom_field/blog/3/blog_posts/2024/03/00002924_filelink01_file.pdf

 

 

 

「ハーモニーホールふくい」公式サイト

 

 

 

 

近年は、「コロナ禍」ということもありましたが、舘野泉さんもすでに「高齢」ということもあり、「金沢」での音楽祭ではその名を見かけても、なかなか、福井までは来ていただけてなかったように思います...。

 

 

 

今回も、もし、「福井新聞」さんの記事(4月14日付け)を見落としていたとしたら「大惨事」になっていたところですが、とりあえず、前回の、息子、ヤンネ舘野さん(1975-)も同伴された、「鯖江市文化センタ―」での公演からは8年ぶり(2016年11月23日)、そして、「ハーモニーホールふくい」ということでは、さらにその前年の、2015年10月28日以来、「9年ぶり」ということになりました。

 

 

(今回、「福井新聞」の記事は、「D刊(有料)」のため、ここには、載せることが出来ませんでした)

 

 

 

「前回公演」時の記事(2016年11月24日付け)

 

 

 

 

この舘野泉さんは、「左手のピアニスト」としてご存じの方も多いかと思いますが、1990年、91年と、「2年連続」で、現在も続く「武生国際音楽祭」(越前市)の、その「前身」である、「フィンランド音楽祭」「音楽監督」を務められた方でもあります。

 

 

私自身、何度か、舘野泉さんに声をかける機会に恵まれたのですが、やはり、大変「貴重」な経験であったと、今でも思い出しますね。

 

 

2002年1月、フィンランドでの公演の最中に、「脳出血」のため倒れたというニュースは、私にとっても、大変「衝撃的」なものでした。

 

 

「音楽祭」を離れたとはいえ、舘野さんは、その後も何度か、「単独」で福井を訪れており、その公演の度に、私も、足を運んでいたからです。

 

 

「左手のピアニスト」として、演奏活動を再開された後の公演では、2006年11月17日(「ハーモニーホールふくい」)が「初めて」で、その時の「感動」は、当時、「福井新聞」の「こだま」欄にも掲載していただきましたが、とにかく、「左手」のみでも紡ぎ出される、その「力強い」音楽は、本当にただ、「驚き」でしかありませんでした。

 

 

 

(参考)「武生国際音楽祭2024」公式サイトより

 

 

(舘野泉さんは、「武生国際音楽祭」が「30年以上も続いていること」について、「大変なことだ」と、「賛辞」を述べられてもいます。本当にありがとうございます)

 

 

 

 

今回の公演は、やはり舘野さんらしく、「全席自由」(「小ホール」)ということでしたが、チケットは、4月27日、「ハーモニーホールふくい」に、直接購入しに行きました。

 

 

 

そして当日、入場してみてビックリ!!

 

 

 

いかにも「ピアノソロ」向けという「小ホール」で、今回、「2階席は使用しない」(1階の「340席」のみ)ということでしたが、一部「当日売り」もあったようながら、もう、ほぼ完全に「満席」といった様子でもあり、「ギリギリ」まで入場を粘った私が、よく、「特等席」(たぶん、「え-4」。左手前方で、「鍵盤」もよく見える位置です)にありつけたものだと思いました(このブロックで空いていた席は「ここだけ」で、「係の人」に案内していただきました)。

 

 

 

すでに「高齢」で、「自力歩行が難しい」様子で(「立ち上がる」ことは「可能」です)、「車いす」に乗って登場というのは、やはり「衝撃的」ではありましたが、それ以外は、実に「達者」なご様子で、体調もとても「良さそう」に見えた舘野泉さんは、いかにも「上機嫌」で、「滑舌」もよく、1曲1曲を、丁寧に「レクチャー」しながら、時には、私たちを、「笑わせて」くれたりもしていましたね。

 

 

 

舘野さんのピアノはやはり、「日本(和)と北欧の融合」といった趣が強く、それはずっと、「変わってはいない」と思います。

 

 

今回の公演でも、それを、充分に感じることが出来ました。

 

 

 

やはり、長年の「リハビリ」の成果もあるのか、「脳出血」で倒れたとは信じられないくらいに若々しく、「右手」も、「右利きの健常者の左手」くらいには、「自然に動かせている」といった印象でした。

 

 

そのまま、「両手」でも弾けそうな感じも受けましたが、そうすると今度は、逆に「力強さがなくなってしまう」(=「プロの演奏ではない」)からか、あえて、「左手のみ」で押し通しているような感じでしたかね。

 

 

 

いずれにしても、「常人」からしてみれば、まさに「驚異」としか、言うことが出来ないでしょう。

 

 

 

今回のプログラムではもちろん、舘野さんのために書かれた作品が「大半」を占めていますが、その「どれも」が、「両手で弾くのと同じくらいの効果を求めている」曲ばかりでした。

 

 

(具体的には、「腕全体」で低音部の「和音」を叩くようにしながら、指で「旋律」を弾くなどといった感じ...)

 

 

 

舘野さん自身も「無茶苦茶だ」と言っているくらい、「ダイナミックさ」を求める曲が多いのも「驚き」でしたが、それを、「力強く」弾き切る舘野さんも、本当に「驚き」でした(「引退」するピアニストも多い年代なのに、いまだに、「50~60歳代」みたいだった...)

 

 

 

途中、「20分間」の休憩をはさんでの「約2時間」...。

 

 

 

本当に、「見事」なステージだったと思います!!

 

 

 

 

せっかくなので、舘野泉さんの演奏を、もう少し載せておくことにしましょう。

 

 

 

シベリウス「5つの小品(樹の組曲) op.75」より、「第5曲 もみの木」

(こちらは、もちろん、「両手時代」の録音となります)

 

 

 

この曲について書いている記事

 

 

 

 

こちらは、2020年11月10日(=「84歳」の誕生日)、「演奏生活60周年記念コンサート」の模様ですね(ダイジェスト)。

 

 

翌2021年2月11日の公演から、J.S.バッハ(1685-1750)「シャコンヌ(「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」より)」(ブラームスによる「左手用編曲版」)。

 

 

 

この曲についての記事

 

 

 

 

そして、今回の公演でも弾かれた曲、光永浩一郎(1966-)「サムライ」(舘野泉に捧ぐ)。

(こちらは、2016年7月2日の公演からの映像で、過去の記事にも貼り付けています)

 

 

 

 

そして最後に、やはり今回も、「アンコール最終曲」として弾かれた、カッチーニの「アヴェマリア」をどうぞ...。

 

 

 

 

思えば、このコンサートの「直前」となる5月2日には、やはり「現役ピアニスト」であった、フジコ・ヘミングさん(1931.12.05-2024.04.21)の「訃報」がありましたね。

 

 

フジコ・ヘミングさんのご冥福を、今はただ、お祈りするばかりですが、同氏もまた、「高齢」になってからも、「よく活躍された」と思いましたね...。

 

 

 

私が舘野泉さんと出会ってからも、もう「30年以上」が過ぎているわけで、当時、「生意気な若僧」だった私も、いまや、当時の舘野さんと「同じ年齢」ということになりました。

 

 

そしてこの日、その前日(17日)に、やはり「94歳」で、元「福井県知事」(先々代)であった、栗田幸雄氏(1930.04.06-2024.05.17)が亡くなられたことを知りましたが、この栗田元知事こそ、この「ハーモニーホールふくい」をはじめ、「福井県立恐竜博物館」の建設、また、「北陸新幹線敦賀延伸」に、「最も尽力した知事」でもあったのです...。

 

 

 

謹んで、ご冥福をお祈りしたいと思います。

 

 

 

 

...そうしたことも思いながらの、今回の「ハーモニーホールふくい」での公演でしたが、その「会場」に「自転車」で向かう際、「国道8号」の、いわゆる「下河北(しもこぎた)陸橋」にて、「初めて」、「オーバークロス」する「新幹線(列車)」を、「間近」に見ることが出来ました!! (まさに「最接近」!!...)

 

 

18時20分過ぎのことですから、たぶん、福井駅18時25分着の上り「つるぎ36号」で間違いないでしょう。

 

 

 

これまでは、ちょっと「タイミング」が合いませんでしたが、今回は「ツイて」いたと思いましたね。

 

 

 

「帰り」はすっかり「真っ暗(特に「足もと」)」で、ちょっと「怖い」国道8号でしたが、無事、帰り着くことが出来ました(「夜勤明け」でしたが、まさに、「上出来の1日」でした)。

 

 

 

 

ありがとうございました。

 

 

 

それではまた...。

 

 

 

(daniel-b=フランス専門)