気付くと事件よりも犀川と萌絵のラブコメを期待している自分がいる・・・・・・。

 

【私的 封印再度 名言】

 

p74

「あー。先生、妬いているでしょう!」

「やいてる?」

「女へんに石です」

「難しい漢字を知っているね」

西之園萌絵&犀川創平

 

p79

そもそも、怒る側には、それなりの理屈があるのだ。たとえ、それがどんなに主観的なものであっても。

犀川創平

 

p131

無縁から落ちこぼれたものが、特別になる

犀川創平

 

p131

寝て起きる場所(それが同じ場所だということは幸せだ)

犀川創平

 

p133

スタミナ定食みたいに重い沈黙。

犀川創平

 

p217

何を考えたら良いのかをまず考える

西之園萌絵

 

p224

人間って結局、自分のことで涙を流すのだ

西之園萌絵

 

p229

「どうして・・・・・・、わかるんですか? あの・・・・・・」

「顔に書いてある」

「そんなに沢山のことを、顔には書けません。私の顔、黒板じゃないんですから」

西之園萌絵&犀川創平

 

p265

ドラえもんの忠告を無視して大失敗してしまったときの、のび太君のように、彼は肩を落としていた。

犀川創平

 

p298

「なりたいものになれない人はいない」と犀川教授はいつも言っている。「なれないのは真剣に望んでいないだけのことだ。自分で諦めてしまっているからなんだよ。人間、真剣に望めば、実現しないことはない」

犀川創平

 

p306

「あの・・・・・・、結局、模写の目的は、何なのですか?」

「何かを生み出したい。自分だけのものを創作したい。つまり、そんな意欲を、すべて滅するためだわ」

西之園萌絵&香山マリモ

 

p320

ちょうど、アンドロメダまで原付で出かけるようなものだ。ちゃんとヘルメットをして・・・・・・

西之園萌絵

 

p325

「パーマンの妹っていうんだ」

犀川創平

 

p345

まるでパンのみみを切り捨てるように、一番外側の焦げた感情を切り捨てる。忘却する。無視する。そんなことは容易いことだ、と言い聞かせながら。

犀川創平

 

p375

一般的ですよ。ヘルマン・ヘッセの晩年みたいですけど

犀川創平

 

p392

まるで、タングステンで作られたベストを着ているみたいに、肩が重くなる。

犀川創平

 

p420

彼のことを、もっと複雑な人格として彼女は認識していたし、自分も、より複雑でありたいと望んでいた。しかし、泡立てたらどんどん固くなるホイップ・クリームのように、自分自身も極めて単純な存在であることが、もっと意外な発見だった。(中略)

おそらく、それは、フルーツパフェの、背の高いグラスの一番底に溜まっているシロップみたいに、とんでもなく甘い単純さで、そして、きっと、萌絵と犀川の人格の根底にあるものだろう。ウエハースみたいな飾りもののプライド、缶詰めのフルーツのような見せかけの態度、絞り出した生クリームの駆け引き、そういったものをすべて排除したときに残る本質が、一番深いところに、透き通るような綺麗な原色で、存在している。それが、犀川と自分の共通点だ、と萌絵は思った。

西之園萌絵

 

p437

そうやって、人を疑ってばかりいるとね、今に角が生えてくるから・・・・・・

犀川創平

 

p446

「世の中のタイミングの悪さ・・・・・・ってやつですか」(中略)「まぁ、そんなものです。ほら、ハッカの飴をなめたあとで、牛乳を飲むみたいな・・・・・・」

犀川創平

 

p518

「結局ね、すべての記念日は、真珠と同じだってこと」

犀川創平

 

 

 

 

 4年ぶりのS&Mシリーズです。

 4年ぶりに読んで気づかされたのが、比喩表現で素敵なものが多いなということ。

 犀川と萌絵の会話が軽妙で素敵だなということ。

 

【私的 詩的私的ジャック 名言】

 

p38

「でも、遊びが仕事になっちゃいました。今は生産してます」

「仕事が遊びになるよりは、いくらか良いね」

結城稔&犀川創平

 

p39

「これから火星にでも行くみたいじゃないか」

犀川創平

 

p46

最近、こういった気を遣うようになった自分を、情けなく思う。

犀川創平

 

p72

「そもそも、男女平等と職業とは無関係だ。つまり、男と対等になるために、仕事をするなんてナンセンスだと思う。それでは、仕事をしている者が偉いという、馬鹿な男が考えた言い訳を認めることになる。いいかい。仕事をしていても、遊んでいても、人間は平等だ。問題をすり替えてはいけない」

犀川創平

 

p73

「馬鹿から馬鹿にされても、怒っちゃいけない。動物園のゾウとかキリンとかだって、人間のことを馬鹿にしてるかもしれないじゃないか」

犀川創平

 

p110

「あら、どうしてわかってしまったのかしら・・・・・・」

「顔に書いてある」

「おかしいなぁ、ちゃんとお化粧してきたのに」

西之園萌絵&犀川創平

 

p113

「研究ってね。何かに興味があるからできるというものじゃないんだよ。研究そのものが面白いんだ。目的を見失うことが研究の心髄なんだ」

犀川創平

 

p142

あれがナイーブといえるのなら、水爆だって風船ガムみたいなものだ。

西之園萌絵

 

p255

「煮もののような方ですね。鵜飼さんって」萌絵は小声で言った。こういう相手には、意味のないことを言うに限る。それは犀川から伝授されたテクニックで、ジョークの燕返しと呼ばれている。

「煮もの? 煮ものですか?」今度は鵜飼が口を開いた

西之園萌絵&鵜飼

 

p367

気分は、二十トンのロードローラーに踏まれたばかりのクレープみたいにぺしゃんこで、どうしようもなかった。

 

p403

「こんな夜は、シャンプーハットみたいなものだ」

犀川創平

 

p446

熱いブラックコーヒーを喉に流し込むと、まるでマヨネーズのプールに飛び込んだみたいに、酸っぱい一日の始まりに突然気がつき、コマの心棒を擦るように慌てて頭を回転させて、「されと・・・・・・」などと独り口にする。けれど、向かいのビルの窓ガラスに映る自分を眺めたり、時間をバウムクーヘンの年輪みたいに意識して、ようやく、ゆっくりと、その流れにボートを出す。

犀川創平