うーたんパパの ☆★☆絵本箱☆★☆

うーたんパパの ☆★☆絵本箱☆★☆

3姉妹のパパです。
読み聞かせをしているうちに絵本にはまってしまいました。
子供に絵本を読んであげられる時間は人生の中のほんの一瞬。今この時を大事にしたいですね!
わが家の 絵本箱の中から 思い出の絵本を ご紹介します!!

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まいごのどんぐり (絵本・こどものひろば)/童心社
¥1,365
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子供のころの忘れていた記憶、それも他人から見ればちっぽけで意味のないようなことが、何かの拍子に思い出されたことはありませんか。
大切にしていたものとの年月を経た再会。この絵本はそんなお話です。

青年はどんぐりの木の下で足を止めます。何か感じ取って木を見上げます。
幼いころ、いつも持ち歩いていた一粒のどんぐり。まるで友達のように。
「ケーキ」という名前まで付け、でも、ある時なくしてしまったどんぐり。

もしかして、この木は成長したケーキ?
青年の問いかけに、木は体をゆすってどんぐりを落とし、そうだとこたえます。

お話はどんぐりの立場から一人称で語られ、この静かなクライマックスを迎えます。
松成真理子さん。温もりのある画風がとても素敵です。
きつね森の山男/こぐま社
¥1,365
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たしか長女が1年生のとき、学校からよく「11ぴきのねこ」シリーズを借りてきて、この本もその流れで借りてきたのですが、自分がすごく気に入ったので購入しました。

舞台は武士のいる時代。「ふろふき大根」を食べることを何よりも楽しみにしている力持ちの山男が、ひょんなことから、キツネの毛皮を狙う寒がりの殿様とキツネたちとの争いに巻き込まれしまいます。山男はキツネの味方になりますが…。
人のいい山男の活躍が痛快です。

馬場のぼるさんの絵はほのぼのしてますね。お話はユーモラスだけど、ちょっぴり毒もあったり。この本もストーリーがしっかりしていて、マンガのように楽しめます。

ところで、このお話に出てくる「ふろふき大根」がとてもおいしそうで、これを読んだころ、子供たち、おかずに大根があると「ふろふき大根だ!」と言ってよく食べました。
山男が葡萄酒を飲みながら「ふろふき大根」を食べる場面があるのですが、自分もワインと一緒に大根が食べたくなりました。
まほうのじどうはんばいき/金の星社
¥1,155
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去年、次女から「学校で面白い本を見たから買ってほしい」というリクエストを受けて購入しました。
秋篠宮悠仁さまご誕生を記念して行われた「創作童話コンテスト」で優秀賞を受賞した作品だということです。

あらすじ―
こうへいが見つけた変わった自動販売機。ボタンを押すと、そのとき必要なものが何でも出てくる。しだいに販売機に頼っていくこうへいを心配したお母さんが、ボタンを押したことで…(金の星社サイトより)

欲しいもの(必要なもの)が何でも出てくるドラえもんのような販売機。
なるほど、子供だったらワクワクしますね。
でも最後、この不思議な販売機は消えてしまうのです。
がっかり…。 「お母さんがいけないんだ。」

でもこうへいは思い直します。
「あのまま販売機があったら、僕はなんでも販売機に頼っていたのかな。そしたら…」
こうへいの心の成長を感じさせて、お話は終わります。

読んであげた後で次女にどう思ったか聞いたら、「こんなのずっとあったらだめだと思うけど、1回だけでいいから好きなものを出したいな。」と言っていました。
こうへいと同じ思いを感じてくれたのかな?

二分間の冒険 (偕成社文庫)/偕成社
¥735
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はっきり言って小学校低学年の子への読み聞かせには不向きですが、わが家では途中でやめられなくなって10日以上かけて読み切りました。

お話はこうです。
小6の悟は黒猫の“ダレカ”によって竜が支配する別世界に引きずり込まれてしまいます。そこには見慣れたクラスメイトたちもいますが、誰も悟のことを知りません。悟は生き残りをかけて、不思議な力を持った竜と知恵比べの対決をすることになり…。
徐々に深まる仲間との連帯感、かすかな恋の芽生え。こちらの世界で2分間しか経っていない中で、ドキドキする冒険が展開されます。

半年ほど前、「子供たちを夢中にさせる」という評価を目にして読み聞かせに取り入れましたが、長くて疲れました。とても面白かったのですが、このくらいの分量になるともう読み聞かせに向かないと反省した本です。

その後、岡田淳の他の本も読みたいという長女(小2)のリクエストを受け、「放課後の時間割」、「びりっかすの神さま」、「雨やどりはすべり台の下で」の3冊を買い与えました。読み聞かせはしませんでしたが、どれも一人でむさぼうように読んでいました。

ちょっと背伸びした本の面白さを娘たちに伝えられたという点で、疲れたけれど意味のある読み聞かせだったと思います。
しっぱいにかんぱい!/童心社
¥1,155
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失敗はみんな経験する、めげるなとエール


最近は娘たちも成長して、また自分も忙しかったり、以前ほどには読み聞かせが出来なくなりました。それでも“寝る前のお父さんの読み聞かせ”は、娘たちもそれなりに楽しみにしてくれているようです。


ただもう自分でどんどん好きな本を読んでいるので、こちらも読む本のレベルを上げなければ、と思って、共感を持てるような小学生が主人公の本を多く選んでいます。これはその中の一冊です。

加奈は運動会のリレーのバトンパスで失敗をし、クラスは負けてしまいました。近所に住むおじいちゃんが落ち込む加奈を励まそうと一計を案じます。

失敗は自分だけでなく誰もが経験すること。そこからみんな立ち上がって、いつかは笑って話せる。そんなことを加奈にさりげなく気付かせようとします。

最後に教師だった大おじさんの駆け出しの頃のエピソードが語られます。
友達を思いやる教え子の献身的な行動。それに対して失敗を取り繕うとしていた自分を恥じる若かりし大おじさん。胸が打たれます。

お久しぶりです。またちょこちょこ書いていきたいと思います。


自分の娘たちだけでなく、これまで何回か大勢の子供たちを前にして読み聞かせをしました。
私の“読み聞かせ会”での本選びのポイントは次のようなものです。


●出来れば、多くの子が知っていると思われる定番絵本以外から選ぶ。
●かといって、「なぜこれを選んだの?」というようなマイナー作品はさける。
●世間的評価が定まっている作家の本から選ぶ。
(ひとりよがりにならないため。)

●起承転結がはっきりしたメリハリある話を選ぶ。
●季節が大きく外れているものはさける。
●子供を甘く見て本のレベルを下げない。
(学校で読む以上は勉強の一環。)
●自分自身がその本が好きであること。


次に、これまでの読み聞かせ会で私が読んだ本(読もうと考えた本)を紹介します。


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「ちからたろう」 (今江祥智・田島征三絵)
お父さんらしく豪快に読める絵本です。長女が小1だった去年、クラスの朝会読み聞かせで使いました。力自慢の男たちが怪物退治をするという分かりやすいストーリーで、躍動感ある絵も見応えがあります。所要時間8分とやや長めですが、子供たちを飽きさせません。

ちからたろう (むかしむかし絵本 (5))/ポプラ社
¥1,050
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「しょうぼうじどうしゃじぷた」 (渡辺茂男・山本忠敬絵)
仕事で関係ある書店イベントのボランティアで読みました。体が小さいことに劣等感を持つ小型消防車が、山火事の消火に大活躍します。定番絵本ですが、現地で子供たちの顔ぶれを見て何冊か用意していた中から選びました。男の子は間違いなく食いついてきます。

しょうぼうじどうしゃじぷた(こどものとも絵本)/福音館書店
¥840
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「パンのかけらとちいさなあくま」 (内田莉莎子・堀内誠一絵)
子供の悪魔が自分のイタズラを反省し、償おうとします。
絵本には女性が読む方が適しているもの(ママや女の子がメインで出てくる)が多いですが、どちらかというと男性の読み手に合った作品もあります。この本がそうです。上記の書店イベントで場合によってはこれを読もうと持っていきました。ハラハラさせる展開で子供の感情移入度は高いです。

パンのかけらとちいさなあくま―リトアニア民話 (こどものとも傑作集)/福音館書店
¥840
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「ぼくびょうきじゃないよ」 (角野栄子・垂石眞子絵)
風邪を早く治したい男の子のもとにクマの医者が間違って訪ねて来て、変てこなクマ式治療法を伝授します。スピィーディーな展開で絵本の定石といえる3度の繰り返しがあります。この本で子供を笑わせる自信がありますが、季節(冬)が合わずこれまで実践していません。

ぼくびょうきじゃないよ (こどものとも傑作集)/福音館書店
¥840
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「まゆとおに」 (富安陽子・降矢なな絵)
主人公の女の子(やまんばの娘)が、持ち前の怪力と天真爛漫さで自分を煮て食べようとする鬼を翻弄します。場面展開がうまくて、かなり笑えます。機会があれば大勢の子の前で読んでみたいです。

まゆとおに―やまんばのむすめ まゆのおはなし (こどものとも傑作集)/福音館書店
¥840
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「ビロードのうさぎ」 (酒井駒子抄訳・絵)
今年、長女の小2クラスの朝会読み聞かせで読もうと思った絵本です。少年と古いぬいぐるみの、大人の理解を越えた愛情が胸に沁みます。実はこの絵本で子供たちを泣かそうと思ったのですが、家で練習した時に自分が泣けてきて、「まずい」と思ってやめました。

ビロードのうさぎ/ブロンズ新社
¥1,575
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「きのうの夜、おとうさんがおそく帰った、そのわけは…」(市川宣子・はたこうしろう絵)
結局その朝会で読んだのはこの本です。いつも帰宅が遅くなるお父さんが、息子にその言訳、それも奇想天外な言訳をします。完結した4章からなっていて、時間の関係上、読み聞かせ会では最初の1章だけでOKです。これほどお父さんの読み聞かせにピッタリしたお話はありません。

きのうの夜、おとうさんがおそく帰った、そのわけは…/ひさかたチャイルド
¥1,365
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最後に、私が考える読み聞かせする時のポイントです。一番は、開き直って恥ずかしがらないことです。
一種のパフォーマンスのつもりで自分自身が楽しむと、子供たちにも本の面白さがしっかりと伝わると思います。

ロボット・カミイ (福音館創作童話シリーズ)/福音館書店
¥1,365
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わがままなロボットが

傷つき、悩み、優しさを知る


たくさんの読み聞かせをしてきましたが、読み手として古田足日は最も好きな作家の一人です。
段ボールの紙で作られ“カミイ”と名付けられたこのロボットは、ヒーローではなく子供と等身大です。

いばりんぼなのに、さびしがり屋で泣き虫。通い出した幼稚園でもいろいろな騒動を引き起こします。
周囲とぶつかって心がへこみ、涙を流すカミイ。少しずつ成長の兆しを見せ始めたある日、子供たちを守ろうとしてダンプカーにひかれてしまいます。

カミイの死に子供たちは…
ホロリとくる別れの場面に余韻が残ります。
「おしいれのぼうけん」や「ダンプえんちょうやっつけた」もそうです。清々しいラストシーンが古田足日作品の特徴だと思います。
うーたんパパの ☆★☆絵本箱☆★☆

100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))/佐野 洋子
¥1,470
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誰も愛さなかった100万回の生と、

たった一度の誰かを愛した生


この絵本から何を感じ取るかは人それぞれだと思いますが、簡単な言葉では言い表せない奥深さを感じます。
主人公の猫は、王様や船乗り、手品師や泥棒など、いろいろな飼い主に愛されます。でも自分は誰も愛さず、死んではまた生きかえります。その数、なんと100万回。
ある時、猫は野良猫に生まれます。そして一匹の白い猫に出会ったことで、氷のような心に変化が生まれます。

他者を愛すことのない人生を100万回送った猫は、最後にたった一度、自分以外の誰かを愛する人生を生き、命をまっとうするのです。
生きるとはどういうことか、本当の幸せとは何か。

わが家の娘たちが、この絵本を真に理解するのは、もっと大きくなってからかもしれません。

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これまでこのブログで紹介してきた絵本は、わが家にとって一冊一冊すべてに思い出があります。

子供と身を寄せ合って絵本を楽しめるのは、人生の中のほんの一瞬かもしれません。でも子供たちが大きくなった時、親子で共有したこの時間を、心の中の大切な財産として振り返ってくれればうれしいです。

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おおきな木/シェル・シルヴァスタイン
¥1,260
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見返りを求めない愛の悲しさ


あるところに一本のリンゴの木があり、仲よしの少年がいました。少年はこの木で毎日遊び、木は幸せでした。しかし時は流れ、少年は成長とともに木から遠ざかっていきます。
ある時、大きくなった少年がやって来て「お金が欲しい」と言い、木は自分の実を取って売るように言います。その後も大人になった少年は時折やって来て、木は求められるまま、枝、幹と、わが身を削って与え続けます。
ついに切り株だけになった木のもとに、老いさらばえた少年が再びやって来ます。もう欲しい物もなく疲れ果てた少年をいとおしむ木。少年は木にすすめられるまま、切り株に腰を下ろします。
「それで木は幸せでした」…。静かで物悲しいラストです。


木と少年の関係に、いずれ一人立ちする娘たちとの親子関係を想像しました。
「だが、まてよ」と思います。訳した村上春樹があとがきに書いています。
「あなたは木であり、また少年であるかもしれません」…
自分は親である前に子供でもあります。親となった今だから、子を思う親の気持ちはよく分かります。
自分の成長を見守り、巣立ちを見送った両親、特に母の思いは いかばかりだったか。自分はその気持ちを十分に理解し、応えてきただろうか?この少年とは違うと、果たして言い切れるのか?

いろいろと考える切っ掛けをくれた絵本です。
うーたんパパの ☆★☆絵本箱☆★☆

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垣根を越えて出来た心の友


友達が欲しい、でも出来ない。肉食獣であるライオンの悲しさです。同じ中谷千代子が描いた「ジオジオのかんむり」を彷彿させます。
ライオンは他の動物たちといろいろなことを話したいと思っていますが、みんなその姿を見ると怖がって逃げていきます。
「俺は悲しい。悲しくて悔しい。だからそいつらを食べてやる…」
ライオンの独白で進む展開が孤独感を高めます。
ある時、ライオンは一匹のシマウマを見つけます。思いきって挨拶しようと駆け寄りますが、逃げられるかもしれないと躊躇します。
悩んでいるうち、気が付くとシマウマは自分の方から目の前に近寄ってきました。

初めて気持ちを理解し合える存在に出会ったライオンは、堰を切ったように心の内を話します。
「君は俺のそばへ来た時、食べられちゃうなんて思わなかった?」
ライオンの問いに対するシマウマの答えには、さりげない優しさを感じます。
子供たちにとって、おそらくずっと記憶に残る一冊となることでしょう。
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