これまで何十年も好きで、この先もずっと好きなままだろうと思っていたアーティストがある日突然自分の中の圏外に落ちてしまうこと、ありませんか。
例えば、自分の中での好きなアーティストのベスト5に入れているような人だったのに、新曲がリリースされているのを知りながら、まったく興味が湧かず聴かないというようなことになってしまう。
自分にはつい最近そういうことがありました。
なぜなのかが分からず、自分の中でそれがすごく引っかかっていて、頭の中を整理していました。
あんなに好きだったのになぜ心が離れたのか。その理由が最近分かりました。
アーティスト側から、昔の曲を聞きたいですよね、だって昔の曲のほうがいいですもんねという空気を醸し出された時に気持ちが切れてしまうのです。
演歌歌手じゃないんだし、ファンの気持ちにあからさまに寄り添ってほしくないんです。
昔の曲のほうがよかったと言うファンはよくいます。けどそれは楽曲そのものだけではなく、ファン自身の思い出や思い入れが入った上で言っていることだし、アーティストが望んだことではありません。
昔の曲のほうがよかった=今の曲はよくないとも受け取れるわけで、アーティスト側からするとこれ以上の屈辱はないのではないかとすら思うのです。
なのにそれを自分から言ってほしくはなかった。最新アルバムが最高だという態度でいてほしかった。昔の曲はファンからの要望があるからやっているのだというスタンスを貫いてほしかった。
ローリング・ストーンズはライブで昔の曲をやることが多いです。ですが最新アルバムは最高にかっこいい。あれは過去の成功に生きているバンドがやる音楽ではありません。そういうことなのです。
自分が変わったのか、アーティストが変わったのか、それとも自分が変われなかったのか、それは分かりません。
昔の曲のほうがよかったというファンをあまり信用していないというのは昔から変わりません。