今日は"grant"を取り上げたいと思います。
今回注目するのは動詞の意味の"grant"です。日本人的には単独で使われる"grant"よりもある熟語の方が知られているかもしれません。これについてもあとで見ていきます。
ではまずは『ロングマンExams英英辞典』で"grant"の意味を見てみましょう。
"grant"
to admit that something is true although it does not make much difference to your opinion
ex) He's got talent, I grant you, but he doesn't work hard enough.
基本の意味は何かを認めることですね。ここから英語学習者はシンプルに"grant"=「認める」と覚えてしまいがちです。でもそうすると英語本来の意味やニュアンスが抜けてしまいズレが生じてしまいます。ここで大切なのはどのように認めるかというニュアンスです。具体的には"that"以下ですね。まず何かが真実であると認めるとあります。でも完璧に同意する感じではなく、大きな意見の違いはないけどまぁ認めるという感じでしょうか?
例文を見てみるとわかると思います。まず「彼は才能がある」とあります。これについて"I grant you"で、まぁそれについては認めるよという感じになり、"but"で「でもね」と続き、"he doesn't work hard enough"と続きます。
このように"grant ~ but ~"という形が一つパターンとしてあげられます。つまり何かを認めといて、"but"で「でもね」と何かを指摘するような形です。相手の言っていることを一度認めてから自分の意見を言うときに使えますね。
なので"grant"=「認める」と単純に覚えないほうがいいでしょう。
では次に"grant"を使った熟語を見てみます。"grant"を使った熟語といえば"take it for granted"が思いつくのではないでしょうか?こちらは熟語としてまるまる意味を暗記した方も多いかもしれませんが、上で見た"grant"の意味から考えるとその意味するところが見えてくると思います。
まずは同じくロングマンで"take it for granted"の意味を確認してみましょう。
"take it for granted (that)"
to believe that something is true without making sure
ex) He just took it for granted that he would pass the exam.
意味は何かが真実であると信じることで確証はなしにとあります。ここから「当たり前のことと思う」などの訳が出てきます。例文では試験に受かるのを当たり前に思っていたとなります。
この"take it for granted"を上で見た"grant"から考えると、
"grant"で"that"以下をとりあえず認める感じになり、それを
"take it"で取り入れると考えられます。これにより"that"以下のことを当然のことと認めたり、当たり前と思うことにつながります。
熟語は単語同士をわけても意味がわかりにくいことがありますが、よく考えてみると意味が見えてくるものもあるので、もしわかりにくい熟語があったら今回の"grant"のように気になる単語の元の意味を探ってみるのがおすすめです。