英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は「"hate"の度合い」を取り上げたいと思います。

 

基本的な単語の確認となります。

 

「"hate"なら意味は知ってるよ、『嫌う』でしょ?」と思う方は辞書を改めて調べてみるといいかもしれません。確かに英和辞典には「嫌う」という訳語がありますが、ニュアンス的に少し注意が必要です。

 

ではいつも通り『ロングマンExams英英辞典』"hate"を見てみましょう。

 

"hate"

 

to dislike something very much

 

OPP love

 

ex) It's the kind of movie you either love or hate.

      He hates his job.

      I hate to see you unhappy.

 

やっぱり"dislike"があるから「嫌う」でいいのでは?と思うかもしれませんが、その後に続く"very much"がポイントです。つまり嫌う度合いが強いということです。英和辞典をよく見ると「ひどく嫌う」や「憎む」などがあります。ここから軽い嫌いではないことがわかると思います。

 

ロングマンには反意語として"love"が示されていました。

"love"も強い意味なのでここからも"hate"の強さがわかります。1つ目の例文では"love or hate"と使われていますね。これは反意語として同じような強さを示していて、とても好きなのかとても嫌いなのかどちらかだということですね。また2、3つ目の例文も単に嫌うのではなく、すごく嫌な感じがありますね。

 

ロングマンには"dislike"ということばが使われていたのでこちらも同じくロングマンで説明を見てみましょう。

 

"dislike"

 

to think someone or something is unpleasant and not like them

 

ex) Why do you dislike her so much?

      I dislike being the centre of attention.

 

こちらは"hate"よりも嫌う度合いが弱めと言えそうです。でも1つ目の例文のように"dislike ~ so much"となると"hate"に近いと言えるでしょう。

 

この1つ目の例文を考えてみるとなぜ"hate her"ではなく"dislike her so much"を使ったのでしょうか?"dislike"の例文だからというのが辞書的にもっともな理由ですが、場面的に考えると直接的に"hate her"という強い表現を避けたというのが理由の一つでしょう。つまり"dislike"を使うことによって少しやわらげた表現にしていることが考えられます。

 

上で見たように"hate"は強い表現なので人に対して使うときはよく注意しなければなりません。日本語の感覚でちょっと嫌いと思って"I hate ~"と言ってしまうと誤解を招き、取り返しがつかないことになってしまうかもしれません。個人的にはあまり人に対して"I hate ~"とは使わないほうが無難かと思います。

 

もし誰かや何かが苦手という感じなら、代わりの表現として"I don't like ~"あたりを使うといいかと思います。

今日は"administer"を取り上げたいと思います。

 

"administer"は"to manage"の意味を覚えている方がいるかもしれませんが、今回は別の意味を確認してみます。

 

いつも通り『ロングマンExams英英辞典』"administer"を見てみましょう。

 

to give someone a medicine or medeical treatment

 

administer sth to sb

 

ex) Painkillers were administerd to the boy.

     This unit teaches students how to administer First Aid.

 

ロングマンの説明でわかるように今回見ている"administer"は薬や医療処置について使われるものです。形としてはロングマンにあるように"administer sth to sb"というものがあります。

 

1つ目の例文を見てみると、痛み止めが使われたということで、誰に対してかが"to the boy"と示されています。ここでは受動態になっていますね。2つ目の例文はテキストのことでしょうか?

"First Aid"の仕方について学ぶ感じですね。

 

"First Aid"ということばが出てきたのでこちらも寄り道して同じくロングマンで確認してみます。

 

"first aid"

 

simple medical treatment that is given as soon as possible to someone who is injured or who suddenly becomes ill

 

ex) Being given first aid at the scene of the accident probably saved his life.

 

"first aid"の直訳「最初の助け」でもわかるようにシンプルな医療処置のことで、できるだけ早く与えられるとあります。ここから「応急処置」という訳語が思い浮かぶでしょう。そして例文では"first aid"がされたことによって命が救われたということですね。

 

名詞の"administration"の意味からすると「管理」のイメージが強いかもしれませんが、動詞の"administer"には医療的な場面で使われる意味があることを確認してみました。

今日は"juggle"を取り上げたいと思います。

 

英文を読んでいたら出てきたので確認しておきます。

 

"juggle"という単語だけ見るとピンとこない人も、"-ing"の形にすると日本語的にも知っていることばになると思います。今回はそれとは別の意味を見てみます。

 

ではいつも通り『ロングマンExams英英辞典』"juggle"の説明を見てみましょう。

 

to try to fit two or more jobs, activities etc into your life, especially with difficulty

 

ex) It's hard trying to juggle a job with kids and the housework.

 

意味の方はまず"try to fit"とありますね。何をフィットさせるかというと"two or more jobs, activities etc"と続きます。そしてこれらを何にフィットさせるかについては"into your life"と示されています。つまり複数の仕事や活動などを生活の中でフィットさせるということで、うまくやりくりする感じがあります。そして困難が伴うのも一つポイントですね。

 

例文では"juggle"するのは難しいとあります。ここでは何と何についてかというと"a job"と"the housework"が示されています。訳語としては「両立させる」となるでしょうか?

 

「ジャグリング」のように3つや4つの物を次々投げて受け取ることから、複数の仕事や活動などをうまくこなすのに"juggle"が使われます。当たり前ですが1つでは"juggle"にはならないので、

"and"を使って複数のものを示す必要があります。