今日は「"hate"の度合い」を取り上げたいと思います。
基本的な単語の確認となります。
「"hate"なら意味は知ってるよ、『嫌う』でしょ?」と思う方は辞書を改めて調べてみるといいかもしれません。確かに英和辞典には「嫌う」という訳語がありますが、ニュアンス的に少し注意が必要です。
ではいつも通り『ロングマンExams英英辞典』で"hate"を見てみましょう。
"hate"
to dislike something very much
OPP love
ex) It's the kind of movie you either love or hate.
He hates his job.
I hate to see you unhappy.
やっぱり"dislike"があるから「嫌う」でいいのでは?と思うかもしれませんが、その後に続く"very much"がポイントです。つまり嫌う度合いが強いということです。英和辞典をよく見ると「ひどく嫌う」や「憎む」などがあります。ここから軽い嫌いではないことがわかると思います。
ロングマンには反意語として"love"が示されていました。
"love"も強い意味なのでここからも"hate"の強さがわかります。1つ目の例文では"love or hate"と使われていますね。これは反意語として同じような強さを示していて、とても好きなのかとても嫌いなのかどちらかだということですね。また2、3つ目の例文も単に嫌うのではなく、すごく嫌な感じがありますね。
ロングマンには"dislike"ということばが使われていたのでこちらも同じくロングマンで説明を見てみましょう。
"dislike"
to think someone or something is unpleasant and not like them
ex) Why do you dislike her so much?
I dislike being the centre of attention.
こちらは"hate"よりも嫌う度合いが弱めと言えそうです。でも1つ目の例文のように"dislike ~ so much"となると"hate"に近いと言えるでしょう。
この1つ目の例文を考えてみるとなぜ"hate her"ではなく"dislike her so much"を使ったのでしょうか?"dislike"の例文だからというのが辞書的にもっともな理由ですが、場面的に考えると直接的に"hate her"という強い表現を避けたというのが理由の一つでしょう。つまり"dislike"を使うことによって少しやわらげた表現にしていることが考えられます。
上で見たように"hate"は強い表現なので人に対して使うときはよく注意しなければなりません。日本語の感覚でちょっと嫌いと思って"I hate ~"と言ってしまうと誤解を招き、取り返しがつかないことになってしまうかもしれません。個人的にはあまり人に対して"I hate ~"とは使わないほうが無難かと思います。
もし誰かや何かが苦手という感じなら、代わりの表現として"I don't like ~"あたりを使うといいかと思います。