英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"touch wood"を取り上げたいと思います。

 

英文を読んでいたら出てきたので確認します。

 

"touch wood"はイギリス英語の表現で、アメリカ英語では

"knock on wood"となります。それぞれ使われている単語は難しくはないですがどのような意味になるでしょうか?

 

一つ動詞の感触にふれておくと、"touch"は軽い感じがあるので他動詞になっていますが、他動詞の"knock"は殴るなどの強い感じがあるので"on"がある意味大切になっていると考えられます。なのでアメリカ英語の場合は"knock on wood"と"on"を忘れないようにしましょう。

 

では『ロングマンExams英英辞典』"touch wood"を見てみましょう。

 

"touch wood"

 

said just after you have said that things are going well for you, when you want your good luck to continue

 

"going well"や"good luck"があることから幸運が続くようにというおまじない的な表現であることがわかります。これは実際に木製のものにふれたり叩いたりする場合もあれば、ことばで

"touch wood"と言う場合もあるようです。

 

ロングマンには例文がなかったので『ジーニアス英和辞典』(G5)の説明と例文をあげてみます。

 

今の幸運を逃さないように木をたたいて魔よけをしたことが始まり

 

"Are you in good health?" [健康ですか]

"Yes, knock on wood."  [ええ、このまま続けばいいのですが]

 

文化的に木をたたいて魔よけをしていた習慣があったのでしょう。例文では健康な状態が続くようにということで"knock on wood"が使われています。このようにうまくいくようにと願うときに使える表現ですね。なので"touch"や"knock"という動詞から始まっていても命令文ではないので「木を叩け」などとしないようにしましょう。

今日は"hobby"を取り上げたいと思います。

 

"hobby"は中学で習う単語で意味も知っている方が多いでしょう。でもそのニュアンスだったり使い方に関しては自信はあるでしょうか?それを確認するために簡単に"hobby"を使っていくつかの英文を作ってみるといいかと思います。"hobby"を使ってアウトプットするならこう言うな~というものを紙に書いたり頭に思い浮かべるだけで大丈夫です。

 

では実際に『ロングマンExams英英辞典』"hobby"の意味を見てみましょう。

 

"hobby"

 

an activity that you enjoy doing in your free time

 

ex) What are your hobbies?

     Susan's hobbies include reading, cooking, and drama.

     Retirement gave him the time to pursue his hobbies.

 

意味の方はフリーの時間に楽しむ活動ということですね。

 

自分で作った英文と比較しながらロングマンの例文を見るといろいろな違いが見えてくると思います。

 

まず1つ目の例文は相手の"hobby"を聞く文ですが、"hobbies"と複数形になっていますね。これは相手の"hobby"が複数あるという前提と言えるでしょう。日本人が作る文だとここを複数形にしないで"What is your hobby?"というものになりやすいかもしれません。これでも英文になっていますがこの場合"hobby"は単数が前提となってしまうので、ロングマンのような複数形の方が相手に聞く場合には無難かと思います。こういった小さいようで細かいところがある意味英語を使うときには大切ですね。

 

次に2つ目の例文を見てみます。ここでは動詞に"include"が使われています。この動詞が使えた人はある意味上級と言えるかもしれません。日本人の感覚では普通出てこない単語かと思います。おそらく日本人の作る英文では"My hobby is ~"のようにbe動詞を使うでしょう。このときも複数のイメージがないのがまた日本人的かもしれません。ロングマンの例文では"include"を使い複数のものがあげられています。つまりこういったものを含んでいますよ~という感じですね。ここには"hobby"が複数あるという認識がないと"include"が使えないので、この点をおさえてきたいですね。

 

一つここで"reading"にふれておくと、いくつかの英和辞典では

"hobby"の中には読書は含まないという考え方があります。

"hobby"は何かを収集したり楽しむという積極的な活動と考えるなら、読書は"pastime"にあたるというものです。ロングマンに

"reading"があるので完全に間違いとは言えないと思いますが、

"reading"の分類はファジーなところにあってどちらかというと

"pastime"よりなのかもしれません。

 

そして3つ目の例文ではリタイアしたことによって"hobbies"に使う時間が増えた感じでしょうか?ここでは"retirement"が一つポイントで、"hobby"は仕事との対比がありますね。つまり働いていない自由な時間で楽しいことをするという感じです。なのでリタイアで仕事をしなくなったので楽しいことにますます専念できるような姿が想像できそうです。

 

自分で作った"hobby"の英文と比べてどうだったでしょうか?意外とうまく使いこなせてなかったのではないでしょうか?これは英語でアウトプットする練習をあまりしていないことが原因かと思います。

 

単純に"hobby"=「趣味」と覚えただけでは使いこなせません。「趣味」という訳語には単数・複数の意識もありませんし、内容的にも英語の"hobby"とズレもあるので、使い方などを例文を通して学ばなければなりませんね。

今日は"locate"を取り上げたいと思います。

 

今回注目する"locate"は動詞ですが、日本人の感覚では名詞の

"location"のほうが馴染みがあるかもしれません。

 

もし"locate"の意味を知らない場合は名詞の意味から推測できるでしょうか?このようなつながりがあることばでは意味がわからないときは間違ってもいいので予想してみることが語学感覚を身につけるのに大切です。

 

では『ロングマンExams英英辞典』"locate"の意味を見てみましょう。

 

"locate"

 

to find the exact position of something

 

ex) We couldn't locate the source of the radio signal.

 

予想は当たっていたでしょうか?意味はなにかの正確なポジションを見つけるとあります。"exact"があるのでピタリと合うような感じでしょうか?

 

例文を見てみるとラジオの信号源を探し当てられなかったということで、正確なポジションが見つけられなかった感じですね。このように何かをピンポイントで探し当てるようなニュアンスがありそうです。

 

一つ『ライトハウス英和辞典』から例文をあげてみます。

 

The police located the suspect.

(警察は容疑者の所在を突き止めた)

 

ここでは"the suspect"の正確なポジションを見つけ出したということですね。訳語の「突き止めた」はピタリと探し出した感じがあってなるほどと思います。

 

名詞の"location"には「位置」や「所在地」という訳語があり、そこからうまく予想できると今回の動詞の"locate"の意味が見えてくると思います。関連することばは意味的なつながりを覚えておくのがおすすめです。