4月15日、ついにロッシー小川氏(元スターダムEP)が手掛ける

新女子プロレス団体の旗揚げ会見が都内ホテルで行なわれた。

 

団体名はマリーゴールド。

正式名称は、DREAM STAR FIGHTING MARIGOLDとなる。

 

マリーゴールドといえば、あいみょんのヒット曲でも知られる。

命名の理由を聞かれると、「あいみょんが好きだから」と小川氏。

 

その団体名の通りに、会見ひな壇のテーブルには、

綺麗なマリーゴールドの花が数多く飾られていた。

小川氏は花の色と団体ロゴマークに合わせて、

鮮やかすぎるイエローのスーツとネクタイ姿で登場。

 

 

こんなド派手な恰好は、2017年5月に還暦祝パーティーを開催し

深紅のスーツ姿で登場してきたとき以来だろう。

 

だけど不思議なのは、こいういうド派手なスーツが

この年齢にしてしっかり似合ってしまうこと。

 

「俺はあんまり目立っちゃいけないから」

 

そう言ってはいたけど、目立ちすぎるほど目立っていたのだ。

 

冒頭のあいさつで、代表取締役のロッシーさんはこう言った。

 

「令和にできた一番新しい団体なんですけども、私が昭和生まれなもので。

昭和のおもしろいエッセンスをスパイスとして注入していきたいと思います。

来年は、じつは昭和100年なんですよ。

昭和はまだ終わりません」

 

今回が最後の挑戦と心に決めた小川さんらしい言葉。

猪木さんが亡くなり、天龍源一郎、長州力、武藤敬司も引退。

昭和プロレスは終わった――そう言われている。

 

だけど、ここに昭和女子プロレスの生き字引である

ロッシー小川がちゃんと生きているということだ。

 

つづいて、所属となる7選手がひとりずつ紹介を受けて登場。

ジュリア、林下詩美、MIRAI、桜井麻衣、高橋奈七永、

ビクトリア弓月、石川奈青の順にひな壇に座った。

 

              ©大川 昇

 

登場順にマイクを持って、入団あいさつ。

先陣を切ったジュリアは、こう語った。

 

「人生、なにが起こるかわかりません。

なにが起こるかわからないからこそ、

駆け抜ける意味があると思います。

安定を求めるのも楽しい。

けど、それをぶっ壊すのはもっと楽しい。

仲良くなるのもうれしいけど、仲が悪くなるのだっておもしろい。

褒められたら気分いいけど、けなされるのすら愛おしい。

それが生きるということだと思います。

私はいま、間違いなく生きてます!」

 

いきなり、きたー!

言葉選びの天才である。

 

この短いセリフのなかに、

6年余のプロレスキャリアだけではなく、

30年生きてきた自分の人生までぶつけてきた。

 

ジュリアというプロレスラーのベースは喧嘩にある。

小学生のころからイジメと差別に立ち向かい、

殴り合いをしてきた喧嘩にある。

 

自分の生きる場所を見つけるために、

子どものころから闘いつづけてきたのだ。

 

ナチュラルボーン・ウォリアー。

それがジュリアという生きもの。

 

 

次にマイクも持ったのは林下詩美。

 

「新団体マリーゴールドで、私、林下詩美の新しい挑戦、

新しい林下詩美をみなさんにお届けできればなと思っています。

これから起きること、これからの私、すべてが楽しみです」

 

思えば、ジュリアと詩美は業界でほぼ同期。

ただし、スターダムでともに過ごした4年間、

一度もシングルマッチで闘っていない。

 

この奇跡的な関係がこの新団体で奇遇にも交わった。

 

いまの詩美は過去、最高にカッコいいと思う。

赤いベルトを巻いて頂点に立っていた時期よりも、

キャリアを積んでスキルもはるかにアップしている。

 

コスチューム、ヘアスタイルといった

ルックスの面でもピッタリとはまっている。

 

周知の通り、近い将来にジュリアはアメリカへ渡り、

世界最大のメジャー団体に移籍するとも噂されている。

 

だからこそ、名実ともに新団体のエースとなることが

詩美には宿命づけられているのだ。

 

さらに、他の若い選手たちを彼女が

リードしていかなければならない。

 

つづいて、MIRAI、桜井(まい改め麻衣)、

奈七永、弓月、石川の順に意気込みを語った。

 

その後、取締役に就任した鈴木八郎氏が、

5・20後楽園ホールで開催される旗揚げ戦、

5~6月シリーズの概要を発表した。

 

              ©大川 昇

 

さらに、5・20旗揚げ戦の決定カード第1弾として、

ジュリア&ⅩvsSareee&Ⅹがアナウンスされると、

Sareee本人が会見場に姿を現し、ジュリアと火花を散らした。

 

もちろん、この両選手も待望の初遭遇となる。

 

これにて会見終了。

フォトセッションに入ろうとしたところで、

アクトレスガールズのアドバイザーを務めていた風香を先頭に、

青野未来、皇希、澄川菜摘、後藤智香、松井珠紗、CHIAKIが来場。

 

 

アクトレスガールズのエース格である青野が、

「私たちはプロレスしたくて来ました、プロレスをやらせてください」

とアピールして、選手たちが深々と頭を下げる。

 

もともと小川氏と風香は旧知の間柄。

スターダム旗揚げ前から深い絆で結ばれている。

 

この行動に関してアクトレスガールズのほうからクレームが発信されているが、

小川氏は気にする素振りもなく、いつも通りで「来るものは拒まず」の姿勢。

 

アクトレスガールズはエンタメ色の強い団体であり、そこをウリとしている。

「ホンモノのプロレスをやりたい!」という意思が今回の行動となったのか?

 

              ©大川 昇

 

ともかく、我々の想像を超える陣容がそろった。

それが正直な感想である。

 

小川氏は当面、「鎖国政策」を打ち出すとも言った。

 

そうなれば今後、スターダムとの興行戦争が勃発するかもしれない。

それが女子プロレス界の活性化につながれば、おもしろくなるだろう。

 

たとえば男子では、いま現在の主要団体には友好的な交流関係が出来上がっている。

そこで女子プロレス界が、真逆な世界観を作り上げるならより刺激的だと思うのだ。

 

なお、5・20後楽園ホール・旗揚げ戦の模様は、

「レッスルユニバース」での生中継も決定している。