写真の広場-グローバルフォトエクスチェンジ情報室

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オバマのアメリカ 日本に持ち込む核兵器は何?

オバマのアメリカ 非核三原則の日本で

「戦争をする国・せざるを得ない国」 ⑱

-非核3原則変更を必要とする米核兵器は?-

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イグルー型の弾薬庫に貯蔵されるB-61戦術核爆弾。沖縄の嘉手納弾薬庫、辺野古弾薬庫

などの在日米軍基地は同じ型の弾薬庫がある(DOD PHOTO)


菅-小沢の民主党代表選挙の記事が日本の新聞をうめている。

一見すると不毛な権力亡者同士の争いに見える。だが、軍事的な意味で、日本の近未来を決める分岐点があったとすれば、実はどちらかを首相になるこの時だったのかもしれない。そんな予感を感じながら数ヶ月ぶりにブログを書く。


「普通の国」-つまり(国連決議があれば)普通に軍事力を国外で行使できる国になろうと小沢前幹事長は主張する。かたや、菅首相は広島平和記念式典直後の記者会見で、アメリカの核抑止力の必要性をあえて強調した。

その菅首相に昨日、首相の私的諮問機関である「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」が報告書を提出した。


8月27日付、東京新聞電子版によれば、報告書では、非核三原則の「持ち込ませず」について、「一方的に米国の手を縛ることだけを原則で決めておくことは、必ずしも賢明ではない」と見直しに触れた。ただ、「当面改めなければならない情勢にはない」とも付け加えた。首相は非核三原則堅持を表明しているが、被爆者団体を中心に法制化を求める声もある。懇談会はこうした状況に配慮したとみられる。


内閣府発表の報告書(案) には以下の記述がある。

②米国による拡大抑止

米国は、同盟国である日本に対して拡大抑止を提供している。それは通常戦力と核戦力の双方においてである。米国の日本に対する拡大抑止、特に核戦力による拡大抑止は、日本の安全のみならず地域全体の安定を維持するためにも重要である。それは究極的な目標である核兵器廃絶の理念と必ずしも矛盾しない。米国の拡大抑止のコミットメントについて、その実効性を保証するため、米国任せにはせず、日米間で緊密な協議を行う必要がある。

なお、「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則に関して、当面、日本の安全のためにこれを改めなければならないという情勢にはない。しかし、本来、日本の安全保障にとって最も大切なことは核兵器保有国に核兵器を「使わせないこと」であり、一方的に米国の手を縛ることだけを事前に原則として決めておくことは、必ずしも賢明ではない。(下線筆者)



非核3原則についてのこの唐突は記述の背景に、米国の国家意志が働いているのかどうかはわからない。だが「あった」と解釈するほうが自然だとわたしは思う。

朝日新聞 など各紙は総論として、この部分を問題にしている。しかし、「持ち込ませず」とは具体的にどのような核兵器を「持ち込む」ことを指しているのかについては言及がない。

大胆に言えば、ラロック証言で明らかになった米艦船による「トランジット」の可能性。現在米海軍艦船が「核武装」をしていないにも関わらず、有事の際には核を積むこともあるということなのだろう。

核兵器用のイグルータイプの弾薬庫がまだある嘉手納、辺野古などへの一時的な核兵器の持ち込みも可能性としてはある。復帰前の沖縄には中国をにらんだメースB中距離弾道ミサイルが配備されていたのはだれもが知っていることだ。

また、横須賀、沖縄の米軍基地を「敵の核攻撃」から「守る」ための核弾頭を積んだ対空兵器の一時的な日本への持ち込みもあるのかもしれない。あるいは、朝鮮有事に際して、横田基地経由で対地戦術ミサイルの一時通過を意味しているのかも知れない。


非核3原則を抽象的に語るのではなく、抽象的な文言の背景には必ず具体的な「軍事戦術」が存在していることを忘れてはならない。

どのような核兵器の持込を前提として、今回の報告書が書かれたのか?もし、具体的な「核兵器」をイメージせずに、作成されたとすれば日本の軍事音痴も極まったといわざるを得ない。

小沢氏が言明する「普通の国」、つまり国連決議をもとに、「戦闘行為」を前提とした部隊の派遣が実現すれば、第2次世界大戦後、初の「日本兵」の戦死者を生むだろう。ドイツが戦後初の戦死者をアフガニスタンで生んでいることは想起する必要がある。だが非核3原則の変更は、それとは比べるべくもない深刻な事態を日本にまねくであろうこともしっかりと把握しておく必要がある。

日本の次期首相選出後の言動に軍事的視点から注目しておきたい。


(Global Photo Exchange 菅谷洋司)


オバマのアメリカ 記録された殺戮

オバマのアメリカ 記録された戦争

戦争をする国・せざるを得ない国」⑰

-攻撃ヘリのガンカメラが撮影した殺戮-
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アパッチ攻撃ヘリの機銃掃射を受けて、倒れるイラク人の映像

ヘリのガンカメラが撮影した


数々の秘密映像をウェブ上で流しているスウェーデンの内部情報告発サイトWikiLeaks が、4月5日ワシントンで、3年前に起きたイラクでの事件で、Collateral Murder(巻き添え殺人)と題した衝撃的な映像を公表した。

http://www.collateralmurder.com/ 。このURLをクリックして、まずは映像を見ていただきたい。

英文の前書きは以下の通り。

5th April 2010 10:44 EST WikiLeaks has released a classified US military video depicting the indiscriminate slaying of over a dozen people in the Iraqi suburb of New Baghdad -- including two Reuters news staff.

Reuters has been trying to obtain the video through the Freedom of Information Act, without success since the time of the attack. The video, shot from an Apache helicopter gun-site, clearly shows the unprovoked slaying of a wounded Reuters employee and his rescuers. Two young children involved in the rescue were also seriously wounded.

2007年7月12日、イラクのニューバクダッド地区で、AK47を持った男たちが、米軍攻撃ヘリ「アパッチ」の30mm機関砲の銃撃を受け、死亡した。推定12人が死亡したが、その中にはイラク人のロイター通信のドライバーとフォトグラファーが含まれていた。

ロイター通信はアメリカの情報公開法で銃撃を受けた時の映像を入手しようとしたがダメだった。

今回の映像がどのような米軍関係者からWikileaksの手に渡ったのかは不明だが、銃撃を受け倒れたロイター通信のスタッフらしい人物を救出しようとした車が、再度銃撃を受け、助けに来た男たちが倒れるシーンを、冷酷なガンカメラはとらえている。

銃撃を受け、はいつくばる男が銃を手にすれば、再度の攻撃を加えようとする米兵の声も録音されている。

事件発生を伝えた当時のニューヨークタイムズ の記事と、映像公開についての記事 もあわせて紹介する。CNNは映像メディアの視点から報道 している。

保守系大衆紙ニューヨークポスト も、軍関係者のコメントを入れながら、報道した。

戦争を記録するのは、ジャーナリストだけではない。少なくとも死亡した2人のロイター通信のスタッフは永遠にその機会を失った。

戦争行為そのものを、当事者の側が映像で記録する時代に、ジャーナリストはどう対応したらよいのか・・・

さらに果たしてこの映像は事実をどこまで伝えているのかも考えなければならない。

ブッシュ政権下の事件とはいえ、同じような状況がアフガンでも発生しているのではないのか。オバマのベトナムはどうなっていくのか。映像以前の問題として、ジャーナリストの見えない事実を解き明かす想像力が試されている。

(Global Photo Exchange Yoji Sugaya)

ひとこと:

CNNが事件後、国防総省が発表  した報告書を載せている。映像と報告書をつぶさに検討する必要がある。




オバマのアメリカ 核戦略見直し

オバマのアメリカ 核戦略見直し

「戦争をする国・せざるを得ない国」⑯

-先制核攻撃を排除しない国と核の傘の下の日本-
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The Nuclear Posture Review (NPR) is a legislatively-mandated review that establishes U.S. nuclear policy, strategy, capabilities and force posture for the next five to ten years.

米国防総省の記者会見。中央左,ゲイツ国防長官、右ヒラリー・クリントン国務長官(原文のキャプションには名前が書かれていない)


オバマ大統領が主導する形で、米国の核戦略の見直し(一部メディアは指針と訳している)が発表された。

The Nuclear Posture Review (NPR)発表時の記者会見を伝える米国防総省のホームページ には詳しい情報が記載されている。

オバマ大統領の声明 (Statement by President Barack Obama on the Release of Nuclear Posture Review)。国防総省発表のプレスリリース はメディアが入手しているものとまったく同じものを読むことができる。


核戦略見直し原文 は70ページ以上の長文。読み切る時間がない。評価を下すのは、私にはまだできない。

しかし、発表に先立ってオバマがニューヨークタイムズの単独インタビューに答えた記事の冒頭部分が、ある意味ではっきりとその意味を伝えていると思う。

ニューヨークタイムズ紙のインタビュー の書き出しは、以下の通り。

WASHINGTON — President Obama said Monday that he was revamping American nuclear strategy to substantially narrow the conditions under which the United States would use nuclear weapons .
直訳すると、「ワシントン発ーオバマ大統領は、核兵器を使用する条件を実質的に狭めるため、アメリカの核戦略の(重要な)見直しを行っていたと語った。」


ブッシュ政権が核攻撃について、フリーハンドの立場だったことに較べれば、大きな違いかもしれない。しかし、アメリカが場合によっては核攻撃を行使する国であることを、再認識する必要がある。また、日本がアメリカの核使用を担保として(核の傘)国防が成り立っている国であることを改めて認識させられる発表でもあった。

日本とは違い、メディアが入手できるほとんどの情報を、インターネット上で、普通の人たちが入手できる。日本のメディアが伝える見出しに惑わされることなく、一個人として冷静に知識を蓄え、今回の発表を判断していきたいと思う。

大変だと思うが、全文を読んでみてください。

(文:Global Photo Exchange Yoji Sugaya)

ひとこと:

核爆弾とはどんなものだろうか?以下、インターネットでさがした写真の一部をご覧ください。


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A B61 bomb undergoing disassembly.(バンカーバスターと呼ばれる核爆弾。地下深く隠された核シェルターを攻撃する。

The B61, originally known (before 1968 ) as the TX-61, was designed in 1963 . It was designed and built by the Los Alamos National Laboratory in New Mexico . It began from a program for a lightweight, streamlined weapon launched in 1961 , and was formally designated TX-61 in 1963 . Production engineering began in 1965 , with full production beginning in 1968 following a series of development problems.

Total production of all versions was approximately 3,155, of which approximately 1,925 remain in service as of 2002 , and some 1,265 are considered to be operational. The warhead has changed little over the years, although early versions have been upgraded to improve their safety features.

Nine versions (or 'Mods') of the B61 have been produced. Each shares the same 'physics package,' with different yield options.

The newest variant is the B61 Mod 11, deployed in 1997 , which is a ground-penetrating bunker buster .

http://encycl.opentopia.com/term/B61_nuclear_bomb


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Approximately 50 B61 nuclear bombs inside an igloo at what might be Nellis Air Force Base in Nevada. Seventy-five igloos at Nellis store “one of the largest stockpile in the free world,” according to the U.S. Air Force, one of four central storage sites in the United States.(ネバダの空軍基地のイグルータイプの弾薬庫に貯蔵されている核爆弾。同種の弾薬庫は沖縄の米軍基地にもある。

http://www.fas.org/blog/ssp/2009/11/locations.php

The Federation of American Scientists FAS) のホームページからーwas founded in 1945 by scientists who had worked on the Manhattan Project to develop the first atomic bombsThe Federation of American Scientists (FAS) was founded in 1945 by scientists who had worked on the Manhattan Project to develop the first atomic bombs


もうひと言:

しばらくブログをサボっていました。申し訳ありません。







 



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