人前であくびをするのは無礼なことといわれますね。

でも、思いっきりするあくびって気持ちいいですよね。

本日は、そんなあくびを習いに行くはなしです。



『今日からあたらしい習い事はじめようと思うんだ。』


『おめぇ、長続きしねぇからなー。いたい今度は何を習うんだ??』


『今度のは、体もきつくねぇし、続きそうだぜ。』


『だから、なんだよ?』


『あくびだよ』


『え??そんなの、眠けりゃでるだろうよ。』


『きっとプロのあくびは違うんだよ。頼むから今から一緒に来てくれ!!』


と無理やりつれられて、【あくび指南所】へ。


『春、夏、秋、冬。どのあくびがよろしいか??』


『え、あくびに季節があるんですか??』


『では、初心者向けに夏のあくびをするとしましょう。』

まず、私がお手本を見せます。

場所は隅田川のほとり、船遊びの最中で船頭と二人っきり。タバコに火を付けて、身体がゆら~りゆら~り。。。

『お~い、船頭さん、船を岸に付けとくれ、、一杯飲って、吉原で粋な遊びでもしようや、。船も良いが一日船に乗っていると・・・、退屈で・・・タイク・・・ふぁ~~あ(大あくび)・・・』

『うめーな。さすが先生』


先生と同じようにこころみるが、なかなかうまくいかない。


『もっとゆくり。。。そこはもっと間をおいて。。。ETC』

つきあいで連れてこられた友人は、


『なんだい、こりゃ。とても付き合っておられん。くだらねぇ~。あーあ、、ふぁーー(大あくび)』


あくび指南


「あらまあ、お連れさんのほうが器用だ」



金原亭馬生1「あくび指南」「笠碁」 : 「朝日名人会」ライヴシリーズ 4
金原亭馬生(11代目)
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三題噺というのはお客からお題を三つ頂いて、それを折り込んだ即興の噺のことです。


即興落語ということですね。



落語っていうと、どうしても昔のはなしというイメージになってしまいますが。。。




三題噺で有名なのが『芝浜』という噺です。


この噺のお題は、「酔漢(酔っぱらい)」「皮財布」「芝浜」です



芝浜は現在のJR田町駅北西側でしょう。

酒ばかり飲んでいる男が芝浜で大金の入っている財布を拾う。

しかし拾ったはずの財布がなくなる。

妻の言葉によって「財布を拾ったこと」は夢であったと諦める。

男は改心して、懸命に働き、好きな酒を断ち、独立して自分の店を構えるまでに出世する。

後に妻から事の真相を知らされるという筋。

実は妻が財布を隠していたのだ。

夫婦の愛情を暖かく描き、古典落語の中でも屈指の人情噺として知られる。


噺のラストが好きですねー。


頑張ったご褒美に、妻から酒を勧められ、飲もうとするが、


「よそう。また夢になるといけねぇ」


B00005EO0G 芝浜/御神酒徳利
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地口とは駄洒落の一種で、韻を踏んだりする言葉遊びである。


『何か用か? 9日10日』 (声に出して。。。)などでしょうか。



大山詣り  という話が代表的である。


団体でお参りにいく途中、悪ふざけで、髪をそられてしまった男が、仕返しに、地元へ先回りして、髪を剃られた仲間の妻たちを尼さんにしてしまう。



そして、落ちで


『みんな毛が(怪我)なくてよかった』


という具合です。



落語のはなしの中で、こうした類のものは軽く見られがちです。


なんかのおまけ!


みたいな感じで扱われたりしますが。。。(林家菊蔵??)



使う人のセンスが問われるのでしょうね。



三道楽煩悩

さんどらぼんのう


と読みます。


人間には、道楽(趣味)というのがあります。江戸時代の典型的な男の道楽は


「飲む、打つ、買う」

ですね。(落語にもよく登場します。)



飲むは酒、打つは博打、買うはご婦人。。。


今でも使われるので皆さんもよくご存知でしょう。



江戸では、女を買うのは吉原。


『五人廻し』というはなしがあります。


『廻し』というのは、1人の芸者が複数のお客を掛け持ちしている状態のことを指します。


お金を払って入場したはいいが、お目当ての芸者がなかなか来ない。。。

来てもすぐ、どこかへ行ってしまう。

あれ?現代のキャバクラと一緒だ。。。


今も昔も変わらないのですねぇ、人間だもの。


ただ、廻しという風習は、江戸にしかなかったそうです。(今は知りません!!)




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厄払いの風習としては、



厄年の前年の大晦日・当年の正月に神社へお参りしたり、厄除けのお守りを買ったり、祈祷してもらったり。。。



男性は、10歳、25歳、42歳、61歳、

女性は、19歳、33歳、37歳

が厄年とされているようです。


これは地方によって多少の違いがあるようです。


七五三も本来はこの厄年にあたるとみられます。




昔は、厄払いを生業とする人もいたようです。


『・・・門に松竹、しめ飾り。床に橙、鏡餅・・・鶴は千年、亀は万年・・・・』


というような口上でふれまわって、料金をいただいていたようです。




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鶴は千年、亀は万年


なんでか知ってます??


鶴はケンカを『せんねん!』

亀はいつも仲良くし「まんねん」やて。。。



てのはうそでっせ。。。




よく江戸前寿司なんていいますね。


東京湾でとれた魚介類のことをさすそうです。正確に言うと、当時は品川沖ということになるでしょうか。



江戸城の前の海でとれたもの、というのが語源のようです。



和風のファミレスで華屋與兵衛ってのがありますね。



この華屋與兵衛さんが握り寿司をはじめたという説があります。


文政7年(1824年)ころだといいますから、まだ200年経ってないのですね。


当時は屋台などの形態が多かったようです。


もしかすると、当時のファーストフードの感覚かもしれませんね。



『おい!与太郎!おめぇ、歩きながら寿司食うんじゃねぇ』



なんて、親に叱られてたのかもしれません。






〔片棒を担ぐ〕

という言葉があります。


駕籠の、先棒か後棒かのどちらか一方を担ぐということから、きているといわれています。

悪事に加担するという意味でよく使われますね。



今回の片棒はどんな片棒か。



今回の主人公は、一代で財をなした、ケチべえさん。

とってもケチな大金持ちのはなしです。


江戸っ子は宵越しの銭は持たねぇ。などと言いますが、そういうい人ばかりではなかったようです。




ケチべえさんが70歳になりました。

そろそろ先が見えてきた。幸い、子供は三人おります。


誰に跡を継がせるか??


そこで3人にテストを出すことにした。



課題は、


『わたしが死んだら、どんな葬儀を出すか??』


まず長男を呼んだ。



すると、


『盛大にやりましょう。3000人ほど集めて!!』



つづけて次男


『新橋、柳橋、芳町、赤坂の芸者を総動員…』



ケチべえさんは、頭を抱えてしまう。それを見ていた三男は、




『モンゴルでは、遺体を野山にほっておいて、鳥に食べさせるというやり方があるそうです。

これなら自然にもやさしいですし、金もかかりません。いかがでしょう。』



『そりゃあ、あんまり寂しすぎるだろう!!』


『では、漬物の樽で!』


『まぁ、死ねば臭いも気にならんものな。それから?』


『葬儀の時間ですが、早朝やりましょう。葬儀の時間はわざと遅めに連絡しましょう!』


『なぜ??』


『朝やれば、お昼も準備しなくていいし、人が集まる頃に出棺してしまえば、お香典だけもらえますから!』

『なるほど!さすが我が息子!』

『さらに、桶は私が担ぎます。もう片方はですね、えーっと。。。』

『わしが担ぐ!!』




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日本語って難しいですね。


今では文字が読めない人はあまりいませんが、むかしは文字を読めない人はかなりいたようです。


特に江戸の職人の中では、文字が読めたりそろばんが出来たりすると、


「いやな野郎だぜ…」


なんて事も。




この話も文字があまり読めない夫婦の話です。


亭主が目の具合が悪いので、薬屋で目薬をもらってきた。


効能や使い方は袋に書いてあるという。


「お前さん、文字をよめたんだっけ??」


「読めねえよ。まぁカナ文字くらいなんとかなるだろう。」


と読み始めるが…


こ、の…くす、りは…、


み、み、か…??きに??いつぱい、ほど



「この文字はたしか…お湯屋でみたなぁー。」


などなど、


「このくすりは、みみかきいっぱいほど、めじりにつけてつかうべし」


と書かれあるのだが…。



「め」を女と勘違い。



目が悪いのは亭主のはずだが…、


「女尻」につけるとの解釈。



「おれの眼が悪いのに、女の尻につけて、どうなるんだ? 妙な薬だなぁ」


「ケツを出せ」

「イヤよ」


なんて繰り返しながら、薬をつけようとすると、


ぶーっっとおならが出て、粉が舞い、亭主の目の中へ…。



「なるほど、こうして使うのか!!」


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『薮入り』という言葉は最近わまり使われなくなりました。


お正月とお盆の16日前後に奉公人が主家から休暇をもらい、実家に帰り、休息する日。


という意味で使われます。



雑草や雑木が密生している所藪ですから、草深い田舎へ帰ることを指すようです。


やぶへび、藪から棒などの言葉もありますね。



古典落語にも『薮入り』というタイトルのはなしがあります。



『明日、亀ちゃんが帰ってくる日だ。』


『何を食べさせてやろうか』


『どこへつれていこうか』


と夫婦で息子の帰りを待ちわびる様子がほほえましい。




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