グリーン・ブレイカーズ

グリーン・ブレイカーズ

 農業の現場のお話しを中心にお伝えしてます。

大災害のたびに繰り返される光景。
能登半島地震による道路の寸断、停電、断水などのライフラインの混
乱で、その影響が深刻化している災害地。とくに人的被害にニュース
の大半が費やされているなかにあって、避けて通れない状況にあると
推測されるが農業、なかでも畜産業です。
ということで​2011年東日本震災時の当ブログ記事の再録​となりま
す。外国産飼料に頼っている日本の畜産の現状と自給率に関する話で
すので、よろしかったらご参考に。



農作物には土地利用型作物と労働集約型作物があり、その作物を使っ
た土地利用型作物農業と労働集約型農業があることを、ご説明してき
ました[​こちら​]。そのうえで最近なにかと話題となることが多い日本
の食料自給率の表し方を取り上げ、カロリーや生産額やさらに重量で
表した自給率もあったたほうがベターだと述べました[​こちら​]。そし
て本日は、続編となります。

はじめに新聞記事のご紹介です。 


 大型船入港.jpg 農業新聞第一面のこの写真です。

こちらは2011年7月12日の『飼料詰み大型船入港』と言う見

出しのついた日本農業新聞の第一面の写真となります。

この記事のおおまかな内容ですが・・・『津波により甚大な被害を
受けた宮城県石巻港に11日、震災後初となる大型外航船が到着し
た。石巻市は東北地方の飼料380万トンの3割を占める飼料基地。
大型船での仕入れが再開したことで、安定的な飼料供給体制が整っ
た』と、いうものです。

東北地方は有数の畜産基地ですからね。この日に入港した5万トン
級の大型貨物船で運ばれた米国産トウモロコシ2万5000トンは、
飼われている家畜への安定的な飼料供給に対して大いに役にたった
はずです。ちなみに今後は震災前と同様に〔トウモロコシだけでも〕
1ケ月に一回の割合でこのような大型船による輸送が行われること
になります。

いやー、よかったですね。と、ここまでは新聞による単なるニュー
ス。これから先を考えるのが現場に居るものとしてのつとめですが・・・

そうなんです。ご存じの方も多いとは思いますが有数の畜産基地で
ある東北の家畜の餌もまた、新聞記事にあるようにそのほとんどは
外国産なのです。この事実が、

 カロリベースや重量ベースの自給率が必要な理由

となります。

そして飼料ならまだまし。 大弾幕.jpg

この写真の横断幕をもって入港を歓迎する方々が、もし仮に家畜の
エサではなくわれわれ日本人の食料を歓迎する人々であったとした
ら、どうでしょう。
今回ご紹介した新聞記事の『飼料詰み大型船入港』の飼料という言
葉を『食料』という言葉に置き換えたとしたら、どうでしょう。

 外国産飼料に頼っている日本の畜産ってだいじょうぶなのかな

と思ってしまうのはわたしだけではないはずです。脅かすわけでは
ありませんが、あと数日もたては8月15日の終戦記念日。この終戦
記念日にまつわる話として・・・私の出会ったたくさんの農業界の
先輩たちから

 終戦前後の日本のイネの収量は悲惨といってもよいほどの不作

であったというという言葉を、〔わたくしは〕何度も職場で聞かさ
れてきた過去があるのです[終戦の年の食料不足はいくつもの朝ドラ
でも描かれてきてますし]。その言葉を思い出しながら、この新聞
記事を眺めていると、どうしても『飼料』が『食料』という言葉に
見えてしまって こまっちゃうというわけです。

・・・さてさて。そのような個人的な感想はさておいて、震災前後
のとある東北の畜産農家さんについての時事通信 4月30日号に掲載
された『岩手の養鶏農家も大打撃、えさ不足で大量殺処分』という
記事をご紹介して今回のおはなしを終りにしようと思います。よろ
しかったらご参考に。↓

東日本大震災は、津波被害を免れた岩手県の養鶏農家にも大きな打
撃を与えた。地震に伴う停電や津波で、飼料工場などが操業停止に
陥り、農家は弱ったニワトリを大量に殺処分。同県の鶏肉生産高は
国内3位で、高病原性鳥インフルエンザ問題に揺れる日本の鶏肉産
業にとっても痛手となった。
陸前高田市の高台で「タカハシファーム」を運営するTさん。生ま
れたばかりのひよこを仕入れ、60日程度かけて育てた後、大船渡市
の食肉メーカーに出荷していた。「子供たちが安心して食べられる
ものをつくりたい」と、抗生物質を使わずに育てたニワトリが自慢
だった。
津波で市役所などが流された市中心部とは違い、5万羽を飼ってい
た養鶏場に大きな被害はなかった。だが、宮城県石巻市や青森県八
戸市など沿岸部にある飼料工場が被災して、えさが入手できなくな
った上、出荷先のメーカーの工場も停止。1週間は様子を見たが、
えさ不足で弱ったニワトリは病気にかかりやすいため、全て処分し
て埋めた。ひよこの購入代や飼育に使ったえさ代など被害は2000
万円に上る。岩手県畜産課によると、震災の影響で養鶏農家のニワ
トリは4月下旬までに約270万羽が死んだ。。

以上、参考としての新聞記事でした。


晴れ ほめ殺しという言葉。経済界の方々の“日本農業は強い論”を
  聞かされると、わたくしは、このほめ殺しという言葉を連想
  してしまうというのが正直なところです。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 


のの<

カステラの形といえば長方形ですけれども。
長方形の型に、小麦粉・砂糖・水飴・卵などの材料を流し込ん
で作られるスポンジケーキのようなお菓子である カステラ。
長崎県の伝統的なお菓子ですよね。

そんなカステラを 長崎県佐世保の友人からいただきました。


 

老舗の福砂屋さんのカステラ。です。

なかなかに現代的なパッケージだな とは思って、さっそくに
食してみようと、 包丁とまな板を用意したところ・・・・




開けてみたら、なんとなんとこんなにかわいい内容物が。取り
出してみると こんな感じで バラケ ましたよ。↓


柄もよか です。 


そしてこの椿の柄の柄が印刷された箱の開き方ですが・・・

 

中央の矢印を引っ張り上げると、

      

まるでお花の蕾が開花する感じで、 中央からバッカリ開く 
ひらいていき


     

包み紙の中から、正方形に仕立てられたカステイラが出現し
ましたよ。





意外性に富んだ趣向で・・・開けるという作業が、じつに楽
しかったです。 このあと食したカステイラは普段の2倍は
確実においしく感じてしまいました💛

パッケージというのも、なかなかに だいじなことなのだな
と実感させていただきました。


晴れ イチゴや柑橘を使ったお菓子や、果実そのものにも
  応用できそうですよね~。
  

 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜


のの

 

栄養成長に走りがちな植物[お花]対策は。
たとえばエメラルドセージです。 南九州などの気温の高い地方では
とかく栄養成長に走りがちで

  大きくなりすぎて咲いても倒れてしまう
  切り花にしても 水が上がりにくい
  お花が ぽろぽろ落ちてしまう 

といった、このエメラルドセージなのですが、

   


  夏場に、いちど半分ほどの大きさに刈りこみ、そのあとに
  リンサンと苦土[マグネシウム]分の多い肥料を使う

などの対処法で、ほどよい長さの・花持ちのよいお花ができます。

そして・・・そんなエメラルドセージの活用法です。上の写真か
ら1週間ほどたって花が盛りになってきたら

のののセージ6 セージ4
のののセージ3 セージ2

農産物宣伝の一助的な活用法として、切り花にしてバシバシ利用
します。ということで車に積んで、飾っていただけるところへゴー


ののの エメラルドセージ



晴れ ちなみにここ10年ほどのあいだ すっかり生息数が
  減少して、心配していた あの ホバリングの名手の、
  スカシバたち[こちら]なのですが、昨年くらいからじ
  ょじょにふえてきたかんじで、このセージにも今年は
  よくきてくれていました。それとあわせるかのように
  シジミチョウも、その姿をみかけるようになってきま
  した♬
  
 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜


のの

栄養分のやり過ぎでは植物にも支障がでる。
12月05日の昨日が国連の定めた「土の日/世界土壌デイ」とい
うことで、たとえば新聞の論説が一斉に ●土が痩せる ●土壌の
3割が劣化 ●土が化学物質で充満 などという、通り一遍的な
論調で満ち溢れているようですが・・・そんな土ばかりではない、
まずは土づくりという国を挙げたスローガンのもと、長年にわたっ
て 抗生物質や成長ホルモンのはいった大量飼育された家畜ふんを
多量に施用された国があり、土が痩せるどころか肥満し、作物
の生育に支障がでている場合もある
のですよ、さらには施された
抗生物質の影響で耐性を持ったウイルスまででてきている[​こちら​]
そして井戸水だってのめなくなるケースまででている[こちら]ので
す・・・という例を、できるだけわかりやすくとりあげてみました。
やはり植物にも、養分を取りすぎて、生育がうまく行かない場合
がある。そのような作物を食べ続けることによってヒトに影響が
でることもあるというはなしですので、よろしかったら、ご参考に。

 ↓

土に栄養が過ぎる状態が続く 〔土に養分が溜まりすぎる〕状態
が続く と・・・つぎのような作物の症状が 表れることがまま
あります。

 ● サトイモのイモがまったくなっていない
 ● ミカンを植えたが、実がならない
 ● サツマイモのつるだけがのびる
 ● イネがのびて、穂は遅れてでたが倒伏した
 ● お花の咲く時期に花がこない
 ● 大根などの根菜の根がねじ曲がる
 ● キュウリなどの果菜類の果実が変な形になる 
 
こういった状態の代表的な事象は「樹ボケ」や「ツルボケ」など
とよばれてきました。

 ● 養分があればあるほど、吸っちゃう
 ● 栄養成長へと偏る
 ● 吸われた養分の相性により微量要素欠乏が発現

といったような身体を大きくするだけの方向や、微量要素欠乏が
おこりうる状態へと生育が進んでしまうわけです。

 →ミネラル不足の野菜のできる理由は こちら

では、どうすればいいのでしょう。

最初に土の検査をやって、その作物にとって必要な養分を検査す
るという方法があります。その後、検査で必要とされた養分しか
やらない。

また、土壌の検査に頼らない、耕種的な こんな方法もあります。
それは 生育にあわせて肥料を分けてやる。こと。

 植付け前にある程度施して
 ↓
 樹ボケ、ツルボケにならない程度の生育をはかり
 ↓
 花芽がつきはじめた時点から
 ↓
 植物が利用できる程度に少しづつ
 ↓
 生育に合わせて肥料 をほどこしていく

と、いうやり方ですね。

というふうに、植物が利用できるくらいの適度の養分を やって
いくということが、 植物にとっても、ヒトにとっても、自然環
境的にとっても やさしい
[​こちら​]ということになります。

さて、そして・・・
「有機」なら話は別だろうと かんがえているあなた。

有機の元肥一発施肥が、樹ボケやツルボケをひきおこす危険性は
一番高いんですよ。注意が必要です。たとえ実がならない植物
葉物のホウレンソウやコツナとか〕でも、硝酸が過剰になる場
合が多々ありますから、気をつけてくださいね。そして 生ゴミ
リサイクル肥料をつくられている あなた。この場合も同じです。

 → 家畜ふんの連年大量施用による過剰カリや塩分対策は​こちら​。
 → 牛ふんたい肥から除草剤成分の回は こちら
 → 生物の 食性・生態をもかえた例 は こちら

いじょう今回は「栄養分をやり過ぎたら、植物にも支障がでる」
し、「その支障がでた植物を食べ続けると、ヒトにもいずれ支障
がでる」というお話しでした〔これは放射性物質にもカドミウム
や水銀にも通じる話ですよね〕。


晴れ クリーニングクロップを植えるといったふうの作物栽培
  方法もあります。これは 土に溜まっている養分を
  作物を収穫することによって抜く という農法/農業です。
 
 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜


のの