91年に新訂された新訂版桃太郎伝説の紹介です。


と言っても内容は旧版と全く変わらないため、違いは表紙と価格(消費税導入による)ぐらいですが、その表紙はゲームの公式イラストを手掛けられていた土井孝幸氏のものに差し替えられています。


土井孝幸氏というと当時黄金期だった週刊少年ジャンプの読者投稿ページ『ジャンプ放送局』のイラスト担当をしていた凄い人でありますが、双葉社ゲームブックだと桃太郎伝説スペシャル以降の桃伝シリーズの他にもジャングルウォーズ、忍者らホイと、意外に多くの仕事をされております。


ちなみに『桃太郎伝説』シリーズは全六巻と双葉社ゲームブックの中で群をく長編で、次いでファミスタシリーズが五巻、WIZシリーズが外伝を含めて四巻と続きます。


双葉社は人気作の続編が比較的出やすいのでシリーズ化は人気のバロメーターと考えて良いと思いますが、新訂版まで出版されたのは恐らく本書ぐらいなものでしょう。(ちょっとうろ覚え)


残念ながら新訂版桃太郎伝説が出版された頃にはゲームブックというジャンル自体が廃れ始めていたためそれほど出回っておらず、したがって古書店で扱っている『桃太郎伝説』の多くは旧版を指しているようです。ネット注文の際にはくれぐれもお気を付けを。


趣味の廃屋 ゲームブック館-新訂版桃太郎伝説
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でも置いているのは旧版がほとんどかと…。



●ストーリー

 ボク(ミック)とキース、そしてシーナは15才にもなるってのに“村一番のいたずらトリオ”として名が通るほどのワンパク3人組。その日も、となりの骨董品マニアのロバートじいさんの家から、ひとふりの古びた剣を盗み出し、キースがその剣をさやから抜いたとたん、まばゆい白い光とともにイシュメリア国の王様が現われた。「お前たちは封印されていた悪魔を解き放ってしまったのだ。聖剣ネクロマンサーを探し出し、封印せよ!」とひと言。なんで僕たちがそんな…、だまされたような形で、僕たち3人はむりやり勇者にされ、旅出つことになったのだが…。

(BOOKデータベースより引用)


●感想

「夜一人では遊ばないで下さい」というキャッチコピーを知っている人には、表紙がH・R・ギーガーじゃない時点で違和感を受けまくりの作品。『悪魔の封印を解いた悪がきトリオが異世界へ召喚される』という双葉ゲームブックにありがちなアレンジが加えられており、独特な雰囲気を持つ原作の世界をそれと全く空気を読まない現代っ子の主人公たちが冒険する内容になっています。明らかな人選ミスというか原作を全くリスペクトしていないあたり、完全オリジナルとして出した方が良かったのではないかなぁ…。

本来ならPCエンジン冒険ゲームブックと表記するところを、単に冒険ゲームブックとなっているところが間違えなのか意図的なのか気になるところです。


●難易度

普通。

分岐路が多いように見えますが基本は一本道。経験値および資金稼ぎ、アイテム回収のために回り道はどんどんしましょう。

主人公はどんどん強くなっていくので後半は無敵モード突入ですが、モンスターの中には『逃げる』を選択することによってイベントが発生するものもいるので要注意です。

運試しでしか手に入らない夢情報とか無駄に難しくしすぎ…。



趣味の廃屋 ゲームブック館-邪聖剣ネクロマンサー

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●ストーリー

西暦2036年×月×日、ぼく=タクマは人工冬眠装置のカプセルの中で目覚めた。破滅的な最終戦争をシェルターの中で生き延びたのは、ぼくとリュウと名乗る不思議な少年の二人だけ。彼が語る最終戦争後の地上の様子は、魔族と人間が共棲する悪夢の世界だった。新型爆弾によって歪んだ時空を修復し、地上から魔族を追いはらい、人間の手にとりもどさなければならない。ぼくのコンピュータのディスプレイには、再生への唯一の道、“メシアプロジェクト”のプログラムが表示される。リュウに導かれ、ぼくは悪魔の支配する地上へ向かった。

(BOOKデータベースより引用)


●感想

 今やドラクエ、FF、WIZと並ぶ人気RPGシリーズとなった女神転生のゲームブック版です。

魔王サタンが支配する世界を、敵対する魔王ルシファーを復活させて打倒しようという『毒を持って毒を制す』の格言を地で行くストーリーですが、サタンを倒した後にも悪魔と共存する道を採るか否かで真の敵とエンディングが二通りに別れる凝った作りとなっています。

 目玉となる悪魔を召喚して敵と戦わせるシステムもしっかり引き継がれており、40種近くもの悪魔の中から仲魔を合成することができます。

 合成する仲魔、目的地の選択もある程度自由に選べるため繰り返し遊ぶことができ対象年齢も若干高め、個人的な見解では双葉シリーズの中でも特に面白い作品の部類に入ると思います。

●難易度

やや難。

仲魔とする悪魔はレベルよりも特殊能力を重視しましょう。

一度だけ体力を全回復してくれるキクリヒメは、体力が減っている状態で合成すると勝手に回復魔法を使い消えてしまうのでタイミングの見極めが必要です。

 著者の吉田圭氏以外にもゲーム構成に井上尚美氏が携わっており、井上氏の影がちらつく難解な謎解きも用意されています。


↓表紙画像をクリックするとamzonへリンクします。


趣味の廃屋 ゲームブック館-女神転生Ⅱ

魔物図鑑に全裸のねーちゃんのイラストあり(公式版の小さいサイズですが)

終末の惑星 」の画像が入手できたので交換しました。


前に使用したものは表紙が破れていたのを後ろからセロテープで貼ってごまかしていましたが、荒い画質が幸いしてなんとか誤魔化せていました(と、本人は思っている)。

新しく購入した本はとても奇麗な表紙でしたが折り返し部分がセロテープで止められおり、変な跡がついてしまっていました…。

それにしてもセロテープと本の相性の悪さは、長い年月を経て現れてしまいますね。

このページの記事 を読んで目からウロコが落ちてきました。


みなさん本は大切にしましょう


前回の続きです。



趣味の廃屋 ゲームブック館-will


『WILL』が『次元からくり漂流記』の改題作品であることは前回触れましたが、年齢が大きく変わっているため、それにともなってキャラクターの性格や家庭環境、将来の夢などに若干の変更があります。以下、主要キャラの設定をまとめてみました。



栗林慶子(くりりん)

本編主人公。財閥の家系に生まれ育った生粋のお嬢様で、習い事は多岐に渡り、学校では学級委員を務めている。本人は自由で束縛されない生活を望んでおり、将来のことまで親に口出しされている現状へ不満を抱いている。

北博士が作ったタイムマシンのお披露目に招かれた際、マシンの暴走に巻き込まれて大介と正夫とともに安土時代を旅することとなる。


北大介(ダイスケ)

マッドサイエンティストである北博士の息子。父の影響か性格が多少屈折しているものの自立心が強く、3人の中では一番しっかりしている。その一方で校則を無視して学校にバイクで乗りつけるなど問題行動が多く、学級委員である慶子を困らせていた。『次元からくり漂流記』でもガキ大将だったが、くりりんには頭が上がらなかった。


田辺正夫(ハカセ)

歌舞伎役者の家柄で将来は女形を目指している美少年。趣味は機械いじりで頭も良く、暇さえあれば北博士の研究を手伝っている。

慶子に対して好意を抱いており、そのことを本人へ何度となくアピールしているが軽い口調と態度のためか本気にされていない。『次元からくり漂流記』では気弱な眼鏡少年として描かれており、性格のギャップに成長の跡が伺われる。


と、だいたいこんな感じです。


『WILL』は高校生になって疎遠になりつつある幼馴染三人組が、タイムマシンの暴走に巻き込まれて安土時代へと飛ばされてしまう物語で、からくり漂流記とは違う世界の出来事として描かれています。

『本能寺の変』の数日前が舞台背景なので、同じテーマを扱ったSF小説『時の旅人』と比べてしまいますが、内容的にはむしろ和製バックトゥザフューチャーかと思います。

織田信長はもちろんのこと、その寵童である森蘭丸が謎キャラ扱いとして登場するので、くりりんかハカセあたりが変装するんだろうなー、と予想していましたが全くそんなことはなく、別のサプライズが用意されておりました。ハカセが女形志望という設定とかはどうでも良い感じですね。


気になるキャストですが今回もまたすごい顔ぶれがそろっています。


趣味の廃屋 ゲームブック館-『WILL』キャスト

現在第一線で活躍されている声優さんがメインキャストとして共演されているほか、故・塩沢兼人氏による織田信長などファン泣かせのキャスティング。


ところで地層階級王国の時にも亀太郎という脇役が登場していたのですがゲームCDにおけるマスコットキャラのようなものでしょうか?まぁ、亀太郎が登場する項目はバッドエンド確定なのですが…。