七五三。
先週の土曜日に、鵠沼海岸近くの神社で七五三を済ませた。
まいさんにとっても、わたしたち夫婦にとってもひとつの節目。
今年幼稚園に入園できなかった代わりに、
春から市の保健所や療育施設に通い、
念願の幼稚園も今月はじめに決まった。
これま無事成長できたことに、ワイフをはじめ、ワイフやわたしの実家の家族、
その他、まいさんを支えてくれているすべての方々へ感謝したい。
「元気」でいてくれることが、何よりありがたいことだ。
人より多少ゆっくりとではあるが、
彼女なりにひとつずつハードルをクリアしている。
ハードルを乗り越えるには、いろんな人の手助けがいる。
イクメンなどというが、育てられているのは親の方なのだ。
まいさんと一緒に人生を一からやり直しているようで、
彼女から学ぶことは実際多い。
…一方、
春からフラフープ、背伸び、ごま、最近ではモムチャンに至る
ワイフのダイエットプロジェクト。
こちらのハードルは、一向にクリアされそうに(な気配すら)ない。
その後の亀。
あの七里ヶ浜のカメさんはどうなったのか?
どこに連絡すればいいのか皆目見当が付かず、
最初江ノ島水族館にでも連絡しようかと思ったのだが、
ネットを検索して見つけた「財団法人かながわ海岸美化財団 」
にメールをしておいたら、すぐに返事があった。
以下、その文面。
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この度は、ご連絡ありがとうございました。
そちらのウミガメについては、専門の研究者の方
(http://ocean-wanderer.info/wwwp2/
)に連絡し、
本日の午前中に解剖調査を行い、
つい先ほど埋却処理をいたしました。
この時期、ウミガメの漂着が多数ありますので、
もし、また海岸で見かけた際は、
ご連絡いただけると幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。
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わたしは漂着ウミガメを発見したのが今回初めてだったが、
どうやらまれなことではないらしい。
専門の研究者の方のホームページを見ると、
神奈川県内の海岸で、6月中だけでも20件近くの漂着報告がある。
さらに調べてみると、こんな記事も発見した。
http://science.news2ch.net/read.php/1103871376/
七里ヶ浜のウミガメの死も、
我々人間界の仕業かもしれないと思うと胸が痛む。
安らかにも見えたあの死に顔は、苦悶の表情であったのだろうか?
静かなる海の使者からの、無言のメッセージ…。
梅雨が明ければ湘南も本格的な海のシーズンを迎える。
片瀬の海岸にも海の家が続々とオープンし、
ビーチはレジャーを楽しむ人々でごったがえす。
人間だけではなく、自然界と共にわたしたちも生きていることを、
いつかまいさんにも知ってほしいと思う。
七里ヶ浜の亀。
久々の快晴。
先月から続いていたあるハードな仕事がひと山越え、
午後は息抜きがてら七里ヶ浜のファーストキッチンにて
かなりゆる~い気分で仕事をしていた(店内BGMにはハワイアン)。
七里ヶ浜を横目に見ながら自転車を漕ぎ、
134号線を腰越方面に戻る途中。
砂浜に見慣れない、
しかしどこかで見覚えのある物体が目の中に飛び込んできた。
いやまさか?と思いながら…
でもやっぱりどこからどう見ても亀である。
本物かどうか確かめるため、
134号線から砂浜に急いで下りて確かめに行った。
先に発見した若いカップルが写メを撮っている。
近づいて「本物?」と尋ねたら
「本物ですよねえ?」と女の子。
湘南的にはとりたてて騒ぐほどの
スクープではないのかもしれないけれど(どうなんでしょう?)、
このあたりの砂浜でウミガメを見たのは実際初めてである。
全長1mぐらいはありそうだ。
しかしピクリとも動かない。
あとからパパと一緒に散歩に来た、
まいさんと同じぐらいの年頃の男の子が
「きえ~」と奇声を発しながら物静かなカメさんの頭を蹴飛ばしたが、
やはり微動だにしない。
「ダメだよ」とわが子をたしなめながら、
「死んでるんですかね?」とパパ。
おそらくは。
もう金輪際しゃべらないと決めたかのように、
口も目も堅く閉ざされていた。
甲羅や片方の前足がひどく傷ついている。
大海原の旅路の果てに、この七里ヶ浜へ辿り着き、
ついに力尽きたのかもしれない。
どこから来たのだろう?
人間にすれば何歳ぐらいなのだろう?
オスなのか、メスなのかもわたしには判別できない。
自然の中を生き抜いた、孤高の人生(亀生)。
寡黙に目を閉じたその顔は、
鎌倉の大仏のような安らかな表情であった。
「お疲れ様」
手を合わせて冥福を祈る。
夕方に近づくほど空は厚い雲に覆われはじめ、
湿り気のある空気を含んだ潮風が強くなった。
あのあと、ウミガメがどうなったか気になった。
海はときに命の尊さや「生や死」というものについて、
無言の説得力を持って教えてくれる。
とてもリアルに。
静かなる海の使者。
でも、あのカメさん、こっそり海に戻っていたりして。