大塚家具の久美子社長とは20年以上のつきあいで、いろいろ経営のことであったり、悩みを相談し合うような仲間だ。一方で、お父さんの社長時代に有明の店のオープンを過小評価されて株価が大きく下がった時に思い切って投資をして大塚家具株で投資で成功をしたことが私自身の機関投資家人生のスタートなのでお父様にも恩はあるし尊敬もしている。

今回は私たちは株式を保有していないので、今回の議決に対しては傍観者なのだけれども、メディアの中でひとつだけ誤解されていることがあるのでひとことだけコメントしようかなと。

実は私はコトあるごとに、それほど強いトーンではないけれども、大塚家具を離れて好きなことをしたら、応援するから、と言い続けてた。経営者としての才覚もあるし、しがらみのないところで力を発揮したほうがアップサイドも大きいし、だいたい精神衛生上もハッピーだと。株も売却すればそれなりの資金も入るし、起業をするには十分すぎるくらい。さらにベンチャーキャピタルからもお金は集まるだろうし、場合によっては調達も相談にのるよと。


過去、そういう局面は何度もあったけど、でも結局、大塚家具に残るという選択肢を取り続けた。


今回の件も、社長を解任された時に、もう十分やったから起業という選択肢もあるのではと言ったら、目に涙を浮かべて、「社員やお客様のことを考えると・・・・見捨てるようなことはできない。それにまだまだやりようによっては十分にIKEAやニトリとの対抗方法もあるから」と語ったんだよね。


メディア上では、情の父親と理の娘という構図が簡単だから、そのように表現をしているけれども、本当は久美子社長とは自身がすごく情の人でもある。もし本当に理や利の人だったら、しがらみのないところでとっとと仕事をしたほうが早いし、第2大塚家具のネット版を作ったり、もしくはまったく別のビジネスをやったって、勝機はあったと思う。


まあ女性社長が涙を浮かべると世間的な同情はひくけども、一方で、感情的で合理的な判断ができない人というレッテルを貼るので、メディア上では気丈な姿を見せているけれども、本当は従業員のことを考えて涙を浮かべると優しい人なんだよなあ。

実際にそういう人でないと20年も友人を続けることができないからね。