1泊2日無人島気分

1泊2日無人島気分

もし、1泊2日で無人島に行ったら、日常のことや音楽のことなんかを、こんな感じで、ひとり思い巡らすんじゃないか…というブログです。

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「もしかしたら、本調子じゃないかもしれないけど、今回は物理的なこと、技術的なことは置いといて、彼女が発する熱量や伝えようとする感情を受け止めに行くんだ」

一昨日、福岡での黒木渚の復帰ライヴ『音楽の乱』を観に行く前、そう思っていた。

そして、実際のライヴ会場は、観客の歓迎ムードでかなりの熱気で、こちらも軽くテンションを押し上げられたような気分になる。

実際、ステージ上の黒木渚は、本人がMCで言っていたように、今後もまだリハビリは必要で、歌ってても、喉のコントロールがうまくいかないこともあるそうで、確かに本調子とは言えなかった。

でも、感情や込めた熱量は伝わってくるし、それらを増幅させてるのが、「歌えるようになって、ライヴができるようになって、嬉しい」という彼女の喜びだ。

ステージ上で撒き散らされたその喜びは、彼女が曲の中で表現してきた、陰影や生々しさや強さを、これまでにないくらいポジティヴな響きに変えていった。

その様は、「妖精の粉を撒き散らすティンカーベルみたいだ」と言ったら、ちょっとイメージが違うかな(笑)。でも、そんなふうに見えないこともないくらいポジティヴだったんだよね。

これが、声楽家やミュージカル歌手だったら、酷評されたかもしれない。でも黒木渚の音楽は、ポップミュージック(大衆音楽)なんだから、技術的に完全じゃなくても、こちらにちゃんと伝わってくるものがあれば、成立するのだ。

とにかく、見終わった後に、心の奥に清々しさがずっと留まっているようなライヴだった。あの清々しさを、観客の心に残せただけで、成功だったんじゃないかな。
ところで、今日の深夜から、エフエム福岡で、「FM名曲コレクション」という番組が始まります。

約55分間ノンストップで曲が流れる番組で、ワタクシが選曲・構成をしてます。

といっても、ワタクシが個人的に選んだものと、他の方の意見を参考にして選んだものを、織り混ぜていますが、最終的にかける曲は、ワタクシの判断で決めています。

一週間に何枠もあるので、エフエム福岡の番組表を参照の上、聴ける時間帯のものを聴いていただければ、と思います。ちなみに、初回は深夜2時からスタートです。

ラジコのアプリを入れてる方は、タイムフリー機能で時間を問わず聴けますし、ラジコ・プレミアムの方は、他の都道府県から、聴くこともできます(もちろん、タイムフリー機能でも)。

名曲といっても、よく知られた曲はもちろん、個人的に名曲だと思う曲や、将来、定番になるかもという曲まで、幅広く解釈してお送りします。当然、かかる曲は、ジャンルも時代も国も問いません。

「この曲で始まったのに、いつの間にかこんな曲で終わるの?」という、ちょっとした意外性や遊び心も聴き取っていただければ、嬉しく思います。

前回の更新に続き、今回も黒木渚のことです。

一昨日のことになるが、黒木渚のイベントライヴを観た。イベントライヴといっても、フルバンド編成、観覧無料、その上、ライヴは約1時間というボリューム!

ライヴは充分に楽しめた。4~6月にかけて行われたツアーの勢いをそのままに、ワンマンライヴの内容を1時間に凝縮したようだった。

※ちなみに、その4月のワンマンライヴについて、俺が書いたブログがこちらです。⇒http://s.ameblo.jp/hitinthemid/entry-12155199817.html



そして、今回のライヴを観て、思ったことがある。

彼女のライヴの気持ちよさは、彼女が心理的エコーを作り出しているからじゃないかと。

意識的にそうしてるのか、無意識かは分からないけど、残響音は気持ちいいものだ。

きれいに重なってる同じ音を、ほんのわずかズラせば、エコーがかかったように聞こえる。昔のアナログ機材のテープエコーはその原理を使っているのだが、それと同じようなことを、彼女は精神的にやっているように思えた。

  黒木渚のヴォーカルは真っ直ぐだ。例えば、ゴスペルやソウル、R&Bに大きな影響を受けたヴォーカルなら、ウーとかイェーのようなフェイクが入って、そのフェイクのビブラートや音程のアップダウンで、うねりを出したりするが、彼女のヴォーカルにはそれがなく、うねりよりも真っ直ぐさを前に出しているスタイルだ。(他に、このヴォーカルスタイルの有名な人は、木村カエラとかかな。)

それとは逆に、バンドメンバーは、エモーショナルで、うねりのある音を構築している。

つまり、黒木渚のヴォーカルとバックの演奏は、一体感があるようで、実は彼女のヴォーカルにうねりがなく、真っ直ぐな分だけ、ほんのわずか、その一体感からズレている。

そのズレがエコーなのだ。物理的でなく、心理的残響音だ。だから、気持ちいいんじゃないかな。


【追記】黒木渚のヴォーカルには、リズム&ブルースやソウルの影響が少ないけど、彼女の曲のアレンジには、オールドソウルやファンクの要素が採り入れられた曲もあります。今後、そういうところにも注目されるようになればいいな、と思います。



そんな黒木渚さんは、7月に配信シングルを発売します。タイトルは『灯台』。先日まで行われていた春のツアーで、すでにやっていた曲です。その曲についての、詳しい情報は、こちら。⇒http://www.kurokinagisa.jp/2016/06/04/2665