前回の更新に続き、今回も黒木渚のことです。
一昨日のことになるが、黒木渚のイベントライヴを観た。イベントライヴといっても、フルバンド編成、観覧無料、その上、ライヴは約1時間というボリューム!
ライヴは充分に楽しめた。4~6月にかけて行われたツアーの勢いをそのままに、ワンマンライヴの内容を1時間に凝縮したようだった。
※ちなみに、その4月のワンマンライヴについて、俺が書いたブログがこちらです。⇒http://s.ameblo.jp/hitinthemid/entry-12155199817.html
そして、今回のライヴを観て、思ったことがある。
彼女のライヴの気持ちよさは、彼女が心理的エコーを作り出しているからじゃないかと。
意識的にそうしてるのか、無意識かは分からないけど、残響音は気持ちいいものだ。
きれいに重なってる同じ音を、ほんのわずかズラせば、エコーがかかったように聞こえる。昔のアナログ機材のテープエコーはその原理を使っているのだが、それと同じようなことを、彼女は精神的にやっているように思えた。
黒木渚のヴォーカルは真っ直ぐだ。例えば、ゴスペルやソウル、R&Bに大きな影響を受けたヴォーカルなら、ウーとかイェーのようなフェイクが入って、そのフェイクのビブラートや音程のアップダウンで、うねりを出したりするが、彼女のヴォーカルにはそれがなく、うねりよりも真っ直ぐさを前に出しているスタイルだ。(他に、このヴォーカルスタイルの有名な人は、木村カエラとかかな。)
それとは逆に、バンドメンバーは、エモーショナルで、うねりのある音を構築している。
つまり、黒木渚のヴォーカルとバックの演奏は、一体感があるようで、実は彼女のヴォーカルにうねりがなく、真っ直ぐな分だけ、ほんのわずか、その一体感からズレている。
そのズレがエコーなのだ。物理的でなく、心理的残響音だ。だから、気持ちいいんじゃないかな。
【追記】黒木渚のヴォーカルには、リズム&ブルースやソウルの影響が少ないけど、彼女の曲のアレンジには、オールドソウルやファンクの要素が採り入れられた曲もあります。今後、そういうところにも注目されるようになればいいな、と思います。
そんな黒木渚さんは、7月に配信シングルを発売します。タイトルは『灯台』。先日まで行われていた春のツアーで、すでにやっていた曲です。その曲についての、詳しい情報は、こちら。⇒http://www.kurokinagisa.jp/2016/06/04/2665