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新大久保の最前線とK-POPブームとの関係性を紐解く序盤は「勉強」のつもりで読んだ自分にはひじょーに分り易かった。
興味深かったのが「増殖していたK-POP女子と気付かなかった男たち」というトピック。
K-POPは韓国政府と日本の広告代理店・マスメディアの共犯による”ゴリ押し”との批判が絶えない。
でも、少女時代はまだ日本のメディアでの露出がほとんどない状態でデビューイベントに2万人を集めてる。つまり、ゴリ押し以前に一定の人気が既にあった訳で、そこで主に機能したのがSNSだった。
だから、ブログや2ちゃんねる(&まとめサイト)が主な情報源で、Twitterでも女性をあまりフォローしてない男たちの目には入らない→そんなの俺は見てない!これは捏造だ~!と噴き上がる人がいるというワケ。
だから、ネット民が「マスゴミ」の象徴として叩く地上波テレビは少なくともK-POPの”発火点”には全くなっていない。
ブームの発火点としてはSNSであり、そこに新大久保という街が連動したボトムアップが思ってた以上にあったことが発見だった。
もちろん、キャズムを超える為にはマスメディアが不可欠だったのかもしれないし、広告代理店も当然動いてるはずだけど、全てが捏造・ゴリ押しと結論付けるには無理がある。
実際、K-POPブームの下地を作った東方神起が日本でアリーナツアーを行うまでに約3年も掛かってるという話も本書では紹介されている。
終盤にかけて、本書は新大久保の歴史を紐解きながら、3.11以降の様子やコミュニティーのない外国人の問題点など、より大きな文化論になっていく。最終的には「K-POPは日本を相対化」し、「新大久保は世界を広げる」という結論に至るが、ここは少し話が大きくなり過ぎたかな?という印象。
「K-POPは日本を相対化」というのは、僕自身もインドネシアのMOCCAや台湾のシンディー・ワンを好きになって同じ体験をしてるので、凄く共感できるんだけど、序盤のK-POPと新大久保のトレンド、つまり”今起きてるブーム”についての話を個人的にはもっと読みたかった。
とりあえず、これを取っ掛かりに別の本も読んでみようと思う。あと、新大久保に食事に行く!
【日本のアイドル好きの視点で選んだK-POPの気になる曲】
この多幸感っぷりは凄い。劇団ひとりが好きになったのもYoutubeでこのPV(韓国語版)を観たのがきっかけらしいけど、それくらい破壊力がある。特にニコルがキュートすぎる!
”ミスター”とか"ジャンピン"は全くピンとこないので、こっちの路線でお願いしたい。
K-POPは全体的にそうだけど、ビートの強度がパネー。歌メロよりビートの方が印象に残る曲をアイドルが歌う恐怖…。
このT-ARAは必ずしも全員が高身長じゃないし、もうちょっと個性バラバラになればBerryz工房みたいに面白くなるかも。いや、あそこまでバラバラだと逆にヤバいか…。
安室奈美恵とコラボしたAFTERSCHOOLの派生ユニット。これは一番驚いた。ハロプロそのまんまじゃん!つーか、「サイゾー」の記事によれば、それが狙いで『℃-uteの”晴れのプラチナ通り”とそっくり』と指摘されてた。確かに…。
でも、この文脈だったら、本家ハロプロの方がまだまだ余裕で勝てる。
今年の4月にデビューしたばかりの新人グループ。これも少女時代やKARAだけでK-POPを語るといかに危ういかが分かる好例。
K-POPの記号的な要素=バキバキのビート、激しいダンスパフォーマンス、セクシーな衣装が一切ない。むしろ、全て真逆に行ってる!
見よ、この清純っぷり!まだ日本進出はしてないけど、この手のグループが今後続々と日本に乗り込んできて、握手会とかやりまくったらヤバいと思う…。
ちょっとこのグループはしばらく追ってみたい。まぁ、簡単にいえば気に入りました…。
これは「アイドル」と呼ぶべきじゃないのは分かってるけど、カッコ良すぎて死にそうになったので紹介しておく。最初聴いた時にそのままアメリカに持って行けば良いじゃん!と思って、後で調べたらウィル・アイ・アムのプロデュースで既にアメリカ進出が決定済みとのこと。そりゃそうだよな。
デビューの為のレッスン期間が4年。いかに気合が入っているか分かる。ちなみにAKB48のデビューの為のレッスンは1ヶ月…。でも、このゆるさ、このいい加減さ、デタラメっぷりは日本の良い所だと思ってる。
【追記】
あーこれもヤバい。ソロでも凄い人がいた。IU(アイユー)は芸歴3年だけど、まだ18歳。
曲ごとにイメージをガラリと変えたり、アコギで少女時代のカバー曲を披露したり変幻自在な早熟の天才と見られてるっぽい。その意味では松浦亜弥を彷彿とさせる。
この曲はトマパイか!と言いたくなる80年代っぽいサウンドが炸裂。どう考えても名曲。