高円寺に住んで、渋谷で働く、日々の泡

リアル小説。メモ。手帖。

職業はライター。

書くことを、職とします。

ただしココは、リアル小説。メモ。手帖。

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けちんこ

ゆこのことやだなこというのにさ。なんで、けちんこ。。

お腹痛い。。。

ほんとささいな、ほんの1分の出来事

駅の改札口で、彼の帰りを待っている。


ドラマみたいなシチュエーションに照れながら、
「東北へ行こう!」なるポスターを眺めている。


ホームから改札に向かって人が一斉に降りてくるのを確認して、
「あたしならすぐに彼を発見できる」と、
ぼんやりと、しかし強く確信して、曖昧な気持ちで人の流れを目で追う。


「いたっ。発見」と思う。


予想より背の高かった彼のことがうれしくて、
おもわずゆるむ顔を引き締めようと
一瞬うつむいて顔をあげる。


彼に向かって一歩踏む出し、
強がりな私は、何事もなかったみたいに片手を上げる。


何もない夜にあなたのことを考えてみる。
高いビルから見た高円寺駅、人気のないマクドナルド、冷えたコーヒー。
これからどこにいこうか。

ジャカジャカと弾き語りをする男が五月蠅。
明日も私はオレンジ色の電車に詰め込まれるんだ。
寂しいなんて口にしないから、神様もう少しだけ私を幸せにして。
あなたが振り向いてくれたらいい。

雨が降り出した街を私は歩く。
これからどこにいこうか。
この安いビニール傘で私は十分だ。
新しい傘の匂いで元気になった。

empty

あたしの愛はもうからっぽか?


どうやら愛情は底なしではないらしい。


注いでも注いでもかわされる。


愛情の享受者がもつ器は底なしだ。


注いでも注いでも満たされない。


注げば注ぐほど、驚くほどのスピードでなくなっちゃう。


思いを量(かさ)ではかることなんてできないと思っているのだが、


「愛してる」と思うたびに、


底の抜けたビールジョッキに、牛乳をどばどば注いでいる図が


頭の中に浮かぶ…。


私の愛は他人に届かない。


私には、他人からの愛が飛んでこない。


人間、愛し愛されたいのに。


いや、少なくともあたしは──。


ダメ

もうダメだと何度も思った。
だけど私はあきらめない。
きっと私がこれ以上好きな人は現れないと信じているから。

ありえないぐらいの冷たい態度と忌々しい言葉。
思わず頭の中で「カチーン」と音がする。

でも、夜が明けると、あなたにまた会いたいと今は思えるから。
あなたの重荷にならないように、私はそっと寄り添いたい。

いつもそう思って、キリキリ胃が痛いこともあるけど、
あなたがたまに言ってくれる「好き」っていう言葉と
一緒に歩いていてそっと手を握ってくれる優しさがあれば。

私はダメじゃない。

黄色い電車に乗っているとき思ったこと

彼があたしの名前を呼んだとき、
あたしはすごく幸せ。


彼が私の体に触ったとき、
あたしはすごく安心する。


彼がとなりでのんびりしているとき、
あたしはもっともっとのんびりできる。


彼が苦しそうなとき、
あたしの内臓もギュウと縮んで、息苦しくて、苦しい。


彼がやさしく微笑んだとき、
きっとあたしはもっとやさしく笑えているのだと思う。


だけど彼は彼で、私は私。
それは知ってる。


あたしの知らない彼がたくさんいる。
彼が知らないあたしもいる。


だからあたしは、今日もその次も、彼に会いたいと思うのかもしれない。
だから何度も何度も、胸が締め付けられるのかもしれない。

ココロとカラダの矛盾

ココロとカラダは、比例するものだとずっと思っていた。
だけど最近、ココロとカラダは、相反するものでもあるのだと知る。


ついこの間まで、時間が欲しくて欲しくてたまらなかったはずのあたしは、
いま確実に時間をもてあましていて、
やりたいこと、しなきゃいけないことはたくさんあるものの、
それを実行に移すには至らない。


楽しい時間が永遠に続くはずはないのだけれど、
楽しい時間だけが永遠に続けばいいと願う。
これはココロの仕業。


「さて出かけようかな」と思った瞬間、
寒さで身が縮み、もう一度布団にもぐる。
これはカラダの仕業。


いやココロか。
カラダか、ココロか、カラダか…。


てか、ココロって何だ。
ココロあらずの抜け殻が、ただここにあるだけ。
そんな気分で今日1日を過ごしたのだった。

浮気マン

彼の部屋で、また、彼の浮気の痕跡を見つけた。

問いつめるなんてしない、分かってるから。
ただ、少しは私のことを見てもらいたいから、口にする。
彼は嘘なんてつけないけど、はぐらかそうとする。
そんな態度にすごくイライラする。

「この浮気チ○ポ!」
と魚喃キリコのマンガで覚えた単語を叫んでやった。
あいつは全然懲りてない。
もう何十回別れようと思ったことか。知らないうちに胸がズーンと痛くなって涙がぽろぽろこぼれて落ちた。

彼はその涙を唇で受け止めながら、私をギューっと痛いぐらいに抱きしめる。
とても悲しいのだけど、いつもそんなに優しくない彼にそんなことをされて私は嬉しくて、もっと涙が出る。
そして、騙されてしまう。

水に流せやしないけど、涙が流れると許してしまう。
私は涙を流さずに喜ぶことはできないのだろうか。


今日のおやすみBGM ♪一日の終わりに/ハナレグミ

乾き

彼と寿司屋に出かけた。
寿司といっても、くるくる回っているアレだ。


外はすごく寒かったので、店内の暖かさにホッする。


この店には、いかにも仕事ができそうな、
少し声の低い、そして太い、キレイな女性が働いていて、
彼は「あの人、仕事できそうだね。かわいい」という。


あたしもそう思う。
後ろにキュッと髪をひっつめたヘアースタイルは、
彼女にとっても似合ってる。


いままで彼が口にしたイイオンナに、はじめて共感できた。


2人で「えんがわははずせない」なんていいながら、
値段によって色の違うお皿を目で追う。
値段と味。魚と値段。順番…。


いろんなこと考えてたら、あたしの頭の中までくるくるになってきた。
回転寿司って、こんなに難しいものだったっけか???


目が疲れたら、店内に2つあった加湿器をほんやりと眺めていた。


その後、彼は仕事へ。
あたしは、寒さに耐えきれず、大型電気店に暖房器具を買いに出かける。


その電気屋で、寿司屋にあったのと同じ加湿器をみつけて、
「あっ!」と思って、「ふ~ん」と思う。


その後はそんなこと忘れて、やれハロゲンだ、カーボンだと、
よくもわかりもしない性能について吟味する。


加湿器は、マンボウかフグに似た形態をしていたから、
きっと寿司屋の人は気に入ったのだろう。
と、また思う。


あたしは、いつまでもぶつ切りで、加湿器のことばかり考えていた。


きっと乾いているからだ。

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