2020年に東京オリンピックが開催されることになり、東京においてスポーツは随分と盛んになると思います。

さて、オリンピックが決まる前からここ数年間、農業×スポーツで新しいビジネスは考えられないだろうか、ということをずっと考えてきました。

なぜ、スポーツか。

一つが、自分もスポーツを小中高大と続けてきて、きちんと食べないと&きちんとしたものを食べないと、スポーツできないよ!ということが身にしみているということ。

二つ目が、地元である士別市がマラソンや長距離選手の合宿を受け入れており、スポーツ選手が身近であるにも関わらず、地元の基幹産業と言われている農業とのコラボが全くなく、なんだかもやもやすること。

三つ目が、更に地元である多寄町にある総合型スポーツクラブが、全国5カ所ある最古参のスポーツクラブの一つで、スポーツと地域づくりというものが極めて深いところで根付いているということ。

などなど、自分にも地元にも、スポーツとの関わりが多々あり、それならば自分のビジネスである農業を使って何かしたいなーと感じている訳です。

一言でスポーツと農業のコラボ、といっても正直いまいちピンと来ません。

スポーツ選手にとって、どこそこの高糖度トマトを食べよう!というよりは、そもそもいろいろな種類の野菜をこれだけ摂取して過不足のないよう栄養をとろう、という考えの方が多いような気がして、「味や栄養価」というよりも「量とタイミング」という感じなんですよね、おそらく。

基本的にアスリートにとって食事は楽しんだり満足したりするものというよりも、最低限、必ず摂取しなくてはいけないもの、という感じで、それは農というよりも食とか栄養とか、そっちの分野に入る訳です。

つまるところ、スポーツと農業のコラボといっても、一筋縄ではなかなかいいアイディアは浮かんでこねーぞ!という結論になるわけです。

ちょっと一記事では書ききれないので、別立てでまた書きます。

ちなみに、最初の分であえて東京に限定したのは、東京オリンピックが決まり、皮肉なことに地方の総合型スポーツクラブへの助成金が相当削減されたためです。穿った見方をすると、この国はオリンピックを招致しそれを成功させたいだけで、スポーツを浸透させる哲学はないのだろうか、と感じます。

もちろん、スポーツクラブとしては助成金に頼らないビジネスモデル作りが必要です。これは農家も同じですねー。
しばらく書いていない間に、取引先の八百屋さん「フレッシュファクトリー」さんのご紹介で、北海道のローカル局であるUHBさんに取材頂きました。
「北海道コレいいね!」という企画の第一弾でした。

何がいいって、北海道の田舎というアクセスが非常に難しい場所で、どうやってトマトを管理しているのか、その状況が映像を通してご紹介できる、というのが非常に有り難いのです。
この場合は、字面よりも口頭よりも画像よりも映像です。
映像が一番です。

見ての通り、特別なことは大してしていませんが、脇芽の管理とか、誘引の管理とか、については狂ったように管理しています。
脇芽の管理は栄養素の分散を防ぐこと。
誘引の管理は太陽光を最大限活かすことで光合成を最大化すること。
当たり前のことなんですが、人手がないと難しいところでもあります。

もしお時間があれば一度見てみて下さい!

https://www.youtube.com/watch?v=wQptD9cBsbU
冬ですが、雨がぱらつくようなお天気です。
暖かいのく雪が少ないのは有り難いのですが、明日にかけて冷えてくるそうで、
道路がつるつるになるのがとても怖いです。

ここ数年、ミディトマトを有機JASに適合する形で生産していますが、
年々施肥がシンプルになってきています。

一つは地元産のものを使用したいので、そうなるとバラエティが少なくなります。
加えてJAS法は法律なので、やはり実績のある肥料の方が使用しやすいという実務的な面があります。
それに加えて、どの肥料を使うか、ではなくて何を土壌に入れたいか、という観点から考えるようになったことも理由の一つです。

土壌には数多くの微生物が住んでいますが、そのうちの9割以上は未だよくわかっていません。
つまり、土壌の微生物は人間がどうこうしてどうにかできる存在ではありません。
(性別はないと思うけど)彼ら彼女らがバランスよく生育できる環境をある程度準備していくことが、僕らができる数少ないことかなと考えています。

ここからが本題ですが、そこで重要になっているのが、炭素と窒素のバランス。
どうしても窒素優先になりがちなんですが、そこをぐぐっとこらえて炭素を増やしてやることで、微生物のバランスが保たれるそうなんですね。
窒素は後から肥料や液肥の形で土中に入れやすいんですが、炭素はなかなかそうはいかない。
なので礼肥に炭素(うちの場合は自家製のもち藁)を重点的に入れるように意識しています。

牛の胃袋の中をみる実験結果を以前見たのですが、窒素の多い濃厚飼料が多すぎると胃内の微生物が偏って牛の体調が崩れてしまい、炭素分の多い麦わらや稲藁を与えると安定したとのことでした。(ただし乳量は濃厚飼料が多い方が多くなりやすいそうなので、バランスが重要かと)
その環境が閉鎖か開放か大きな違いですが、一つのモデルと考えられるのではないかと思います。

ちなみにミネラルは土壌分析の結果に従ってただ「過不足無く」入れるのみ。(だからシンプルになる)
重要な割に吸収が難しいカルシウムやマグネシウムは葉面で追う感じです。
うちの土質は赤い粘土なので、ミネラルは既に土中にたくさんあるので、その辺は適当です。
土質が砂地だったり黒土だったりすると、また意識するポイントが違ってくると思います。

地元の普及員の方が言うことには、粘土は美味しい農産物がとれるけど、農産物の量がとれず、水はけが悪く雨が降ると作業ができないため作業性が劣る、ということでした。
量が取れず仕事の効率が悪いというのは、今の農業の中ではあまり評価しにくい。というか悪い評価ですよね。
今、輸入が増えているのは、外国産が安価であるというよりもロットが安定的に確保できるから、という理由だからです。
2014年-2015年の冬は北海道産の冬至用南瓜の廃棄が非常に多く、海外産の南瓜に切り替えざるを得ないバイヤーさんも多かったそうですが、値段が非常に高いけど買わざるを得ない、という話しを聞きました。

それはそれとして、収量に劣るこの地域が勝負するべきはそこではなく、丁寧に美味しいものを作って、いかに付加価値をつけて販売するか、という一点にあると思います。
地元の北ひびき農協はそういう意味で面白い取組みをしていて、非常に評価できると思います。
それはまた別の記事で書きたいと思います。頑張れ北ひびき!

話しがぴょんぴょん飛びますが、備忘録みたいな位置づけで書きますんで、読まれる方はおつきあいして頂けると嬉しいです。今まで見聞きしたことをいったん吐き出して行こうと思います。とりえあず、三年分w
ブログの更新、大変長らくご無沙汰しておりました。
2015年が始まってもう二週間ほど経ちましたが、士別はそこまで酷い天気ではなく、非常に助かっています。

3年間という月日は物事をガラリと変えるには十分な時間なようで、身の回りが随分と変化しました。

まず、娘が生まれました。自分に似た小さな存在ができるということは、ご多分にもれず非常に大きなことでして、人生の優先順位が変わりました。
僕は18歳の時に大学進学のために家を出ましたが、あと16年もすると彼女も家を出て行ってしまうのかと思うと、、もう!今から!切なさが溢れます!!先日、地下鉄から東急百貨店に行った時、一緒に階段を一歩一歩進んだんですが、バージンロードもこんな感じなのかな、、と思うとちょっとぐっと来てしまいました。。←あほ

次に、自分の仕事である農業でも変化がありました。数年前から自分たちで販路を開拓し、直接販売するようになりました。また、2014年から急遽、ファームの経営者となりました。通常親の年齢が65になる直前に委譲するのが多いんですが、それよりも数年早く委譲してもらうことになりました。

現在、32歳。一般企業であれば部下もいる立場になり、自分の仕事と教育とでいろいろと悩み、苦労し、板挟み。ある意味、人生で最も重要な時期と言えるかもしれません。今の仕事が40代の仕事を、引いてはこれからの人生を作ると言っても過言ではないです。比較的早い段階で引き継げたのは、うちの経営にとって間違いなくプラスになる。

最後に、地元の多寄スポーツクラブ(TSC)に関わる機会が増えました。一昨年から昨年にかけて、日体協公認のクラブマネージャを取得しました。それに伴い、TSCや全国のクラブマネージャの仲間ができ、人間関係が一気に広がりました。

僕の住んでいる市はスポーツ、とりわけマラソンや長距離選手の合宿の里として知られていますが、基幹産業と言われる農業とスポーツのうまい関わりというのがまださほどありません。ここを上手に橋渡しするのが、僕の仕事だと思います。

先日ジュニアアスリートフードマイスターという資格試験を受けてきましたが、この資格の内容や効果はさておいて、人と繋がるきっかけが生まれればいいなと思います。

2月下旬まで、それなりに書きたいと思いますが、書きたいことが山積みでその山に押しつぶされそうです。
気がつけば、4月も中旬になりました。
お元気ですか。たにとしあきです。

とはいいつつも、外の風景はまだ雪が多く積もっていて、畑に入れない日々が続いています。
昨年は雪解けが早く進んだものの、雨が多く厳しい春でしたが、今年はそれ以上に厳しいのかもしれません。
それでも淡々と進めるしかないし、こういう天候だからこそできることって数多くあったりします。
それは例えば労働改善や農的実験です。

通常企業では研究開発コストをかけます。
が、農業ではなかなかその時間的な余裕がありません。
こんな時だからこそできる整理整頓の仕組み作りや作業内容の把握のための仕組み作り、
更にはそれらをまとめる台帳づくりなどのチャンスになります。

今年は大きなチャレンジの年ですが、チャレンジのためには様々な下準備が必要です。
そういった「仕組み」を編んで重ねて合わせることで、もっと多くのチャレンジができるようにしていきたいと思います。

先日、「本当のポジティブは、ネガティブさえもポジティブに受け入れる」といった話しを某podcastで聞きました。
それと同じように、この年のこの時期をがしがしと活かして行きたいと思います。