他の解答例などと合わせて、ご参考までに。

 

東京大学2005年第4問(小池昌代「背・背なか・背後」)


①背後には視線を送れず、様子を知り得ないのに、その背後の世界から排除されているのは当人だけで、他人にはその人の無意識がさらけ出されていること。
②視線と意識の方向は一致し、背後にあえて意識を向けたとしても、視線が無力化されると同時に、結局、背後を捉え得ず、試行も無価値化されてしまうこと。
③背後の世界と死後の世界は、自身の意識が及ぶ目前の世界と隔絶しつつも平行して存在する点、他人のものは見えても自身では見られない点で共通すること。
④自身に背を向け、別の世界に視線を向ける人に働きかけるには、物理的な動作か固有名詞という一種の呪文が必要になり、一般の言葉では交流が始まらないこと。
 

 

※これは国語講師・吉田裕子が個人的に作成したもので、出講先の組織的な見解ではありません。