日々の泡

2か月以上もここを放置してしまった。
厳密に言えば、ほぼ毎日ログインはしていたけれど書けなかった。
書きたいことはたくさんあったけれど、時間と気持ちに余裕がなかった。
という言い訳をしてみる、季節外れの冷たい雪が降った土曜日の午後。
「春雪」って語感は素敵だけれど、実際に経験すると違和感だけが残る。

今年ももう4月も半ばを過ぎた。
憂鬱な気分で始まった2010年、その憂鬱は2月も3月も引き続き、
ときどき晴れたと思えばまた憂鬱になったりヤケクソになったり、
そうしてもうあきらめというかなんというか、開き直りに至った。
とりあえず今月末、3年近く過ごした場所に別れを告げる。
新緑の季節には新しい場所で、毎日を笑って過ごせますように。

いつもの悪い癖で、つい自分で全部抱え込もうとしてしまう。
喧嘩したり、人と争うのは嫌だからと、言いたいことを飲み込んで。
いいひとである必要なんてないのだとわかっているのに、
気づけばいつも笑顔をつくりながら、泣いている。
そうして溜め込んだその哀しみを、時に爆発させてしまう。
こんなこといつまで繰り返すのだろうとイヤになるけれど。
一生、死ぬまで続くのだ。

死ぬまで、私は生きていかねばならない。
死ぬために、私は生きているのだからね。
与えられたいのちを全うするために。

どうせ死んでしまうのなら、美しい花たちのように、生きたい。
その美しさを高らかに謳い、潔く散ってゆく、花たちのように。
のぞみとの別れを惜しんでいるうちに、名古屋駅に到着。
そのまま中央線に乗り換えて、千種駅に降り立つ。
少し早いけれどホテルにチェックインして、しばしの休憩。
地元のFMをかけたら、クリスマスソング特集をしていて苦笑い。
「恋人はサンタクロース」なんてベタな選曲を聴きながら
身支度整えて、ふたたび街へ繰り出した。

まずは腹ごしらえ。せっかくだから名古屋らしいものを食べないと。
千種駅から地下鉄に乗り、今池駅で降りて今池ガスビルへ。
事前に教えてもらっていた、鰻のおいしいお店 へ入る。
店内は忘年会の時期もあってか、酒を飲む人たちで賑わっていた。
あまり時間がないことに気づいた私はカウンターに座り、
お酒とつまみは我慢して、早速「ひつまぶしミニ」を注文。

と、注文したはいいけれど、生まれて初めてのひつまぶし体験。
(食べ方ばかり気にしていたら写真撮り忘れた……)
ミニと言っても女子ひとりの晩ごはんには十分な量である。
まず一膳目はそのままで。うん、おいしい。鰻だ鰻。やっぱり鰻大好き。
そうして二膳目は薬味と一緒に食べてみる。うん、これもおいしい。
さっぱり。こういう食べ方は初めて。気に入ったのでもう少しこれで。
で、最後は例のお出汁をかけてさらさらと。うん、よいね。よいよい。
でもこれはほんと最後の最後だけでいいなあ。
みんなはどれが一番おいしいと思うのだろう?
でも今日はひとり。おいしさの感動を分かち合えない。 
なんか切ない。おいしかったけどさみしい。おいしいのに。

とはいえおいしさの余韻に浸っている時間もあまりなく、
慌てて地下鉄に乗り、次はコンサートの会場へ。
鰻、また食べたいなあ。鰻、鰻。お酒も飲みたかったなあ。

(つづく)

日々の泡


もう昨年の話になってしまったけれど、やっぱり書いておきたくて。

2年ぶりくらいだろうか、ふらりとひとり、旅に出てみた。

2009年最後の、もはや懐かしい思い出。

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今回の旅の目的はふたつ。

ひとつは好きなバンドのコンサートへ行くこと、

もうひとつは会社の元同僚のお姉さんに会いに行くこと。


名古屋には以前伊勢に行った時に乗り換えの際暫し滞在したくらい。

だから、何も知らない街に数日前からドキドキ。

ホテルだけ予約して、名古屋の人においしいお店を教えてもらって、

一応ホテル周辺の喫茶店とバーくらいは調べて(珈琲と酒は必須)

あとは行き当たりばったりでいいやと、仕事やっつけて新幹線に乗った。

もちろん片手には缶ビール。少しだけ贅沢してエビス・ザ・ホップ。

でもまだ15時過ぎ、新幹線の中はスーツ姿の人が多くて、

遠慮がちにビールをすする。そのあと読書、気づいたらうたた寝。

富士山は見逃したけれど、起きたら真っ赤な夕日が目の前に。

よい旅になりそうな気がして、気持ちが昂る。


さあいよいよ、名古屋に到着。

まずはあれを、食べるのだ。


(つづく)